石川(裕)委員 次に、企業や求職者のニーズに応じた人材育成について質問をさせていただきます。報告資料の中で、先行会派でもありましたけれども、職業訓練の取組について伺ってまいりたいというふうに思いますけれども、神奈川県では、かなテクカレッジというものがやられています。そういう中で、内容を見ると、普通科、普通課程訓練に本年度1億1,000万円強、短期課程訓練に1億強、そして専門課程訓練に9,500万円の予算が計上をされています。まず、この普通、短期、専門、それぞれ訓練がありますけれども、これの違いを伺いたいと思います。

産業人材課長 職業訓練につきましては、職業能力開発促進法に基づきまして、その課程を定めております。総合職業技術校で実施している訓練には、職業訓練の種類として訓練期間が1年以上の普通職業訓練、総合職業技術校で実施している訓練には普通課程、訓練期間が1年以上の普通課程と、それから1年以下の短期課程というものがございます。それから、もう一つ専門課程というものが、訓練期間2年で実施する訓練ということになっております。

石川(裕)委員 その中で、まず普通課程訓練のほうで伺いたいと思いますけれども、これの目的として、修了生、県内中小企業に就職し、それぞれの能力を発揮することで雇用情勢の改善を促進する、そして県の基幹産業である中小企業全般を支えることを可能にするというのがこの目的、そして効果として挙げられています。実際に普通課程、どれぐらいの方が県内の中小企業に就職をされているのか、それを伺いたいと思います。

産業人材課長 総合職業技術校で訓練をされた方のうち、従業員数だけで見ますと、299名以下の企業に就職された方は、令和2年度で就職者659名に対しまして393名ということで、割合では59.2%、令和元年度につきましても同様に57.7%となっておりまして、おおむね6割程度の方が従業員規模299名以下の企業に就職しているところでございます。

石川(裕)委員 すると、あとの4割の、299名以下が中小企業かという話になるんでしょうけれども、あと4割強の方は、これはどんな、大手企業なのか、県外なのか、どんな形なんでしょうか。

産業人材課長 中小企業法によれば、従業員の区分けと、あともう一つは資本金による区分けがございまして、中小企業の区分けとしましては、そのどちらかに一つでも該当すれば中小企業という判断になります。我々のところでは、従業員の区分けとしてはやっておりますけれども、資本金による区分け、職業の分野における資本金の区分けをやっておりませんので、それを加えますともうちょっと中小企業の割合としては増えるのではないかなと思っております。

石川(裕)委員 目的は、県内の中小企業ということなんですけれども、県外に就職をされて、残念ながらという言い方はあれですけれども、個人のいろいろな事情はあると思いますけれども、その目的は一応県内の中小企業に就職をしていただくことが一つの目的ですけれども、これで県外に出られている方というのはどれぐらいいらっしゃるんですか。

産業人材課長 就職された方の勤務地の内訳で見てみますと、令和2年度の就職者659名のうち、県内で就職された方は511名で、割合といたしましては77.5%、同様に令和元年度につきましても78.9%ということで、おおむね約8割近くの方は県内で就職されているという状況でございます。

石川(裕)委員 逆に言うと、2割の方が県外ということで、県外に行かれている理由、そういうところのリサーチ、そういうことはされているんでしょうか。

産業人材課長 総合職業技術校には東部総合職業技術校、それから西部総合職業技術校がございます。東部総合職業技術校は横浜市の鶴見区にございまして、そこに通われている技術校生の方は横浜市あるいは川崎市といったところから来られる技術校生の方が多くなっておりまして、そういった中で東部総合職業技術校にいただいている求人の中には、例えば東京都であったりとか、そういったところの求人もいただいているところでございまして、結果的に通勤圏内というようなところもございまして、東京都、県外というところに就職されていくという方もいるということは聞いております。

石川(裕)委員 神奈川県立総合職業技術校で訓練したから必ず県内というわけにはなかなかいかないというふうには理解をしますけれども、やはり目的は神奈川県の中小企業というところに就職をしていただくということが一つの目的ですので、その点は是非、県内の就職率が上がるように県議会議員としてはお願いをしておきます。その中で、様々な職業訓練コース、自動車整備、電気、木材加工、それぞれあると思うんですけれども、そのコースの選定、コースで選定というのは何か新しくなった、新しいコースができたとか、若しくはこのコースがなくなったとか、そういうことを踏まえて、このコースの選定というのはどのようになされたんですか。

産業人材課長 総合職業技術校のコースの設定につきましては、従来、工業技術の分野、それから建築技術の分野、それから社会サービスの分野、この三つの分野でコースを設置しております。基本的な考え方といたしましては、民間と公共のすみ分けという考え方の中で、民間の教育訓練機関がなかなか手を出しづらい、例えば設備投資に非常にお金がかかったり、それから訓練実施に際して運営費、材料費、そういったものがかかって、なかなか民間では参入しづらいといったようなところに県がコースを設定しているというところがございます。それから、もう一つのコースの というようなところではございますが、毎年、コースの運営見直しというPDCAサイクルを回すという取組を行っておりまして、例えば年1回募集していたところを年2回の募集に変えてみるとか、あるいはコースの内容を見直して、コースをそのままそっくり変えるという場合もございますけれども、コースの一部をマイナーチェンジのようなこともしまして、毎年の見直しはやらせていただいているところでございます。

石川(裕)委員 コースの見直しをしていただいているということなんですけれども、あとは民間の事業者とのすみ分けということは理解します。ただし、やはり、例えばですけれども、神奈川県、中小企業の就職が目的であれば、例えば神奈川県の中小企業から就職のニーズがないものをいろいろ勉強しても、職業訓練しても他県に行っては活用できるかもしれないけれども、神奈川県の中ではそれが活用できない、この時代の流れが速い中で、例えばパソコン関係、3Dプリンターの関係とか、例えばそういうものの技術、神奈川県で欲しいんだという、例えば中小企業の方たちがいらして、プリンターとか、実際その職業訓練で入れるのには非常にお金がかかるから、こういうところでやってみるとかという、県内の中小企業の求人ニーズに合ったコースの設定というものが、これからより早いスピードで求められると思うんですけれども、その辺のコースの設定の仕方、選定の仕方というのは今後どのように検討されていくのか伺います。

産業人材課長 私ども総合職業技術校には、各地区の職業能力推進協議会という県内の中小企業を中心として、我々の支援団体と申しますか、そういった協議会を組織していただいております。そういった協議会に加盟されている中小企業の方々に、年1回程度でございますが、我々の行っている職業訓練を実際に見学していただいて、その訓練内容について御意見をいただき、その意見を参考にさせていただきながら、 であったりだとか、訓練の内容等見直すように、そういったことでやっていこうというふうに考えております。

石川(裕)委員 是非そういう地元の神奈川県の中小企業、その求人の職種に合ったコースを是非速やかに設定できるように、そういう仕組みを是非つくっていっていただきたいと思います。そういう中で、修了生が修了する時期に合わせて求人というものが地域の企業から出てくると思います。その求人、例えば県立高校であれば求人票が毎年、夏休み前に学校のほうに来て、それを張り出して、生徒たちがその中から求人を選ぶというような形になっていると思うんですけれども、その修了生、終了間際の方に対して求人のあっせん、これはどのようになっているんでしょうか。

産業人材課長 技術校生の就職につきましては、第一義的にはやはりコースの担当の指導員が訓練の指導と併せて、そういう就職指導も併せて行っております。それに加えまして、各校におきましては就職先を開拓する求人開拓推進員というものを配置いたしまして、企業を訪問して求人を開拓するとともに、ハローワークからも求人情報をいただいて、もちろんこれまでのお付き合いをさせていただいている企業の皆様からは、私どもは無料職業紹介をやっておりますので、そういった校指定の求人票をお持ちいただいておりますので、それも該当するコースには、委員おっしゃられたように求人票の一覧を廊下あるいはホワイトボードなどに張り出して、技術校生の方がそういった一助となるようにやらせていただいているところでございます。

石川(裕)委員 是非、せっかく職業訓練という形で修了された方が、その訓練を生かせるような職に就いていただく、若しくは逆に言うと、県のほうから、中小企業から見ればそういう方を一人でも多く採用していきたいと思ってもらえるようなカリキュラム、そして訓練校になってほしいと思います。