石川(裕)委員  私からは少し角度を変えて、林業、県内の面積が約39%と言われている森林について、質問させていただきたいと思います。 報告資料の中に、緩和策と適応策という報告がありますので、その中から、森林環境税及び森林環境譲与税を活用した取組について、主に伺ってまいりたいと思います。森林環境譲与税の使途について、ホームページなどでも確認をさせていただいていますが、その中で、県のやるべきこと、そして市町村のやるべきことということで、それが並列して、公表の仕方も工夫されて出されていると伺っています。まず、市町村の体制支援と森林整備支援のそれぞれ項目がありますが、もう限られた時間ですので、森林整備支援について伺ってまいりたいと思います。令和元年度の森林環境譲与税の使途として、県内森林の現況を網羅的に調査し、その結果を市町村に提供するとなっていますが、これは具体的にどのようなことをされたのか伺いたいと思います。

森林再生課長  元年度の市町村が取り組みやすい環境の整備については、森林整備の現況調査ということがあります。市町村の中には、横浜や川崎など比較的東部、中部の市町村は、これまで森林整備にほとんど取り組んだ経験がないという状況でした。  そうした市町村は、そもそも御自分のところの森林の状態がどうなっているかといったこともなかなか把握されていないということがありましたので、県がその市町村に代わって、それぞれの市町村内の森林の状況を調査して、優先的に取り組むべきようなところを、ABCというランク分けしたような形で調査しました。その地図を市町村に提供して、市町村が森林整備をどんなふうに優先順位をつけて取り組んだらいいかというものの参考にしていただくという調査をやった次第です。

石川(裕)委員  同様に、公表のされ方を工夫されていて、市町村もどのように環境譲与税を使われたかという使途の詳細も同じようにホームページに出されています。川崎市の令和元年度について見ると、川崎市も意向調査の準備として、森林整備計画地について、森林の現状調査を行うため、同じように森林環境譲与税を使って森林の整備、そういう計画のためにそういう費用に使っているというふうに、このホームページの資料からは受けて取れます。そういう中で、令和元年に提供はしました。元年度で提供しているわけですから、それが令和2年度ですか、3年度ですか、ということに使われていくことがこれの目的になると思います。これは令和元年度では、川崎市だけではなくて、茅ヶ崎市、大和市、葉山町と実施場所としてうたわれています。その後追いというんですかね、その先の市町村の取組というのは、県としてどのように把握される、若しくは、把握はされているのか伺います。

森林再生課長  この譲与税の取組は、始まったばかりということで、市町村もどのように取り組んでよいか分からないというようなことがありました。そのため、令和元年度に、市町村の取組の様々な技術的な支援等を行うために、かながわ市町村林政サポートセンターという組織を設置し、スタッフも2名配置して、そういった市町村の相談対応や技術指導を行っております。川崎市については、積極的に森林整備を行っていくということで、先ほど県で行った調査を参考に森林整備の計画を立てていきたいというお声も頂いています。ほかの市町村も、そうした形でいろいろ相談をしていただければ、サポートセンターが中心になって、あと、県の職員、技術職員、それぞれ各施策課におりますので、サポートセンターと連携して、市町村の支援をしていく。そういう体制にしております。

石川(裕)委員  私の質問と答弁がちょっとかみ合っていない部分があるように思いましたが、これはお伝えだけしておきますが、各市町村からこういう要望が来て県として調査をしました。それは提供しましたと。書いてあるのは、森林整備の計画づくりの参考としてもらうために、ランク別に色分けした地図を作成しました。それを市が要望されて、それで県がやられたのか、そうであるかは分かりませんが、それを提供して終わりじゃなくて、先ほど先行会派でもありましたように、啓発などだけで終わりではなくて、実際にそれがどう使われたのか、どう変わっていったのかということが県全体として、各市町村がやられている事業が結局、県、関東、そして全国、そして世界に広がっていく部分だと思います。ですので、そこは、やはり県としても、どういうふうに活用されたか、どういうふうに変わったのか。そこまではぜひ把握していただきたいと要望はしておきます。 今日、環境科学センター所長がいらっしゃっているので、ちょっと伺いたいと思います。ホームページや資料を見てもらうと、なかなか水環境の現状としての森林の取扱いといいますか、そういうことは書かれているんですけれども、先ほど一番最初に言いましたように、大体、神奈川県の約39%が森林と言われていて、大気や水環境がある中で、この環境科学センターとして、この森林を守る取組というのは、具体的にどのような取組をされているのでしょうか。

環境科学センター所長  環境科学センターでは、主に委員おっしゃるとおり、大気環境、水環境といった視点から森林の保護ということで対応しております。  現在、水環境という意味では、森林整備によって、どのように水環境がよくなってきたか。なかなか手法が難しいというところもありますが、こういったところをこれまでは水を分析して把握する、あるいは、生物で把握するということをやってきました。今後は、環境DNAと言われる、いわゆる水を取ってきて、その中にどういうDNAがあるかというようなことから、水環境の状況を把握するというような研究も始めたところです。  そういった視点から、環境科学センターでは森林の整備状況といったものを把握していきたいと思います。

石川(裕)委員  地球の環境の中で、神奈川県の森林は、先ほどCO2の問題や、吸収するとき、維持していく、そしてそれを広げていくことはなかなか難しいのかもしれませんが、やはりそういう視点でも、環境科学センターのそういう取組もぜひアドバイスというか、そういうこともしていただきたいと思います。  今日、教育局の方もいらっしゃっているので、県西地域では吉田島高校に演習林があり、山を守る、そういう形で、学校でもそういう授業があります。今日、本当はもう少し時間があれば担い手の話をさせていただきたかったのですが、これやはり環境局と学校の教育局と、こういう森林を守っていくんだという、環境農政局と教育局のつながりをぜひ一緒になって、その次の森林を守ることは、1年、2年でできることじゃなくて、やはり10年、20年かかることですので、そこの人材をいかに私は育てていくかということが大事だと思いますので、その点だけ要望して、質問を終わらせていただきます。