建設業界の生産性向上を進めるための支援について

石川】2019年「働き方改革関連法」が施行されたが、建設業界は環境改善に時間がかかることから、2024年の施行となっている。

県土整備局では、原則すべての工事を週休2日制確保モデル工事の対象としているが、全国の工事の半分以上が民間工事であり、「働き方改革ができている」としているのは公共事業を受注する一部の企業と言われている。

国では、建設業界の生産性向上に向けた取組みを進めている。県においても、モデル事業の発注のみならず、身近なICT導入に向けた補助や導入支援など生産性向上に向けた支援が必要と考える。

そこで、少子高齢化社会等の影響により、さまざまな業界で人手不足に繋がっている。なかでも建設業界は、深刻な労働力不足が懸念されている中で、ICT活用の取組みなど建設業界の生産性向上を進めるための支援が必要と考えるが、所見を伺う

知事】建設業の担い手が減少する中、インフラ整備や災害対応などの役割を引き続き担っていただくためには、少ない働き手でも業務が行えるよう、業界全体の生産性を向上させることが重要です。

県では、これまで、建設現場での生産性の向上を図るため、県が発注する工事において、ドローンで現地の地形を計測し、そのデータに基づき、建設機械が自動的に工事を行う、いわゆるICT活用モデル工事に取り組んできました。

また、今年度からは、一部の工事において、現場の状況をリモートで確認する仕組みを導入することで、現地まで移動する時間の削減につなげるなどして、業務の効率化も目指してまいります。

しかし、建設業の多くを占める中小企業からは、ICT化には取り組みたいが、具体的にどのように導入してよいか分からない、といった声もお聞きします。

そこで、県では、こうした企業に対し、それぞれの事業規模や業務内容に応じたICT化を促すため、実際に導入した企業の方に、そのメリットや効果について、実体験をお話ししていただくセミナーを開催します。

また、セミナーの中で紹介され、生産性向上に効果のある取組については、県のホームページでも広く県内建設企業に発信していきます。

さらに、導入に際し、コストが壁となる場合も考えられますので、ICT機器等の導入に活用できる、国の補助金や県の融資制度を、あわせて、ホームページで紹介します。

こうした取組により、建設業に今後も県民の安全・安心の確保や、地域経済の活性化に貢献する役割を果たしていただけるよう、建設業界の生産性の向上に向けて支援してまいります。

石川】今回、新たに講習会の実施と補助金の積極的な広報活動をされると答弁があった。私が話を伺った事業者の方からは、難しい機能を持ったICT活用ではなくて、今現場で活用できる簡易的なものの普及や、技術的導入支援が必要だと仰っていた。そして、補助金などの支援は、その土壌がない限り絵に描いた餅で、補助金申請まで、その事業者の方が進まないのではないかということも仰っていた。ぜひ、地に足のついた、現実に即した支援を行っていただくことを要望する。