【石川(裕)委員】 民主の石川です。本日は、県内経済の再開と回復に向けた支援について伺ってまいります。これまで、県は、補正予算を幾度も編成し、累計で感染拡大防止協力金事業費は、第1弾から第6弾までで約2,001億円、中小企業・小規模企業再起促進事業費補助には約91億円など計上され支援を行ってきています。

そして、現在事業者に時短営業をお願いしている協力金事業第7弾においても、約660億円の補正予算が組まれ、また、令和3年度予算案では、中小企業・小規模企業感染対策事業費補助として約38億円が計上されています。そこで初めに、協力金事業について伺ってまいります。

まず、改正特措法により、時短要請に応じていない飲食店に対して罰則を科すことができるようになりましたが、その抑止力の効果についてどのように捉えているのか伺います。また、時短要請に応じない飲食店に対して順次要請文書を郵送したと伺っていますけれども、この効力が3月7日で切れ、新たに3月8日から延長された緊急事態宣言には適用されないという対策会議での報告がありました。緊急事態宣言中は効力が延長されるといった他県との対応の違いがある状況を踏まえ、今後どのように整理していくのか併せて伺います。

【総務危機管理室長】 改正特措法に新たに設けられた命令や罰則等の規定につきましては、抑止力として、自主的な協力を促す効果が期待できると考えております。一方で、これらの措置につきましては、私権制限にもつながる可能性があることから、運用に当たっては慎重な対応が必要だと考えております。また、今回、45条2項の時短要請は、3月7日で一旦終了となりましたけれども、8日からの宣言の延長を踏まえまして、8日中に、要請対象店舗の営業実態調査を行い、要請に応じていない店舗には翌9日には、文書で改めて通知をさせていただき、また個別に店舗訪問も行っているところです。宣言の延長で、事務手続に大きな支障があったということはなかったのかなというふうに考えてございます。

しかしながら、延長に際して再要請が必要となるということ、この点については課題として捉えておりまして、国に対してお伝えしているところでございます。今後とも適切な処理ができるよう国としっかり調整していきたいと考えております。

【石川(裕)委員】ぜひその整理をお願いしたいと思います。この協力金事業ですけれども、第7弾までの総額は、先ほど申し上げましたけれども約2,660億円と、大変大きな予算規模となっています。そして、この業務は、見積り合わせという随意契約で業務委託をされています。この委託業者は、第3弾と第6弾、そして第4弾と第5弾がそれぞれ同じ業者であり、その委託金額は、第3弾が約3億円、第4弾が約1億2,000万、第5弾約4億8,000万、第6弾が約4億3,000万と承知しています。

この委託金額には大分幅がありますが、事業者の選定方法はどのようにされていたのか伺います。あわせて、対策会議で期間の延長後の発表がぎりぎりのタイミングで発表されている中、発表からその委託業者までの契約の期間、契約まで何日ぐらいかかっているのか伺いたいと思います。

【事業者支援担当課長】事業者との選定方法、契約方法につきましては、委員ご指摘のとおり、見積り合わせによる随意契約を行ってまいりました。第3弾から第6弾まで、対策本部会議から契約の締結までの日数についてお尋ねがありました。第3弾につきましては、12月3日に対策本部会議を開催し、3営業日後の12月8日に委託契約を締結しました。第4弾は、12月15日に対策本部会議が開催され、8営業日後の12月28日に委託契約を締結しました。第5弾は1月4日に対策本部会議が開催されまして、1月9日に予算が可決をされました。その5営業日後の1月18日に委託契約を締結しました。第6弾は2月2日に対策本部会議が開催され、2月10日に予算が可決し、3営業日後の2月16日に委託契約を締結した。そういったスケジュールでございました。

【委員長】時間の計測を止めてください。暫時休憩いたします。

【委員長】 では再開いたします。

【事業者支援担当課長】 契約金額の差についてのご指摘ですが、これにつきましては、複数の事業者による見積り合わせの結果、最も安い金額を提示した事業者と契約をしたということでございます。

【石川(裕)委員】 見積り合わせのその中で、そういう金額が出てきて、この金額になったというご答弁ですけれども、そうすると大分委託業者の質の問題とか、中身の問題とか、この辺が大変気になってくるんですよね。だって、金額が3億と1億2,000万、4億8,000万と1億2,000万、違いますよね。事業者がこれで出してきたということで、その金額になった。これは時間がないですから、この辺にしておきますけれども、今ご答弁あった中で、今、契約日5営業日とか3営業日とか、いろいろ平日にそういうことだということだと思います。

契約した日は各、第3弾以外、第4弾、第5弾、第6弾は、契約した日は、もうこの事業、第5弾、第4弾、第6弾とか始まっている。始まった中で、その後に、契約が、飲食業の皆さんには、例えば、第4弾の場合は12月18日から、一応、お知らせをしているわけですよね、協力してくださいと。でも委託契約は12月28日になったということですよね。そうすると、12月18日、第4弾でいけば、10日間、この間はどの部署がどうやって対応していたのですか。

【事業者支援担当課長】 対策本部会議等の時短要請から契約まで、日にちが空いていたことについてお尋ねがあったと認識をしました。それにつきましては、当然その契約書ですとか仕様書の準備というものは、対策本部会議等の前から進めてはおりますが、国の調整ですとか、1都3県との調整状況によっては、対象区域ですとか、時短要請期間といった仕様書の内容に影響する事項が対策本部会議当日まで、場合によっては、対策本部会議当日になっても決定していないといったこともありました。また、仕様書の中身が固まった後に、ようやく契約に向けた手続を実施することができますが、契約締結に至るまでも様々な手続がありまして、例えば事業者に見積りを依頼し、見積り合わせを実施し、決定をすると。

【中小企業部長】 協力金の実施が対策本部会議で決定された後、委託事業者との契約までの期間は、県職員で対応していたところでございます。

【石川(裕)委員】 そうです。県職員が対応していたわけですよ。いろいろ、今、課長がご答弁いただきましたけれども、この期間、委託業者も決まっていないんだから。その間は、県の職員が対応していたんですよ。その中で、2月8日、申請を受け付けた第5弾、約2万7,500件の申請に対して、3月12日の段階で、支給は6,300件と、まだ2割程度しか交付がなされていないという報告がありました。そして昨日、県ホームページで、未処理件数を確認しましたけれども、申請が1月22日までとなっていた第3弾で約600件、同じく2月19日までとなっていた第4弾で約3,900件となっています。書類不備で交付が遅れていることもあると考えますけれども、第1弾では、書類不備が9割だったから、支給が遅れたという答弁が繰り返しなされました。では、第3弾以降の書類不備はどれぐらいあったのか伺います。

【事業者支援担当課長】 協力金の申請における不備率は、第3弾が約3割、第4弾が約4割、第5弾が約5割、第6弾は、まだ審査序盤ではありますが、約5割と報告を受けています。

【石川(裕)委員】 当初、協力金第1弾、第2弾は、申請から二、三週間で交付を行うということを事業者の皆さんに案内されていました。そして、これまで協力金をいただいた事業者の皆さんに対して、私は一日も早く、協力金が届く審査体制を構築してくださいということを要求してきました。しかし、第3弾以降については、申請から交付までの時期は明示されていません。そして、この委託業者に申請された書類は、仕様書だと、前回は平日5日以内に処理をすること、こういうふうに記載されていましたけれども、第3弾以降は、例えば、第3弾は1日350件を目標としてください。第4弾は300件を目標としてください。なぜか減っている。厳しい経営状況の中で、一日も早く協力金が届くことを切望している事業者の皆様のことを思えば、受付当初、私も地域を回っている中で、この期間が終わってすぐ翌日に申請をした、こういう事業者が大変多かったと思います。その中で、申請が集中することは大いに想定されます。なぜ申請処理期間でなく、目標件数に変わったのか。そしてまた、申請が集中することが想定される受付当初の審査体制はどうなっていたのか、お伺いします。

【事業者支援担当課長】委員ご指摘のとおり、第1弾、第2弾については、収受した順に処理を進め、定められた期間内に処理を終えることとしておりました。一方で、この原則を仕様書に規定して、事業者に求めた場合の課題として、同じ日に収受した申請にも、例えば不備があるもの、ないもの、不備補正がなかなか終わらないもの、申請者と連絡が取れないものと、様々な種類がございまして、それぞれの区分ステータスによって必要な処理日数が変動するといったことが挙げられます。こういった原則を厳密に守るためには、数万件の申請全てに対して、日々変動するステータスを追っていく必要がございます。これは県にとっても、委託事業者にとっても、非常に煩雑でありまして、肝腎の審査業務の遅延につながるおそれが高いということから、第3弾以降は、不備補正も含めた1日の納品件数を規定し、委託事業者から、コンスタントに納品をさせることで、迅速な交付を目指すことといたしました。審査の序盤に申請が集中するという点について、審査体制についてのご指摘をいただきました。この点も我々も、県としても、審査序盤に多数の申請が集中するといったことは想定をして、必要な審査体制を構築するよう、委託事業者に指示を行っておりました。結果として、ほぼ全ての弾において、審査序盤にピークが来るよう、人員の体制を行っていただいたという報告を受けています。

【石川(裕)委員】今の答弁には矛盾があると思うんですよね。処理の仕様書には、1日350件、300件、これが目標数値ですよということを明示されているわけですよね。それで委託業者は受けているわけです。今、最後に、最初は申請が集中するから、その審査体制をしっかり整えていたはずだという今ご答弁でした。とすると、産業局長も前回の予算委員会の答弁で、今回の補助金は、競争的補助金じゃなくて、福祉分野の助成金に近いものです。こういうご答弁をいただきました。スピーディーな審査を行い、いち早く事業者に届けていきたい。こういうご答弁ありましたですよね。これ、1日350件の委託業者から見れば、その審査体制さえ整えれば、1回、最初に集中したときに、その審査体制は、500件、700件、1,000件、この審査体制になったのですか。

【事業者支援担当課長】委員ご指摘のとおり、その審査が集中する期間に、人を集中的に補塡するということを仕様書に規定するということも考えられますが、今回第3弾以降は、納品件数をコンスタントに行うことで、結果的に迅速な交付につなげたいという思いを持っておりました。審査体制としては、先ほどご答弁を差し上げたとおり、人数自体については、今回協力金の審査等の業務は請負的な性質を有するものですので、人数の指定はこちらからはできない性質の契約になっておりますが、当然、審査のピーク時については、委託事業者とシミュレーションをして、どの程度の体制が必要かということについては協議をして、そのとおりに、体制を敷いていただきました。また、1日当たりの納品件数には、不備の補正も含めて、コンスタントに毎日納品をしていただくということになりますので、そういった意味でも、長期的な目で考えると、1日当たりの納品件数を規定した今回の仕様書は、適切だったと考えています。

【石川(裕)委員】仕様書が適切だったとか不適切だ、そういうことを申し上げているわけじゃないんですよ。私は事業者にいち早く手元に協力金が届くように、その審査体制をしっかりしてくださいねと1弾のときからずっと言い続けてきたわけです。協力金は飲食店の方々への補償じゃなくて、県が感染防止対策のために時短を要請し、その要請に対しての協力金です。最初に知事はいち早く出したい、第1弾のときは。そして申請が間違っていたら、それでもいいから出してくれ、こう言っていたわけですよ。こういう協力金です。しかし、当初案内にあった申請から交付の期間を二、三週間としていた記載がなくなった上に、繰り返しますけれども、第3弾以降の委託事業者への仕様書では、支払いデータは1日350件とか、300件とか、そういう目標数値にしたことで申請受付当初に申請が集中したにもかかわらず、1日の処理件数が平準化、今、ご答弁の平準化ですよ。平準化されたことで、交付までに時間がかかっているんじゃないんですか。仕様書には業務量の変動に応じた適正な事業を行うと書いてあります、確かに。協力をいただいている事業者に、これはいち早く届ける体制じゃなくて、1日の目標数値を処理する体制になっている。このことが問題だ。こう言っているんです。

【事業者支援担当課長】まず、そもそもですが、委託事業者に委託している協力金の審査業務は、先ほどご答弁を差し上げたとおり、従事者の人数ですとか、委託期間ではなく、仕事の完成に対して報酬を支払う性質の契約でございます。そのため仕様書には、仕事、つまり業務の内容を詳しく規定をしていますが、従事者の人数ですとか、そういったことは規定ができない性質の契約です。仕様書上規定をされた業務の実施のためには、人員体制をしっかりと委託事業者の判断で整えることになります。ただ、一方、審査のピークですとか、そういった課題もありますので、仕様書上は、委員がご指摘のとおり、文言を組み込みまして、例えば申請の序盤にピークが来た場合の体制の整備ですとか、仕様書上の規定する納品の件数に達しない日が続いた場合の審査体制については、審査体制の強化を委託事業者に指示をしていくといった対応を行っておりました。納品件数ですが、実際には、1日当たりの目標、1日当たりの納品件数、仕様書に規定をされている件数を上回る納品をいただく日も多数ありましたので、そういった事業者の判断で、ピークに持ってきた人員体制の中で、最大限の審査をしてもらったというふうに認識をしております。

【石川(裕)委員】では伺います。ピークのときは、1日何件だったんですか。

【事業者支援担当課長】 第3弾は、ピーク時では420件でございました。第4弾は628件。第5弾は1,800件の、最大の納品をいただいております。

【石川(裕)委員】 第5弾は確かにもう仕様書から1,000件超えているじゃないですか。やってくださいねという件数が。第3弾、第4弾と比較にはなりませんよ。それで、もう時間がなくなってきましたけれども、協力金、私はこの事業者に対して、いち早く届ける体制、今、ご答弁だと仕様書には書いていないけれども、お願いしたと。それが400件、350件が420件だと、こういうことですよね。今のご答弁でいくと、第3弾で行けばね。そういう体制がまずおかしいということを指摘しておきます。第7弾はどういう体制でやるのですか。

【事業者支援担当課長】第7弾も第6弾までと同じような仕様書になっております。

【石川(裕)委員】 これで、本当に事業者の皆さんに、一日でも早く協力金を届けたい。こういう思いが伝わるんですかね。ということをまず指摘して、次の質問に参ります。最後は、これから今日、経済の話をしたかったんですけれども、もう最後、新型コロナの、発生当初大きな網をかけて、経済を止めて協力金の交付をしたことは、大きな網をかけて、協力金の交付をしたことは理解します。しかし、1年経過した中で、段階的な解除を行っていく上で、この協力金を用いた一律な営業時間の短縮のお願いよりも、飲食店に対して、例えばアクリル板の設置を義務づける、入店制限をかけるなど、事業者の皆さんが継続的に事業を続けていくために、一定程度の仕組みをつくって、経済を回していくことが必要だと思いますけれども、産業労働局長、いかがでしょう。

【産業労働局長】 産業労働局は、権限を持って飲食店を規制するような立場ではなく、むしろ、自由な経済活動を支援する立場ですので、議員お話しのような義務づけといったようなことは難しいというふうに考えておりますけれども、経済活動の制約を防ぐためにも、事業者の皆さんにしっかりと感染防止対策をしていただきたいという思いは、全く同じであります。今、補助金ですとか、貸出しをしておりますけれども、貸出しの件数も、一昨日10万枚を超えました。こういったことを使って、感染防止対策をやってまいりたいと考えております。

 

【石川(裕)委員】 最後に、知事に伺います。知事はこれまで「成長産業の創出」、「県内企業の海外展開支援」、そして「三つの特区を活用」など経済の援助を回して、活力ある神奈川を実現していくとしてきました。しかし、新型コロナの発生により、目の前の経済が大変傷んでおります。今後、新型コロナと共存していくことを見据え、これからどのように県経済を、経済のエンジンを回していくのか、伺いたいと思います。

【黒岩知事】今後、新型コロナウイルスと共存していくことを見据えた上で、経済活性化を図っていくためには、まずは、厳しい経営状況に置かれている事業者の事業継続をしっかりと支えることが重要であります。そこで、コロナ禍にあっても事業は継続できるように、感染防止のためのアクリル板等の導入支援や、ネット通販、デリバリーの経費に対する補助、これを引き続き実施したいと考えております。また、既存のビジネスモデルでの事業継続が困難となった事業者が、新たなビジネスモデルに挑戦するための補助、これも行います。これらに加えまして、融資規模などを拡充した中小企業制度融資によって企業の資金繰り、それをしっかりと支えていきます。

そして、感染状況が落ち着きを見せた際には、落ち込んだ需要を喚起する必要があります。そこで、県内工業製品の割引クーポンの発行や商店街のプレミアム商品券に対する補助、キャッシュレス決済時にポイントを還元する消費喚起対策事業を実施したいと考えております。加えまして、ポストコロナを見据え、さらに力強く経済回復を図るためには、将来に向けた企業の成長を支援していくことも重要であります。そこで、県内企業のDXの推進や、感染拡大防止に有効なロボットの実装、ローカル5Gの実証環境の活用支援、抗新型コロナウイルス対応製品の性能評価などを実施していきます。このように、事業継続への支援、需要の喚起、企業の成長支援、こういった三つの視点に基づきまして、ウィズコロナ時代における県経済のエンジンを回してまいりたいと考えております。

【石川(裕)委員】終わります。