石川】県教育委員会は、小中一貫教育については市町村の意向が大事であり、この資料等を確認してもらい検討を進めてもらいたいとしています。であるなるならば、この小中一貫教育を進めてきた中で、いじめの認知件数、不登校の児童や生徒数などはどうなったのか、少子化の問題はどうなったのか、学習面では算数以外はどうだったのか。具体的な数字を示す必要があると考えます。また、この推進ガイドブックが改訂されてから5年が経過しています。この5年での研究も進んでいると考えます。

そして、このガイドブックには中高一貫教育についても触れられています。ご存じの通り、相模原、平塚にある中高一貫校は非常に人気が高く、毎年、非常に高い倍率となっています。一方で、県立高校改革の中で県立高校の統合が進んでいます。また、県立高校によっては毎年大きく定員割れをしている学校もあります。少子化の中で単に学校統合をするだけではなく、人気となっている中高一貫校の設置など前向きな統合の在り方の検討も必要と考えます。

そこで教育長に伺います。小中一貫校の現状をどのよう認識しているのか。その上で数値を含めた早急なガイドブックの改訂が必要と考えるが所見を伺います。また、今後、毎年高い倍率となっている中高一貫校も含め少子化を見据えた学校再編の在り方をどのように見通しているのか伺います。

教育長】小中一貫教育と中高一貫教育の現状と今後についてお尋ねがありました。
まず、小中一貫教育についてです。中学校へ進学した際に、環境が大きく変わることで生じる不登校等の課題、いわゆる中1ギャップの抑制などに向けた一つの手段として、県教育委員会では、小中一貫教育を推進しています。
小中一貫教育は、9年制の義務教育学校に限らず、学区内の小・中学校が連携して、教育目標などを共有し、系統的に教育を行う仕組です。県教育委員会では、この考え方や導入手順等を、平成29年に「小中一貫教育推進ガイドブック」としてまとめ、市町村に取組を促してきました。その結果、現在16市町村で、小中一貫教育の考えのもと、中学校の教師が小学校で授業を行う乗り入れ授業や、学区内の小中学校の子どもたちが、オンラインで交流するなど、様々な取組が行われています。こうした取組については、ガイドブックの事例集に改めて追加していきます。 なお、不登校等の要因は様々であり、あらゆる手段を講じて対応していますので、小中一貫教育の取組によって、どの程度不登校等が解消したのか、その効果を測定することは、なかなか難しいと考えています。
次に、中高一貫教育についてです。県教育委員会では 現在、県立高校改革実施計画に基づき、県立高校の再編等に取り組んでいます。来年度からは、Ⅲ期計画がスタートしますが、その中では、中高一貫校である県立中等教育学校について、特段の位置づけはしていません。県教育委員会としては、今後の中学校卒業予定者数の推移を見据えた上で策定した、Ⅲ期計画に基づき、高校の再編等を着実に進めてまいります。

石川】ガイドブックに追記をしていただくというご答弁でしたが、私はガイドブックを見させていただきましたが、モデル地区で進めてきた取組の紹介で終わることが大変残念でなりません。このガイドブックに児童・生徒からの視点がほとんど記載されていません。そこで、追記の際には、是非児童・生徒やその保護者の意見も取り入れるべきと考えますがいかがでしょうか。

教育長】小中一貫教育の推進は、子どもたちが中学校進学の際に感じる中1ギャップを少しでも埋めていく手段の一つであって、子どもの目線にたった取組だと認識しています。この取組にあたっては、事後にアンケートを取って、子どもたちに感想を聞いている事例もあります。こうした事例をガイドブックに追加する際には、取組の内容に加えて、子どもたちの意見・感想や生じた変化なども記載していきたいと考えています。

石川】中高一貫校は、今のところ検討されていないと理解しましたが、これから少子化が進む中で、単に高校統合ということではなくて、選ばれる学校づくりのために、今後、中高一貫教育のあり方も、今、検討されている計画がありますが、少子化が進む中で検討いただきたいと思います。
ガイドブックについてですが、今後、生徒のことも追記して入れていただくということですが、昨日、PTAの方とも少しお話をさせていただいた中で、今、タブレットが1人1台端末ということで導入されており、生徒からのアンケートが取りやすくなっているというご意見もいただきました。教育長が取り上げられた事例はほんの一つの事例であって、それを全体に広げていただきたいと思います。そういう中で、今回、ガイドブックのことについてですが、繰り返しになりますが、中1ギャップの課題もありましたし、児童・生徒やその保護者からの意見を取り入れていただくことによって、当初、データを出すのは難しいというお話でしたが、当初は中1ギャップと少子化への対応が入っていました。そういうデータがあって、小中一貫教育が入った後、どう変化したかをしっかりと把握していくのは普通だと思います。それが、様々な理由があって難しいというのが今回の答弁でしたが、小中一貫教育を行っている学校と行っていない学校を比較するということを是非やっていただきたいと思います。