石川(裕)委員  次に、地球温暖化対策について伺いたいと思います。令和4年度の事業の中で、脱炭素化戦略推進事業というのがあります。その中に脱炭素化戦略策定設計委託というものがありまして、全体で約3,000万円の予算が計上されていました。もう今、年度末を迎えるわけですけれども、この3,000万円、脱炭素化策定設計委託は委託事業者に委託をされて、やられている事業ですが、今この設計委託がどのような状況になっているのか。最終的には令和5年度につなげる事業だと思いまが、まず、委託した内容について伺いたいと思います。

環境計画課長  脱炭素化戦略策定設計委託ですが、今、委員おっしゃられた事業費の中には、大きく分けて委託事業を2つ含んでいます。1つ目が、戦略策定設計委託ということで、まずそちらの内容につきましては、来年度、地球温暖化対策計画の全面改定を行いますので、そちらに向けまして県が行うべき総合的な対策の整理・検討をした上で、脱炭素化戦略(案)の提案を委託した調査事業となっています。そちらのほうが、予算としては2,000万円です。あと、もう一本、1,000万円のほうの予算が、脱炭素モデル地域事業設計委託ということで、これは今申し上げました総合的な対策のコンセプト等を踏まえまして、県のモデル地域としてふさわしい地域を1か所選定していただいて、当該地域の特性や魅力を生かした温室効果ガスの削減、排出削減に向けた取組の整理・検討ということで、地域の計画(案)の提案を委託した調査事業となっています。両方の委託事業を合わせまして、プロポーザル方式で提案を募集し、コンサルが今調査を行っております。現在、3月の中旬頃に、そちらの最終的な成果品が出てくるというような形になっています。そちらの成果品の内容をまたベースにしまして、来年度の地球温暖化対策計画の、また施策の検討につなげていきたいと、このように考えてございます。

石川(裕)委員  この事業の内容を見ると、目的として、県の温室効果ガス排出削減目標の積み上げの分析や、国、民間、地方自治体がそれぞれ実施すべき事項などを整理し、そしてモデル地域を含めた県が行うべき事業戦略設計を委託するとなっています。まず、プロポーザルということだったんですけれども、何者ぐらい、事業者が手を挙げられて、この委託事業者の決定に至ったのかを伺いたいんですね。

環境計画課長  プロポーザルには2者が参加していまして、最終的にはデロイト・トーマツ・コンサルティング合同会社が落札をしています。

石川(裕)委員  この委託事業をするに当たって、今のような目的など、選定するに当たって事業者委託にどのようなことを、こういうことを委託するよということを多分明示して事業者を募集したと思うんですが、委託事業の内容というんですか、どんな中身で事業者を募集したんでしょうか。

環境計画課長  まず、戦略策定の委託につきましては、県の行う総合的な対策の検討に当たりまして、地球温暖化対策推進法ですとか、それから国の地域脱炭素ロードマップなど、こういった施策、それから、あるいは県の既存の地球温暖化対策計画ですとか、かながわスマートエネルギー計画、それから県がIGESと共同で研究しましたかながわ脱炭素ビジョン2050などを踏まえまして、あと国際的な動向、それから県内市町村、企業の脱炭素の取組の最新動向といったもののほか、気候変動や、それから地球温暖化対策に関する有識者の知見なども十分に配慮するよう、提案に当たっては求めています。その上で、当時暫定目標としておりました2030年度の中期目標の精査、それから産業、業務、家庭、運輸などの部門別の目標を新たに設定したいというふうに考えていましたので、そちらの目標の精査、そして、さらには国、県、市町村、それから事業者、県民の皆様などの役割分担を踏まえた県の施策の方向性などの検討、取りまとめを委託したものです。また、県としましては、この委託調査と並行いたしまして、庁内でも政策議論を行ってまいりまして、随時コンサルと情報共有をしながら、令和5年度の当初予算案に向けた施策の検討等も進めてまいりました。

地球温暖化対策担当課長  もう一つの事業であります、神奈川県版脱炭素モデル地域事業設計委託について御説明させていただきます。これは地域の脱炭素化を進めるために、国の令和4年度当初予算で示されました地域脱炭素移行・再エネ推進交付金という国の予算を活用するために、県内地域の魅力ですとか特徴を生かしたモデル地域の設置に向けた事業の設計を委託したものです。県内5地域の中で、市町村や企業の脱炭素の取組状況を踏まえまして、県のモデル地域としてふさわしい地域を1か所選定した上で、県内他地域にも展開可能な施策ということで提案を求めたものです。

石川(裕)委員  今の御答弁にもありましたが、地球環境戦略研究機関、通称IGESには、県も年間約3億円もの補助金を拠出して、今運営をしている部分もあると思うんですが、今回民間委託となっていますが、これはIGESに、例えばこの事業を求めるということはできなかったんでしょうか。

環境計画課長  今回の委託につきましては、温室効果ガスの排出量の削減を推計するだけではなくて、国の地域脱炭素ロードマップ等を踏まえまして、脱炭素の取組と、それから地域課題をどのように同時に解決をしていくのか、この施策実施に伴う経済波及効果が、どの程度存在するのか、また企業や市町村など、各主体の最新動向などを踏まえまして、県としてどういった役割で何を実施するのが最も効果的であるのかと、こういったことを環境分野だけにとどまらない対策を取りまとめるといったところで、広くプロポーザルで提案を募集する必要があるだろうと、このように考えて行っております。ただ、委託仕様上は、IGESも入札に参加することは可能でしたので、結果的にIGESのほうが御自身の御判断でプロポーザルには参加しなかったと、このように考えています。

石川(裕)委員  環境農政常任委員会でもIGESに対しての補助の在り方で、県に対する、県民への還元というところについても質疑をさせていただいている中で、せっかくこれだけの補助金等々も拠出させていただいている中で、今回はIGESさんのほうが手を挙げられなかったということでしたが、IGESをもう少し、ぜひそこの活用も、今後もしていただきたいというふうに思います。そういう中で、今回、民間に委託をされたということは理解しましたが、先ほど、県のモデル地域にふさわしい場所を1か所選定するというような御答弁がありました。私は資料を持ち合わせていないので、どれぐらい県内にそういう地域があるのかなど、分からないですけれども、例えば、横浜・川崎地域なのか、県西地域なのか、そういう地域で分かれていてという話なのか、市町村の脱炭素に関する取組状況というと、33市町村あるわけですから、民間に委託した中でその一つ一つの取組状況を調べていただいて、そしてそのモデルの場所を決められた、この経緯というか、どういうところがあって、どこに決まったのか、令和5年度どこかにということでしょうけれども、そういう点を、今、発表できる範囲で結構ですので、教えていただけますでしょうか。

地球温暖化対策担当課長  今回委託をお願いするに当たりまして、かながわ脱炭素ビジョン2050で、県内で5地域、具体的には、横浜・川崎、三浦半島、湘南、県央、県西に分けまして、それぞれの地域特性を踏まえた脱炭素が実現された将来像をお示ししています。事業者に対しましては、この5地域のうち1つを選んで、その地域の特性や将来ビジョンを踏まえた施策の提案というものをお願いしております。提案の際には、県や市町村、民間企業等が連携して取り組んで、脱炭素ビジョンが示す各地域の将来像を踏まえた脱炭素化を促進する施策であり、かつ、ほかの地域への展開可能性なども事業者サイドのほうで検討していただくということでお願いしていました。今回、デロイト・トーマツ・コンサルティング合同会社が、三浦半島地域を選択した事業を提案していただいて、県はその提案についてプロポーザル方式で有識者による審査を実施した上で、選定したといった経緯になっています。

石川(裕)委員  今の御答弁でいくと、今回は三浦半島地域が認定をされて、事業を進められていくというようなことだというふうに理解をいたしました。もう一点、地域の脱炭素化を図るため、神奈川県版脱炭素モデル地域の設置に向けてと、今のことだと思うんですけれども、地域における再エネ利用の促進や観光MaaSの活用等の取組内容に関する調査を行うということでした。今、三浦半島地域ということですが、この点は調査を行っていただいたということでしょうけれども、どういう報告があって、そういう地域が決まったということなんでしょうか。

地球温暖化対策担当課長  三浦半島地域が選ばれた理由ということですが、三浦半島地域は全市町が2050年のゼロカーボンシティを表明していまして、地域の脱炭素化に向けて、地域一丸となって積極的かつ迅速に取組の検討が進められているといったことですとか、今、委員からお話がありました民間事業者主体の官民連携のMaaS、三浦COCOONといった取組も開始されておりまして、渋滞ですとか、そういった地域課題の解決に向けまして、観光に関わるDXを活用した脱炭素化の取組を推進する環境が整っているといったこと、こういった理由などから三浦半島地域を今回モデル地域として選定させていただいたところです。

石川(裕)委員  民間に委託をして、その地域も決まったと、令和4年度は委託をして設計をしたということは理解いたしました。そういう中で、4年度の事業を受けて、令和5年度にどのようにつなげていくのか、最後に伺いたいと思います。

環境計画課長  まず、脱炭素化戦略策定委託の成果についてですが、既に御答弁しましたとおり、令和5年度の地球温暖化対策計画の全面改定に向けまして、これに施策を反映させていきたいと考えています。具体的には、これまでの地球温暖化対策計画には記載をしておりませんでした部門別の削減目標を新たに設定するということ、部門別の脱炭素の取組の進捗状況を、それをもって把握をできるようにしていきたいと考えていまして、また新たに温室効果ガスの中期削減目標の達成に向けたロードマップ、道筋を新たに計画のほうに記載をさせていただきたいと考えています。 地球温暖化対策担当課長  次に、神奈川県版脱炭素モデル地域事業の成果につきましてお答えさせていただきます。  令和5年度以降、三浦半島エリアの市町や企業と連携して脱炭素に取り組んでまいります。三浦半島魅力最大化プロジェクト、県の既存の取組等とも連動させながら、三浦半島ならではの新たなライフスタイル等を提案して、地域の魅力向上と脱炭素の両立を図っていきたいというふうに考えています。

石川(裕)委員  終わります。