石川裕憲議員 川崎市麻生区から選出をいただいております石川裕憲です。議長のお許しをいただきましたので、民主党・かながわクラブ県議団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問を行います。私は、昨年の統一地方選挙において、神奈川県議会議員として初当選をさせていただきました。サラリーマンとして約20年、議員秘書として8年の経験を積み、この場に立たせていただいております。私は、このサラリーマンの経験と秘書の経験を生かし、毎年チャレンジをして完走している湘南マラソンのように、粘り強く政策課題に取り組んでまいりますことをお約束し、質問に入らせていただきます。知事、保健福祉局長、教育長におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願い申し上げます。また、先輩議員、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、ご清聴よろしくお願いします。

質問の第1は、ライフイノベーションセンターについてです。県では、川崎市の殿町地区において、再生・細胞医療の実用化、産業化の拠点となることを目指してライフイノベーションセンターの整備を進めており、この4月に供用を開始すると承知しています。知事は、このライフイノベーションセンターを県主導で再生・細胞医療の拠点としたいとしており、国家戦略特区なども活用しながら、研究成果を実用化につなげる場としても期待されております。再生・細胞医療の分野は、産業分野として今後大きな市場の拡大が期待されているだけではなく、将来的には神経や臓器の再生など、治らなかった病気が治る治療となる可能性もあり、難病に苦しむ方々に希望を持っていただける治療として大きく期待されています。   こうした中、県においては、先月、ライフイノベーションセンターへの入居事業者の一部を第1弾として発表いたしました。センターには、再生・細胞医療分野を中心に、研究開発から製品・商品化まで幅広く事業展開できる拠点として、国内外の関連企業、大学、研究所等の入居を想定し、最終的には約30の事業者が入居する予定と伺っております。今後の第2弾以降の発表も含めて、どのような企業や研究機関が入居するのか、高い関心を持っております。   この再生・細胞医療の実用化、産業化を推進するためには、有望な技術シーズ、まさに種を持つ企業や団体を多く誘致し、集積させることが重要であると考えます。あわせて、資金面や制度面など、企業等が抱える課題を解決するため、ニーズをしっかりと酌み取った支援策を講じることが必要であります。さらに、そうした事業者が開発した再生・細胞医療の技術や製品が早く実用化し、治療法や医薬品などとして早く、県民を含め、多くの方に還元されるよう支援を行っていくことが重要であると考えます。

そこで、知事に伺います。 県が整備を進めているライフイノベーションセンターについて、完成を目前に控えた今、入居する企業の誘致状況はどのようになっているのか、また、再生・細胞医療の県民への還元とも言える早期の実用化に向けた支援について、県はどのように取り組んでいくのか、あわせて知事の所見を伺います。

黒岩知事 初めに、ライフイノベーションセンターについてお尋ねがありました。まず、入居企業の誘致状況についてです。県では、このライフイノベーションセンターが再生・細胞医療の世界有数の産業化拠点となるよう、高い技術を持つ有望な企業、大学及び研究機関の入居に向けて、国や業界団体と強く連携し、国内外で誘致活動を行ってきました。また、先月から、現場見学会を実施していますが、予定を大きく上回る海外関係機関等を含め、延べ30社以上、約100名の方にご参加いただくなど、企業の皆さんの強い期待を感じているところです。 こうした取り組みによって、現時点で全体の床面積の約8割が入居決定、あるいは決定に向けた最終調整を行っている状況にあります。現在も入居に関する多くのお問い合わせをいただいており、今後も有望企業のさらなる集積に向け、積極的に誘致活動を展開していきます。

次に、再生・細胞医療の早期実用化に向けた支援です。県民への還元とも言える医療を早期に提供するためには、開発した製品や技術の薬事承認に向けて、臨床研究や治験などを円滑に行うことが重要です。そのため、県では、今年度から取り組みを開始したかながわクリニカルリサーチ戦略研究センターについて、現在のかながわサイエンスパークに加え、ライフイノベーションセンターにも拠点を置き、企業が行う臨床試験の計画づくりなどの支援に取り組む予定です。一方、再生・細胞医療分野は市場が未成熟であり、事業化に向けては技術面やコスト面などのリスクが大きいといった課題があります。そこで、そうしたリスクを軽減できるよう、特に革新的な技術を持つベンチャー企業に対しては、ベンチャー支援に精通した株式会社ケイエスピーとも連携しながら、成長段階やニーズに応じ、事業計画づくりや資金調達、大企業とのマッチングなどについて総合的な支援を行います。こうした取り組みを進めることによって、入居企業の活動の成果が再生・細胞医療の製品や治療として県民の皆さんに早期に還元できるよう、私自身が先頭に立って取り組んでまいります。