石川裕憲委員 早速質問に入らせていただきます。今日は、主に観光について伺ってまいりますけれども、まず冒頭、局長にお伺いします。2018年度の部局編成で、県民局の国際文化部門と産業労働局の観光部門が統合し、国際文化観光局が発足してから5年が経過した中で、来年度はスポーツ局との統合も検討されています。そこで、新型コロナの影響があったことは理解しますけれども、当初、局の設置目標であった国内外からの観光客の誘致、人を引きつける魅力ある神奈川づくりの加速化など、これまでの局の発足の成果について伺いたいと思います。

国際文化観光局長兼拉致問題担当局長 国際文化観光局でございますけれども、今、委員言われましたとおり、2018年4月に発足をいたしました。翌2019年にはラグビーワールドカップが控えておりました。2020年にはオリンピック・パラリンピック競技大会が控えておりました。こういう大きな国際大会を控えて、人を引きつける魅力ある神奈川をつくり発信するということを目的に、国際分野、文化分野、観光分野が連携して取り組むぞということでできた局だというふうに考えております。今日は、観光に特化した質問だというお話ではございましたけれども、観光そのものでいろいろやってきたのと併せまして、局になったからこそ連携してできた事業というのがあったなということがあります。あまりいろいろ言うと先生の時間を取ってしまうので、一つ二つの事例を挙げますと、例えばラグビーワールドカップのときに、日本大通りで流鏑馬を行いました。流鏑馬という日本古来のものを行うという文化的な部分、それを外国から来た方にも見ていただこうという国際交流の部分、そしてそのこと自身が神奈川の地に人を引きつける観光のPRになるといったような、それぞれの側面をちゃんと見計らって事業を行うといった取組を行いました。2020の東京オリンピックに向けても、同じように様々なことをやりました。コロナ禍ございまして、実際オリンピックが無観客ということになりましたので、そこはオンラインに切り替えたりといったような工夫をして、させていただきました。コロナというのが、人を引きつける国際文化観光客にとっては、人流を抑制しなさいという一番厳しいブレーキを担ってしまったという、つらい時期がございましたけれども、その中でも様々な取組をしたことは、種々質問に各課長が答えてきたとおりでございます。観光でいえば、その中でも観光需要喚起策やりましたし、「鎌倉殿の13人」があればデジタルラリーをしましたし、ベトナムフェスタも昨年から始めたといったようなことでございます。いろいろな視点で取り組んできたと思います。最後に、今後でございますけれども、御承知のように、スポーツ局と統合ということになってございます。スポーツ局とは非常に親和性の高い業務をやっていると思っております。統合によりまして、県民に対しては、心身ともに豊かな生活をより実現してまいりたいと思います。対外的には、神奈川の魅力をより発信してまいりたいというふうに考えております。

石川裕憲委員 局長から冒頭御答弁いただきましたけれども、具体的な成果といいますか、結果というものを伺いました。そういう中で、今回、観光客受入環境整備事業費について伺ってまいります。令和4年度観光客受入整備事業費として3億円を計上し、観光客が快適に滞在できる環境づくり等に対応するため、多言語表記等の整備に加え、ワーケーションやDX整備等に取り組む民間事業者に対して補助をする事業を行ったと理解しています。この決算額を確認させていただきたいと思います。

観光課長 予算額の補助原資3億円に対しまして、決算額は2億6,200余万円でございました。

石川裕憲委員 約2億7,000万円というふうに理解しますけれども、補助上限額が300万円で、執行額が約2億7,000万円ということですけれども、この事業費には公共施設ではなく、全てこれは民間の申請に対する補助だったのか、確認をしたいと思います。

観光課長 本事業は、観光客の受入環境整備を行う民間事業者に対して補助を行うものでございます。

石川裕憲委員 昨年度、観光客の受入整備事業としては、民間への支援ということで理解をしましたけれども、民間支援を除く県としての観光客受入整備事業はどのようなものがあったのか、そしてまた、その予算額と執行額を確認させていただきたいと思います。

観光課長 観光客受入環境整備事業は、民間事業者が所有する観光施設等を補助対象としてございまして、県有施設は対象としてございません。なお、県有施設の整備につきましては、それぞれの所管部局が改修等の予算を計上しまして執行してございまして、観光部門が取りまとめることはしてございません。

石川裕憲委員 観光部門として、観光客受入整備事業の公共の部分のところは取りまとめをしていないというふうに今、御答弁をいただきましたけれども、その前に、令和5年度観光客受入整備事業の予算額とその内容について確認をさせていただきたいと思います。

観光課長 令和5年度の当初予算額でございますけれども、3,000余万円となってございます。内容としましても、引き続き民間の観光施設に対する補助事業ということになってございます。

石川裕憲委員 令和4年度は国のお金も入った形で3億円と、令和5年度は県の事業ということで3,000万と。10分の1、3億円から3,000万円という形になったというふうに理解をしましたけれども、そういう中で、令和5年度は3,000万円の予算額で、私が6月の一般質問のときに、観光財源を確保する取組について質疑を行ったときに、今後の受入環境整備費用をどのくらいに見込んでいるのかということを質問したところ、知事からは、大型イベントが終了し、コロナ禍を経た現在、国際社会の動向の不透明さや観光産業の人手不足など、先行きが見通しにくい状況のため、現時点においては中長期的な費用の推計を行うことが難しい、こういう答弁がありました。中長期的な費用を見通せないということは、民間に支援するということではないですよ、県として中長期的な事業計画がないという理解でよろしいですか。

観光課長 県として、観光の取組につきましては、この春、観光振興計画を改定させていただきましたけれども、今、委員御指摘の金銭的な意味でのというところにつきましてはございません。

石川裕憲委員 金銭的な事業計画は今ないという御答弁ということで理解をしましたけれども、今、課長から御答弁があったとおり、一方で、3月に改定された第5期神奈川県観光振興計画では、数値目標が掲げられています。その中に、県内入込観光客数の目標については、本年の2億378万人から右肩上がりで、4年後の2026年度には2億1,023万人、これを目標としています。また、振興計画の中で、県有施設においてトイレの洋式化、設備改修の加速化、宿泊施設等の誘致促進、バリアフリーのまちづくりなどが掲げられています。この具体的な事業の計画というのは、どのようになっているんでしょうか。

観光課長 今、御指摘いただいた部分につきましては、観光振興計画に書いてあるところが現時点で考えている計画でございます。

石川裕憲委員 振興計画で、私は今、ここへ書いてあるけれども、お金の計画はないという御答弁だったではないですか。でも、振興計画にはこのように書かれているわけですよ。だから、このそごを、何をするにしたって、この振興計画にトイレの洋式化をするにしたって、設備改修の加速化をするにしたってお金がかかるのではないですかと、その計画が立っていないのはどうしてですかという質問です。

観光課長 観光客の受入環境整備につきましては、案内板の整備のようなハード事業から観光ガイドの育成のようなソフト事業まで、多岐にわたるものでございます。また、民間事業者等も含めた多様な主体に御協力いただきながら進めていくものというふうに考えてございます。こうしたことから、平成29年に設置しました神奈川県観光客受入環境整備協議会のほうでも、平成30年度から令和4年度までの5年間で整備するものの経費を推計してはございますけれども、多くの要求に基づきまして経費を算出してございまして、その規模感を表したものという位置づけでございます。また、県の整備方針として整備したものではなく、計上した事業を全て行っていく必要があるというものではないというふうにしてございまして、実効性のある中長期的な全体整備計画を精緻に策定することは非常に難しいものいうふうに考えてございます。そのため、まずは事業者の今のニーズを丁寧に把握しまして、受入環境整備が着実に進むようにしていくことが重要だというふうに考えております。

石川裕憲委員 私の質問の仕方が悪かったら申し訳ないんですけれども、私が聞いているのは公共の、民間のとかではなくて、県として観光客振興計画にトイレの洋式化、設備改修の加速化、宿泊施設等の誘致促進、バリアフリーのまちづくりということを振興計画で掲げられているわけですよ、神奈川県として。その中で今、5年前の環境整備事業の中で、県として7億円というところも後で質問しますけれども、でも、その中で中長期計画を立てて、5年前のときは中長期計画ありましたよ、7億円と。でも、今回は、事業計画の中ではお金のところはないと。でも、振興計画ではこういうことをやると言っている。では、この計画はどうなっているんですか、積み上げはどうなっているんですか。改修するトイレはどれぐらいあるんですか、トイレの洋式化ってどれぐらいするんですか、それにお金はどれぐらいかかるんですか。こういうことを積み上げないで、短期的に3,000万円の民間のことを支援をしていく、これも環境整備としては必要かもしれませんけれども、中長期的なそういう計画が必要なんではないんですかということを質問しているんです。

観光課長 中長期的な計画というのも必要かどうかと言われれば、必要性というのはあると思いますけれども、なかなか中長期的な数字を出すところが難しい課題かなというふうに思っております。

石川裕憲委員 難しい課題というのはおかしいではないですか。だって、洋式化をすると書いてあるし、宿泊施設等の誘致を促進する、設備の改修を加速化すると書いてあるということは、もともとの数値を理解していないということですか。

国際文化観光局長兼拉致問題担当局長 計画の中に県の取組が書いてあると、その具体的な計画が数字で積み上げておくべきではないかという御指摘というふうに受け止めました。県の観光振興計画の中に書いてあるのは、観光に資する施策を取りまとめて記載してございます。例えば、県立公園のトイレを観光客も使いやすくなるといいねということで、県立公園が整備をするのであれば、観光の側面があるので掲載をしています。ただ、県立公園がどれぐらいトイレを改修するかというのは、県立公園の整備の計画になりますので、必ずしも観光のためだけにやっていないねといったあたりのことから、残念ながらそれぞれの計画、そこに掲載されている取組、方向性の一致はありますけれども、その具体的な計画を観光だけで串刺しをするという作業を今、神奈川県は行っていないということでございます。そこに注力をするよりも、それぞれの施策の目的性に鑑みたことをやる、そこに我々としてはというか、観光の側面からすれば、観光客も使いますよ、観光客もこれだけ来ますよということを考えてくださいということ、そういう連携をしっかりと取っていくといった形で施策を進めているということでございます。

石川裕憲委員 限られた時間ですから、次の質問にいく前に要望を言っておきますけれども、2017年から22年の、先ほど課長も少し答弁がありましたけれども、5年間の計画の中で、受入環境整備事業を進める中で県の費用負担分というのがあったわけです、7億円と。その中には多言語表示の案内板とか公衆トイレの整備、ガイドブックの作成、こういうことを具体的な数値計画まで入っています。今回は、県として単年度ごとにその計画、予算は単年度ごとですから、そこは理解をしますけれども、前回のように、例えばトイレの改修はこれぐらいあるんだからこれぐらいの予算が必要だね、こういって、どういう順番でトイレを改修していこうね、こういうことも外国人観光客受入整備事業をやっていこうという所管であれば、そこは理解をして、それが他局でやっているから私たちは知らないよということではなくて、どこまで進んでいるのかということは把握しなければいけないわけではないですか。そういうこともしっかりと横出しとして、国際文化観光局として観光客誘致事業を進めていくのであれば、できれば県として、費用を含めた中長期的な事業計画を検討することを要望して、次の質問に入ります。

次に、発掘・磨き上げ事業について伺いますけれども、ラグビーワールドカップ、東京オリンピックを見据えて文化局を設置した当初のお話を伺いましたけれども、その際には1,000本のモデルコースを作成する、もしくは県内観光資源を発掘していくという報告がありました。この発掘事業には魅力創造協議会が中心となって、民間事業者、市町村等の協力もいただきながら、これまで2,600件以上の発掘があったということは常任委員会の中でもお話がありました。そういう中で、県内観光資源発掘への令和4年度執行額と令和4年度の発掘数、これを伺いたいと思います。

観光プロモーション担当課長 観光資源の発掘・磨き上げにつきましては、今、お話しございましたとおり、県観光魅力創造協議会において取り組んでおり、協議会運営等業務委託の令和4年度の決算額は1,200余万円でございました。また、令和4年度の観光資源の発掘数は33件でございます。

石川裕憲委員 1,200余万円で三十数件というところでありますけれども、今、お話がありましたけれども、発掘・磨き上げ等においては神奈川県観光魅力創造協議会が行っており、委託事業であるということで御答弁がありました。その協議会の令和4年度の当初予算見積りの積算を確認させてもらうと、協議会の運営費として約330万円とされている一方で、調べていくと、委託事業者であるリクルートに1,159万円で協議会運営等業務落札というふうになっています。当初の330万円の運営費の県の予算ですね。委託したリクルートへの1,159万円、この積算金額との大きな開きがある理由を確認したいと思います。

観光プロモーション担当課長 事業の設計に当たりましては、1,275万円ということで設計いたしまして、観光資源の発掘・磨き上げやモデルコースの開発事業に957万円、協議会運営費として318万円ということで積算をいたしました。そのような積算に基づきまして事業者を募集いたしましたところ、仕様に基づいてこのような事業を実施していくのに当たりましては、1,200余万円ということで見積りをいただきまして、実際にもそのように実施していただいたというものでございます。

石川裕憲委員 令和4年度の当初予算の見積りを見させていただくと、当初の予算は、協議会の運営費として約330万円の予算見積りが積算として上げられているわけです。リクルートへの業務委託の仕様書を見ると、令和4年度神奈川県観光魅力創造協議会運営等業務委託というところで、プロポーザルで募集をされていて、リクルートが1,159万円でこれを受けているというふうに理解をするんですけれども、協議会の運営費、運営等とこの運営費の多分違いだというふうに理解しますけれども、この「等」というところの幅がちょっと広過ぎるような、330万円が1,159万円になるというところでいくと、やはり名前がね、魅力創造協議会運営等業務委託というと、運営に関する費用というふうに理解をするんですけれども、この「等」というのはどういうことをお願いしているんですか。

観光プロモーション担当課長 協議会運営等業務委託の「等」の部分でございますけれども、観光資源の情報の確認や更新、それから観光資源を活用したモデルコース案の作成や修正、旅行商品化に向けたモニターツアーや商談会を実施していただくというものになってございます。

国際文化観光局長兼拉致問題担当局長 すみません。ちょっと補足をさせていただきます。恐らく、委員が見られているのは予算見積書ではないかというふうに思います。リクルートが落札しました魅力創造協議会への委託内容は、会議の運営等で、この「等」については協議会そのものだったり、分科会だったり、もろもろ日常的な運営のことを「等」で表して、それに魅力創造協議会が行う例えば発掘・磨き上げのような事業であるとか、モデルコースであるとか商談会であるとか、そういったインバウンドに向けた県内の市町村、関係団体みんな一緒にやりたいなという事業を運営協議会、そして行う、そのことの事業そのものも併せて委託しますよということになっております。ですので、会議や分科会なんかの運営、そういった日常的な管理分は300万円ぐらい、それに魅力創造協議会が行う商談会等々、もろもろの事業が加わりまして、予算見積額としては1,600万ぐらいの予算をリクルートさんが入札の中で落とされたといったような中身でございますので、ちょっと委員が、運営費等の中が300万なのが1,000幾らになったのではなくて、300万と1,200万のが1,100万になったというふうに御理解いただければと思います。

石川裕憲委員 局長に御答弁いただきましたけれども、私はこの仕様書を見させていただきました。おっしゃるとおり、協議会に係る業務、分科会も含めて、その運営事業というところもあります。それプラスモデルコース案の作成及び修正、観光資源を紹介するシートの作成、そして写真素材の整備、観光商談会の実施、そういうこともろもろ、商品化促進の施策と書いてあります。このことは仕様書の中でいけば、そういう仕様書になっているんですけれども、ただ、これは決算の委員会ですから、予算見積書の当初のところでいくと、協議会の運営費というのは334万2,000円です、見積り、積算のね。そして、リクルートに委託された金額は1,159万円です。この差が、例えば運営費というところは一つくくりでやって、逆に、発掘・磨き上げ事業ということで、別枠でこれをまた委託するのであれば、それは県民としては分かりやすいと思うんだけれども、この見積り、積算内訳から急に、300万円の内訳だったのが1,159万円になるということは、言葉を選ばずに言えば、リクルートさんが、仕様書だけを見ると、300万円だけで収めてくれというようなことはどこにも書かれていないわけですよ、この仕様書を見させていただくとね。というときに、その内訳をきちんと分けられるように、県民に理解いただくように、やはり見積書の中で分けておくのか、もしくは議会運営等という、運営のところが中心になっているけれども、運営費よりも委託している、いろいろやってもらっている事業のほうが予算額は大きいわけですよ。そうすると、この委託事業の名称がちょっとおかしいのではないかというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

国際文化観光局長兼拉致問題担当局長 すみません。ちょっと正確に理解しているかどうか分からないんですけれども、見積書の再々事業名が魅力創造協議会運営事業費となっています。ですので、これが委託のくくりというふうに私のほうは理解をしております。今、ちょっと手元にあります委託の仕様書のほうを見ますと、「等」という言葉が入っているところがあるので、この「等」を探すと、見積書の中では協議会運営事業費の内訳に、開発事業と協議会運営費というふうに別建てで入っているので、この辺の表現が、これだけでは分かりにくいのではないのという、どこまでがこの委託の範囲なのか、見積書との同一性といったものが理解しにくいのではないのかなという御指摘だというふうに受け止めをいたしました。言葉遣いが適切でないところが、先生のほうで御理解、分かりにくかったよという御指摘でございますので、その辺りもう少し研究をいたしまして、次の年は誤解のないような形で、御理解いただけるように工夫してまいりたいと思います。

石川裕憲委員 まさにそこの点を今回要望させていただこうと思っていたんですけれども、本当はもう少し磨き上げの事業の中身のことについて議論させていただきたかったんですけれども、まずこの冒頭、今、局長から御答弁があったとおり、当初の予算見積書と、そしてまた事業委託に出している委託の仕様書の中身は、やはり少し私は、そごはないにしても、少し県民には分かりづらいというふうに思います。
ですから、令和6年度の予算に関していえば、その点を少し工夫していただきたいということを要望して、質問を終わります。