石川(裕)委員 次に、同じく長期化計画の中で、神奈川県県営住宅 健康団地推進計画の現状について伺っていきます。  神奈川県公共施設等総合管理計画において、公共施設等の維持更新に関する考え方について伺います。

大河原施設整備課長 公共施設等総合管理計画では、公共施設の維持更新について、耐震化、安全確保、脱炭素化、ユニバーサルデザイン、長寿命化、点検・診断等、公民連携、統合や廃止の九つの考え方を持って取り組むこととしております。

石川(裕)委員 総合管理計画では、公共施設の維持更新について、耐震化、長寿命化や統合・廃止など、九つの視点で取り組むという考え方を伺いましたけれども、本来、平成25年度から平成34年の間で計画された県営住宅ストック総合活用計画でありましたけれども、平成31年に現計画に統合されました。統合されるに当たり、県営住宅ストック総合活用計画は、どのように整理、検証、総括されたのか伺いたいと思います。

新井公共住宅課長 県営住宅ストック総合活用計画、これは既存ストックを有効活用することを目的として、老朽化した浴室などを改修する工事などを進めてまいりました。しかし、入居者の高齢化に伴いましてコミュニティー活動が低下したため、高齢者が交流できる場所などの整備が求められるようになりました。また、居住環境につきましても、エレベーターを設置するなど、抜本的なバリアフリー対策が必要になったということもございました。そこで、整備を改修から建て替えにシフトして、コミュニティルーム等の整備やバリアフリー化に取り組むことといたしました。そのため、平成31年に健康団地推進計画を取りまとめて、令和10年度までに28団地、約7,000戸の建て替えに着手して未病改善を進めることとしたものでございます。

石川(裕)委員 今、改修から建て替えにかじを切り、そして10年間で28団地、約7,000戸の建て替えに着手していくという御答弁がありましたけれども、この事業費は、どのように見込んでいるのか伺います。

新井公共住宅課長 健康団地推進計画、これは先ほど申し上げましたように、30年間で建て替えが必要な県営住宅を約2万8,000戸と見込んでございまして、概算事業費を約5,000億円と見込んでございます。 これを30年間で平準化いたしますと年間900戸となりまして、1年当たり約160億円を想定しているところでございます。

石川(裕)委員 この計画で、計画作成当初から10年間の建て替え計画が示されています。当初、5年間で鶴ケ峰団地、万騎ケ原団地などをはじめ、一部の建て替えを含め、19棟の建て替えが計画されています。現状の見通しについて伺います。また、当初おおむね1,600億円と示されました概算に対して、現状は、どのような見通しとなっているのか伺いたいと思います。

新井公共住宅課長 計画では、令和元年度から5年度までの前期5年間に、19団地の建て替えに着手することとしており、これまで18団地の建て替えに着手、令和2年度までに主に設計に取り組んでございました。令和3年度から順次工事に着手して、同年度の建て替え事業費は約10億円となっておりますが、計画の進捗に伴い、工事費は徐々に増加する見込みでございます。また、計画後期に建て替える9団地、これにつきましては、今後、設計に着手していくことになりますが、PFIなどの民間活力の活用や余剰地の売却などにより財政負担を軽減し、当初にお示しした1,600億円の概算に収まるように取り組んでまいります。

石川(裕)委員 平成28年度から募集戸数を計画では増やしているものの、空き住戸が増加しているとされています。今、建て替えていくということでしたけれども、建て替えても空き住戸が多ければ意味がありません。建て替えにより空き住戸の減少をどの程度見通しているのか、その対策はどのようになっているのか伺いたいと思います。

新井公共住宅課長 今回、建て替え時期を迎える住宅というのは、エレベーターがなく、あるいはバリアフリー上の課題がある上、風呂の設備がない、こういった現代の生活スタイルから居住環境が十分でないといったものがほとんどでございます。  こうしたことから、建て替えによりコミュニティルーム等を整備するとともに、一層のバリアフリー化を図ることとしており、こうした取組で空き住戸を減少させてまいります。

石川(裕)委員 バリアフリーということで、エレベーターもついて、それで空き住戸が減るというふうな理解ですけれども、ぜひそのとおりになるか、まず注視していきたいと思いますけれども、最後に局長に伺います。5年ごとに見直すとした健康団地推進計画については、当初予定していたおおむね1,600億円とした概算と比較して、その年々の現状、進行状況、そして何より空き状況の改善、持続可能な収入確保策などの状況により、それを具体的に明示して次の5年にしっかりと反映させることが必要と考えますけれども、所見を伺います。

大島県土整備局長 平成31年に策定した県営住宅 健康団地推進計画は、県営住宅を持続的に運営していくため、空き住戸の減少、余剰地処分金の活用などに取り組むことで、財政負担を増大させることなく計画を推進することとしております。この計画は、令和5年度に見直しの時期を迎えますが、見直しに際しては、建て替え事業費の推移、それから空き住戸の改善など、位置づけた取組が着実に推進したか検証していくことが大変重要だと考えております。そこで、計画の見直しに当たっては、空き住戸の改善状況や建て替えに伴い生み出した余剰地売却収入など、具体的な数字として把握し明らかにした上で、その後の計画に反映する取組を始めてまいります。県としては、こうした取組を通じ、今後も県営住宅が住宅セーフティーネットの中核としての役割を適切に果たしていけるよう努めてまいります。

石川(裕)委員 局長に御答弁いただきました。県営住宅の長寿命化、建て替えは、今暮らしている方々が、まずは安心して住めるようにしていただくということが大事であると思います。  しかし、一方で、県人口が減少していくことが予測されている中で、今後の県営住宅全体の在り方などもぜひ検討していただき、5年目の見直しを踏まえた課題整理を要望しておきます。