石川(裕)委員  今日は、報告事項にあります教職員によるわいせつ事案の根絶に向けた取組について伺ってまいりたいと思います。先行会派でも先般、この項目について質疑がありましたが、残念ながら、わいせつ事案を起こしている教職員の不祥事が後を絶たないということから、今年、わいせつ事案防止対策有識者会議を設置され、令和3年4月に、その有識者会議から提言が県教育委員会に出されている。しかし、6月、教員の研修や人材育成を担当している県立総合教育センターの指導主事が、わいせつ行為で逮捕されるという事件が発生をいたしました。これは、指導主事という立場でいくと、教員を指導すべき立場にある担当者が自ら加害者になったという事案でありまして、これは言語道断だと、まず厳しく申し上げたいと思います。その中で、視点を変えて質疑をさせていただきたいと思います。先行会派で逮捕事案の概要等、それから決議を受けてからの対応、この答弁等はございましたので、その辺は質疑させていただきませんが、まず、有識者会議の提言を受けた中で、県教育委員会としてすぐに行動したこと、進めたこと、これは具体的に何があるのか伺います。

行政部長  提言を受けまして、まず県教育委員会が真っ先に取り組みましたのは、令和3年度における教育委員会の不祥事防止の取組について、直ちに提言の内容を盛り込んだ内容で作成して、各所属に通知することでございました。8つの取組という提言を受けましたので、教育委員会における不祥事防止の取組の中にその点をまず盛り込んで、各所属に通知して取組を指示しているところでございます。

石川(裕)委員  県教育委員会では、今、御答弁がありました不祥事に関するプログラムというものに、平成18年から取り組まれており、平成24年度から取組の名称が変わって、継続して実施されているということは承知をしています。また、私も昨年、文教常任委員会の委員でしたので、わいせつ事案を受けて、教育長が全教員に向けてその思いをビデオメッセージにして流されたことについて、全員が見たのかという委員会の質疑に対して、休職中の教職員以外はほぼ全員が見たという御答弁もいただいています。  そういう中で、今、不祥事ゼロ運動のプログラムのことがありましたので、その点伺いたいと思います。各所属によって不祥事ゼロプログラムが策定をされていますが、今回、県立総合教育センターの指導主事が逮捕されたということでございますので、まず県立総合教育センターの不祥事ゼロプログラムはどのようになっているのかお伺いいたします。

行政課長  総合教育センターの不祥事ゼロプログラムでは、目標及び行動計画として7つを定めております。法令遵守意識の向上ですとか人権意識の向上、それからハラスメント行為の防止、こういった7つの目標及び行動計画を策定しております。

石川(裕)委員  中身を確認させていただきましたが、確かに7つの実施結果をきちんとホームページで公表するというところまでつくられていました。その中で、日常点検ということが項目に挙げられています。全所員一人一人が日常点検チェックリストや、行政課が教育局全職員を対象に実施する不祥事防止点検資料及び教育委員会リスク一覧記載の各所属のリスク対応策により、年間7回程度、継続的に自己点検を行い、不祥事防止に対する意識を高めると記載をされています。  この年7回程度の自己点検はきちんと行われていたのか、どのような期間で行われていたのか、伺いたいと思います。

行政課長  日常点検は6月から1月の間に7回実施しております。

石川(裕)委員  具体的に、どういうタイミングで行われているのか。

行政部長  今、行政課長が答弁いたしましたとおり、年7回実施するということで、6月から1月、毎月1回ずつ日常点検を実施したと聞いております。

石川(裕)委員  例えば、毎月の月初にきちんとチェックをするとか、そういうことは決まっていないということで、1か月に1回など、いろいろなやり方の課があると思うのですが、その人がやったということを確認しているということですか。

行政部長  行政課のほうから毎月、啓発資料というものを出しております。それが出された後のタイミングに、職員に対して日常点検を行っていただいて、指導しているということでございます。

石川(裕)委員  その日常点検チェックリストというのは、本人がチェックをして、その後はどうなるのでしょうか。

行政課長  本人がチェックをした後は、直属の課長のほうに提出をして、課長はその実施状況を確認します。その後、各課が全所の会議の中でその結果を報告し、その後の対応等を検討するといった流れになっています。

石川(裕)委員  今回、この事案があった部署でも当然、これはやられていたと思うのですが、逮捕された事案の方は、事前に少し様子が違うような、そういう変化みたいなものはあったのでしょうか。

行政課長  当該職員については、特に事前にこういった取組をしていく中で、何か不審な点ですとか心配になる点、そういったものは見受けられなかったということで聞いております。

石川(裕)委員  先に進めますが、同じくこの不祥事ゼロプログラムの中に、不祥事防止研修会の実施というものもございます。全所員を対象にした不祥事防止研修会を年3回程度実施すると記載されています。今回、この不祥事防止に向けた研修会で、どのような研修が行われていたのか、お伺いいたします。

行政課長  研修会の具体的な内容ですが、個人情報の管理、情報セキュリティー対策、交通事故・飲酒運転の防止、それから人権意識の向上、ハラスメント行為の防止、公務外非行の防止、こういったことについて、基本的なルールですとか、あと過去の事件、事例なども交えて研修しております。

石川(裕)委員  このプログラムの項目を見させてもらうと、交通事故、酒酔い・酒気帯びとか、そういう不祥事のことについては触れられているのですが、学校現場と違って、わいせつ行為に関しては項目として挙げられておりません。そういう中で、わいせつ事案に関しては、センターの職員の方に対して、どのような指導をされていたのか伺いたい。

行政課長  具体的な指導といたしましては、懲戒処分が発生したとき等に、綱紀保持通知を県教育委員会のほうで出しております。そういった機会を捉えて、実際の事例等を交えて、所のほうで具体的に指導しております。

石川(裕)委員  それは、例えば、朝礼のときなどにやるということですか。それとも、一人一人、具体的に呼んでやるということですか。

行政課長  その時々によってやり方は違うと思いますが、具体的に所のほうでは、職員に集まっていただいて指導をしたり、課の単位で指導をしたり、そういったことをしていたと聞いております。

石川(裕)委員  視点を変えて伺いますが、この不祥事ゼロプログラムは、県教育委員会でも各課によってつくられています。例えば、高校教育課不祥事ゼロプログラム、また、保健体育課不祥事ゼロプログラムというものがあります。この中身を見させてもらうと、やはりパワハラ、セクハラ、マタハラと、そういうような事案があります。実際、高校教育課だと高校教育課長が実施責任者、そして、高校教育副課長がこの補佐と伺っています。支援する立場として、具体的にまず高校教育課不祥事ゼロプログラムについて、例えば、セクハラやわいせつ行為も含め、どのような不祥事ゼロプログラムを進めているのか伺いたい。

高校教育課長  毎年年度の初めに、全職員を集めまして、課長もしくは副課長から、そういったテーマについての講話のような形で話をする機会が多くございます。あとは、日常の声がけは頻繁に行っています。そのような形を中心に実施をしているところでございます。

石川(裕)委員  同じく、保健体育課はいかがですか。

保健体育課長  保健体育課におきましても、プログラムの中で、パワハラやセクハラといったことが日常的に起きていないかということをチェックしながら、職場の中での環境についてチェックする機能を有して行っております。

石川(裕)委員  わいせつ事案も同様ということですか。

保健体育課長  同様でございます。

石川(裕)委員  そういう中で、令和3年4月に、教職員によるわいせつ事案の根絶に向けた提言が有識者会議から出されています。具体的な提言から、委員会の中でも具体的な対策を求めて、これまでも来ましたが、その8ページのところに、再発(未然)防止を目的とした専門家との積極的な連携という項目がございます。臨床心理士等による個別事案の分析という項目がありまして、わいせつ事案の行為者に対して臨床心理士等による面談を実施し、不祥事に至る背景・経緯等を聴取し、専門的な見地から原因分析、再発防止等対策について報告を受け、再発防止の取組に反映をするということになっています。 私は、これまでも委員会で質疑を重ねてきた中で、県教育委員会からは、再発防止に向けて、その事案を起こした行為者に対してヒアリングを行っていると。そして、そのヒアリングを行ったことに対して、研修等でそのことを全教職員に伝えているのだという御答弁もいただいています。そういう中で、今度は臨床心理士等を入れて話を伺うということになっていますが、実際に、これには実効性が求められるわけです。これまで1年間で6件、7件とわいせつ行為があった中で、どれだけの行為者に対して、どうして私がこういうことをしてしまったのかというヒアリングができているのか伺いたいと思います。

行政課長  事情聴取の状況ということで、例えば、令和2年度にもわいせつ、セクハラに関する事案が発生しておりますが、そのうちの1件につきましては、行為者が警察に勾留中ということで、接見をして、事実確認を中心とした聴取を行っています。それ以外の4件につきましては、背景なども含め事情聴取を行っております。

石川(裕)委員  それは令和2年度のことですよね。それ以外の年にも、毎年六、七件の不祥事があるのですが、その事情聴取を行った中で、ほとんどの方に対して、私はこのような背景でこの行為を行ったのだというヒアリングができているということでよろしいのですね。

行政課長  先ほどの答弁のとおり、警察に勾留などされている場合には接見ということで、時間も限られますので、事実確認が中心になってしまいますが、それ以外につきましては、できる限り、事件を起こした背景・経緯なども事情聴取を行っております。

石川(裕)委員  そのヒアリングの中で、どういう背景で行ってしまったかについて、例えば、どういう事例があるのでしょうか。

行政課長  一例で申し上げますと、例えば、事件に至った背景として、深く考えずに生徒とLINEの IDを交換し、頻繁にやり取りを続けているうちに生徒との距離感が急速に近づいて、そういった行為に至ってしまった、また、学校内でわいせつ事案になったケースとしては、外から室内が全く見えない密室となるような部屋の中で、生徒と二人きりで対応しているうちに、そういった行為に及んでしまった、そういった話を聞いております。

石川(裕)委員  今、御答弁がありましたが、密室などの見えないところへの対策を取られているということも、これまでの委員会の中で御答弁をいただいています。実際に、空き教室でこういう事例が行われているということも報道されていますが、空き教室対策というのはどのようになっているのでしょうか。

行政課長  教室につきましては、室内が外から必ず見えるようにするよう、例えば、ガラスにポスター等が貼ってある場合には、必ず撤去するといった指導をしています。また、管理職による日常的な巡視、そういったものもできる限りするよう指導しております。

石川(裕)委員  話を戻しますが、ヒアリングを行うために、面談に臨床心理士を入れる理由というのは何かあるのですか。御答弁では面談を今までも行っていたということですが、今回、臨床心理士を入れてヒアリングを行うこととの違いというのは何ですか。

行政課長  先ほど申し上げたとおり、これまでも職員が事情聴取の中で聞いた内容については、不祥事防止の取組に反映させてきているところです。ただ学校では、校長が教職員との面談なども毎年度実施している中で、実際にわいせつ事案を起こしてしまった教職員の学校の校長に聞くと、面談等の中でも、職員の不審な行動や兆候がなかなか察知できないといったような話を聞いております。  そういったことで、わいせつ事案根絶の取組を進めるためには、もう少し専門家の立場から心理状況や、あるいは教職員自身が自分でも気づいていないようなことも含めて詳しく聴取をして、何らかの傾向や兆候をつかめたら、それを再発防止に役立てていきたいと考えております。

石川(裕)委員  最後に、教育局長に伺いたいと思いますが、私は昨年も文教常任委員会で、わいせつ事案について取り上げさせていただきました。具体的に、例えば、アンケートを生徒に対して複数回やってほしいということもお願いをし、そして、今回から、年に2回アンケートも実施していただけるということになっています。また、例えば、公用携帯を持つべきだということについては、公用は難しいという御答弁をいただきましたが、いろいろと提言を受けた中で、学校現場の対応については、保護者、そしてもちろん被害に遭った児童・生徒の皆さんによって、具体的な対策がこれからも求められると思うのですが、その点について伺いたいと思います。

教育局長  今、委員からるるお話しいただいたとおり、教職員の不祥事、とりわけ児童・生徒へのわいせつ事案は、絶対にあってはならないものでございます。これまでも、できることは何でもやるという姿勢で、不祥事防止に取り組んでまいりました。しかし、誠に遺憾ながら、わいせつ事案が後を絶たないのが現状でございます。とりわけ今回、御指摘いただいたとおり、指導主事という職の重みもあって、重く受け止めております。  そうした中、具体的に何ができるかということについて、今年度、学校現場にも精通された精神科医や弁護士といった方々に委員をお願いした有識者会議からの提言を踏まえて、不祥事の根絶を目指して、取組を取りまとめたところでございます。今後、学校現場と教育局が一体となって取組を進めて、不祥事を人ごとではなく、自分の問題として考えるということを、改めて全職員一人一人に徹底をしていきたいと考えております。  児童・生徒はもとより、このコロナ禍の中で、学校を信頼して、児童・生徒を学校に通わせていただいている保護者の方々、また県民の皆様の教育に対する信頼を決して失うことがないよう、不祥事の根絶に向け、引き続き全力を挙げてまいりたいと考えております。

石川(裕)委員  最後に要望です。不祥事ゼロプログラムについて、本日の委員会で質疑をしましたが、これは検証が毎年、毎年なされている。ぜひ、根絶に向けた提言に対しての検証もしっかりと行っていただきたいということを要望して、質問を終わります。