石川(裕)委員  私のほうからは、報告書にもあります29ページからの児童虐待対策について、何点か伺ってまいりたいというふうに思います。先行会派の質疑の中で、2018年の目黒、東京の目黒の事案ですとか、千葉の野田の事案ですとかということもございまして、その中で、そういう報道のときにいつも取り上げられるのは、児童相談所はどう対応しているのかというようなことが言われています。そういう中で、少し児童相談所のことについて報告が資料の中にありますので、その点について伺ってまいりたいと思います。30ページにあります児童相談所の体制強化、県所管域の点についてですけれども、まず増加する児童虐待相談に対応するために、児童福祉司等専門職の増員、職員の人材確保・育成等に取り組んでいくと報告資料があります。その後に、児童福祉司数の推移という表がありまして、令和3年には168人。平成28年から比べると、倍以上に増えているという報告の資料でありますけれども、もともと、まずこの令和3年の168人という人数が適正な、今の県の所管する福祉司数の中で、160に増えたことは認めますけれども、この人数というのが適正な人員であるのかどうか伺いたいと思います。

福祉子どもみらい局総務室管理担当課長  令和3年4月1日の時点で、児童福祉司の配置基準による人数は197人となっており、それに対して実際に配置されている職員が168人でございます。この配置基準による人数に対しては、29人の不足となっております。

石川(裕)委員  29人不足ということでございますけれども、ではそもそも配置基準というのは、どのようになっているのかお伺いします。

子ども家庭課長  配置基準についてお答えをいたします。配置基準につきましては、児童福祉法施行令、この第3条の第1項で規定されております。具体的に申し上げますと、児童相談所の所管人口4万人に1人と規定されています。なお、この基準は、児童相談所の体制強化のため、令和4年度から所管の人口が3万人に1人に改定される予定です。また、これに加えまして、全国平均より年間の児童虐待対応件数が多い自治体、本県これに当たりますが、この場合は、前々年度の件数に応じた加算がつきます。例えば、今年度、令和3年度の配置基準には、令和元年度の件数に応じた加算がつくということになります。

石川(裕)委員  その基準、今分かりましたけれども、ということは今の御報告でいくと、令和4年はさらに人員の減と、神奈川県にとって厳しくなっていく。より多くの人数の方が必要になるというふうに捉えましたけれども、そういう中で、令和4年度、その3万人に1人というのは決まっていると。そうすると、その前の前々年の年の件数を含めてというと、令和4年度は何人ぐらいの配置人数ということ、そういう基準になるのか。

福祉子どもみらい局総務室管理担当課長  配置基準上は212人となっております。実際の配置予定の人数といたしましては、福祉職は児童福祉司をはじめとした福祉職全体で採用を行っておりますが、今年度福祉職については、複数回の採用試験を実施して、人材確保に努めているところですけれども、現在まだ終了していない試験もございますので、現時点で令和4年度の実際の配置想定人数は、まだ確定をしておりません。

石川(裕)委員  今少し触れられましたけれども、212人というのが一つの基準の目標数値、神奈川県の採用目標数値ということになると思うんですけれども、今、年2回の採用試験をやられたということですけれども、それ以外に何か、多分全国で件数が、基準が4万人から1人、3万人から1人というふうになっていくと、全国でこの福祉司の取り合いというんですか、ということが言われたと思うんですけれども、そういう意味で、県としてどういう取組をしていこうとされているのか、伺いたいと思います。

福祉子どもみらい局総務室管理担当課長  今、今年度の試験のことについてもお話ししましたけれども、先ほど話しましたように、本県の福祉職は、児童相談所の児童福祉司をはじめとしたこの児童分野以外も含めた福祉職全体として、計画的な採用を行っているところですけれども、これまで1回の試験の採用予定数を単に増やすというわけではなく、採用試験を年2回行うなどの工夫をして、人材確保には取り組んでまいりました。  また、回数を増やすという以外に、職務経験や知見を持った即戦力を確保するために、任期付職員ですとか、児童心理の有資格者、それから福祉分野の経験者の採用なども行うなど、多様な人材の確保にも努めてまいりました。  こういった様々な人材確保策というのは、引き続き行ってまいりたいと思っておりますけれども、今、委員から御指摘のありましたように、この福祉職の採用については本県と同様に、近隣自治体でも課題となっております。実際、競争状態にございます。人材確保に当たりましては、こういった福祉職全体のキャリアプランの充実などによる、神奈川県らしい魅力づくりやその発信が必要だと考えております。  今後、より実践的な研修カリキュラムの整備ですとか、教育機関と連携した専門性を高める人材育成策を検討いたしまして、こうした神奈川らしいキャリアプランを構築していることを県福祉職の魅力として積極的に発信をし、本県の福祉職を希望していただけるように、取り組んでまいりたいと思います。

石川(裕)委員  今回、県所管域という形で報告を頂いているということは、神奈川県の中でいけば、県、政令市も含めた中核市もなんですかね。そういうところも含めた地域との人材の取り合いという言い方がいいのかあれですけれども、魅力を競争し合うということもあると思うんです。一方、神奈川県以外、東京、千葉、埼玉、1都3県がよく比較されますけれども、じゃ、その1都3県のところでは、福祉司数の配置状況というのはどういう状況なんでしょうか。

子ども家庭課長  東京都、千葉県、埼玉県、この3つの自治体についてお答えをしていきたいと思います。令和元年度から令和3年度までの直近の3年間の児童福祉司の増員の状況についてです。  まず初めに東京都ですが、274人から304人、差引き30人増員がされています。また千葉県、171人から248人、77人の増員です。最後に埼玉県、195人から258人、58人の増員となっております。 石川(裕)委員  最後の令和3年の数字、私の頂いた数字、258が埼玉253という数字であったというふうに思いますけれども、その中で神奈川県は、埼玉県が253、千葉県が241、東京都が304で、神奈川県は168、今そういう令和3年度の福祉司数の数字なんですけれども、ということは政令市だったり所管域ではない地域を足せば、多分状況的に似た数字になってくるのかもしれませんけれども、東京都でいえば特別区は外れているわけですよね、304人の中で。また、千葉県とか埼玉県にも政令市があるわけですよね。その数字はこれは入っているんですか。入っていないんですか。 子ども家庭課長  特別区、それから政令市は除かれたそれぞれの県と所管の福祉司の数です。

石川(裕)委員  ということは、他県のところでも政令市は抜かれている。東京都は特別区が抜かれている数字が今の報告の数字ということでいえば、神奈川県の168という数字は非常に厳しいといいますか、採用をもっとしなくてはいけないと捉えるんですけれども、その点はいかがでしょうか。他県と比べて。

子ども家庭課長  先ほども御説明したとおり、配置の基準の一番のベースになりますのが所管の人口ということですので、それぞれ所管の人口に対して実際の配置の人数を計算した場合に、神奈川県は、所管が約280万に対して168名ということで、これ割りますと0.00597%になります。次に、東京都、同じことで計算しますと0.00255%、それから千葉県が同じく0.00468%、最後に埼玉県が0.00428%ということで、この3つの自治体に比べますと、まだ神奈川の割合としては高いということが分かります。

石川(裕)委員  所管域ということで御説明を頂きましたけれども、そういう中で、基準の他県と比べさせていただいて、今、基準に対して、それから令和4年から基準が厳しくなることに関して、まさに小野寺委員も、それこそ福祉職の採用について一般質問で御提案されていましたけれども、福祉職で採用するに当たっても、やはり今後いろいろ努力はされていると思うんですけれども、他県の民間でいくと、民間でも、文教常任委員会でも提案させていただいた中でいくと、教員の採用にしても、他県の採用セミナーみたいな、採用説明会みたいな、そういうところに行って神奈川県の魅力を伝えて、そして神奈川県で働いてもらうですとか、そういうような就職に向けての取組というんですか、他県に向かっての取組というのが私は必要になってくるのではないかと思うんですけれども、そういう取組は今までされてきたのか。もしくは、今後そういう取組をしていこうとされているのか伺いたいと思います。 福祉子どもみらい局総務室管理担当課長  これまで福祉職につきましても、1都3県が中心になりますけれども、それ以外の県外も含めた大学や専門学校などの養成機関に、福祉職の幹部職員がお邪魔して、御説明するなどといった働きかけは行ってきております。 先ほどもお話しした神奈川らしい魅力づくりとその発信というのは、その内容なり、内容も方法もより充実を図って、より効果的な人材確保ができるように、努力していきたいと思っております。

石川(裕)委員  ぜひ頑張っていただきたいという言葉がいいのかどうかあれですけれども、でも新卒採用だけではないわけですよね。中途採用でもいいわけですよね。そういう方に対してのやっぱりアプローチというのが必要になってくると思うんです。  ちょっと調べると、児童福祉司の任用区分というのがあって、これが1号から8号までいろいろあるんですけれども。例えば3号だと医師、4号だと社会福祉士、5号だと精神保健福祉士、いろいろありますけれども、そういうある中で、そういう方々、そういう人たちへのアプローチ、これはどうなっていますか。

福祉子どもみらい局総務室管理担当課長  今、福祉職、経験者の採用というものもやっておりまして、結果的にそういう方が受験していただくということは、あり得るかと思いますけれども、よそで働かれている今のお話だと医師ですとか職の方に対して働きかけというのは、これまでやってきてございません。

石川(裕)委員  医師の方が兼職ができないということがあって、医師をやめて児童福祉司になられるかというと、現実的な問題はあるのかもしれませんけれども、ほかの職業の方も含めて、そういう方たちへのアプローチも、私はちょっと強めていかなければ、新卒だけ、もしくは経験者だけというところじゃなくて、もう少しアプローチの仕方を広げられることを少し提案させていただきたいと思いますけれども、そうはいっても県でできること、そして市町村、やることはあるんですけれども、国に対しては、この件についてどんな要望をされているんですか。

子ども家庭課長  国への要望ですが、提案の内容といたしましては、児童相談所の児童福祉司、児童心理士、保健師、弁護士、医師等の配置について、国の責任において十分な確保、育成対策並びに財政措置を講じてほしいといった要望をしております。

石川(裕)委員  今、国に対して、国の責任において児童福祉司、児童心理士、保健師、弁護士、医師の十分な確保、そして財政措置ということですけれども、具体的には、国でこの児童福祉司を採用してほしいということですか。全国的に。それとも、もう1つ財政措置というのは、具体的にどういう財政措置を求めてきたんですか。

子ども家庭課長  具体的には、国に直接確保、雇用していただきたいということではございませんで、確保するための人材の養成、この養成について、大学、専門学校等の養成課程の見直しですとか、定員の増ですとか、あとまた実際に雇い入れた場合の処遇の改善、そういったこと、また採用後の研修カリキュラム、育成の部分も含めて、国を挙げての確保、育成の強化をお願いしたいと、そういった内容で要望させていただいております。

石川(裕)委員  財政措置について。それが財政措置も含めてという。

子ども家庭課長  はい。財政も含めてです。

石川(裕)委員  そのことは、きちんと国にも要請をしていっていただきたいと思うんですけれども、いかんせん、やっぱりこの人数、児童福祉司数、もともとの基準すら達していないわけですから、それは結局現場へのしわ寄せなのか、それが子供たちへのしわ寄せなのか、そういうことにならないように、ぜひ一日も早く、もう御努力されているということは理解をしますけれども、より積極的に、採用に向けた取組を行っていただきたいと思います。