石川裕憲議員 質問の第3は、横浜市営地下鉄3号線及び小田急多摩線の延伸についてです。平成27年度は、15年に1度見直される国の交通政策審議会での答申が出される年とされています。この交通政策審議会には、県としても、あざみ野から新百合ヶ丘までの横浜市営地下鉄3号線延伸について採択されるよう、提案されていることは承知をしております。平成12年の運輸政策審議会答申において、平成27年までに開業することが適当と位置づけられた路線、いわゆるA1路線のうち、約8割が営業中または整備中に至っております。例えば、横浜市営地下鉄グリーンラインは平成20年3月に日吉から中山まで開業し、同じく、A1路線であった相鉄線がJRや東急東横線と相互直通運転を行う神奈川東部方面線の新設については、相鉄線都心直通プロジェクトとして、平成30年度、31年度に乗り入れが実現をする予定です。そのほか答申で示された小田急線の複々線化工事なども順次進められるなど、早期実現に向けて取り組まれています。しかしながら、横浜市営地下鉄3号線延伸については、広域的な交通利便性の向上が期待され、かつ事業としての採算性が比較的高い路線とされているにもかかわらず、いまだに着工すらされておらず、県内の鉄道事業網の中でも、整備が非常におくれています。一方、小田急多摩線については、現在、川崎市麻生区の新百合ヶ丘から東京多摩市の唐木田まで運行されていますが、平成12年の答申で、今後整備について検討すべき路線として位置づけられながらも、地元からの相模原方面までの延伸という強い要望を受け、相模原市では町田市との覚書を締結し、平成39年までの実現を目指すとされております。  しかし、残念ながら、今年度の交通政策審議会への提案の中に、東京都からはこの小田急多摩線延伸は入っておりません。この県境を越えての延伸においては、東京都との連携がなければ整備を進めることは難しいと考えます。「かながわ交通計画」には、地域の個性を生かし、魅力と活力ある県土づくりの実現に向けて、鉄道交通網の充実による県内外、地域間の連携強化、利便性などがうたわれています。今後、新たに神奈川の玄関口となり得る橋本駅付近にリニア中央新幹線の駅が開業する予定もあり、新百合ヶ丘までの横浜市営地下鉄3号線の延伸、小田急多摩線の相模原方面への延伸は、ともに県の広域交通ネットワークとして鉄道事業計画の中心になるべき事業であると考えます。

そこで、知事に伺います。 横浜市営地下鉄3号線延伸について、平成12年の運輸政策審議会での答申以降、15年間整備計画が遅々として進まないという中で、県のこの路線に対する現状の認識について、また、広域自治体である県として、小田急多摩線延伸を含めたこの二つの路線延伸に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、あわせてお伺いします。

黒岩知事 次に、横浜市営地下鉄3号線及び小田急多摩線の延伸についてお尋ねがありました。まず、横浜市営地下鉄3号線の延伸についてです。   横浜市、川崎市にまたがるこの延伸は、横浜市北部や川崎市内陸部の交通利便性の向上などが期待できるもので、平成12年の国の審議会答申である東京圏における高速鉄道に関する基本計画において、整備を推進すべき路線とされています。 横浜市と川崎市は、この延伸について密接に連携協力して検討を進めるため協議を重ねています。現在、横浜市はルートの調査などを進めており、川崎市もこれに協力するとともに、今後、駅周辺の活性化に向けた調査などを進める予定と聞いております。県としては、両市が連携し、実現に向けた検討がさらに深められるものと認識しています。この延伸を実現させるためには、まずは、現在、国の交通政策審議会で審議が進められている次期答申に引き続き盛り込まれることが重要です。そのため、県は、横浜市、川崎市の意見を聞いた上で、昨年8月の審議会でのヒアリングにおいて、首都圏南西部の広域的ネットワークの形成に寄与する重要な路線であると説明するなど、次期答申に盛り込まれるよう取り組んでいます。        次に、小田急多摩線の延伸については、沿線の町田市と相模原市が延伸の実現に向けた研究会を設置し、検討しており、県は国や東京都とともにオブザーバーとして参加し、技術的支援を行っています。この延伸は、現在の基本計画において、整備について検討すべき路線とされていますが、計画地となる相模総合補給廠の一部が返還されるなど、実現に向けた環境が着実に整ってきています。そこで、県は、次期答申では、より優先度の高い路線となるよう、3号線の延伸も含め、私自身も機会を捉えて国へ働きかけているところです。広域自治体である県としては、まずは両路線の延伸計画が次期答申にしっかりと盛り込まれるよう、引き続き国などに働きかけていくとともに、3政令市とも連携し、計画のレベルアップが図られるよう取り組んでまいります。

石川裕憲議員 三つ目は、横浜市営地下鉄3号線の延伸、小田急多摩線の延伸についてでありますけれども、県の交通ネットワークを充実することよって、県民の利便性の向上、速達性の向上はもちろんのこと、外国人を含めた観光客が神奈川県内で周遊できる鉄道整備を早急に推し進めることが必要であると考えます。ぜひ広域自治体として、神奈川県が先頭に立って県内鉄道交通網を充実していっていただきたい、このことを強く要望いたします。