石川(裕)委員 次に、教職員の不祥事防止対策について伺ってまいります。昨年12月の文教常任委員会において、教員の不祥事防止対策の主にわいせつ事案について質疑を行いました。
その際、公的スマホの導入などの提案を行い、児童・生徒の保護者に見える具体的な対策を求めましたけれども、残念ながら、その後、質疑の後の1月に、授業中に女子生徒のスカート内を盗撮したとして、県立高校の男性教諭が懲戒免職処分、そして監督責任として校長を戒告処分とする事案が発生し、2月のこの常任委員会にて、教育長が冒頭謝罪をされました。その女子生徒はショックを受けて、今も登校できていないという状況が続いているというふうに伺っています。私自身、前回の質疑を振り返った中で、県教育委員会の研修内容に少し疑問を感じています。教育局長から、研修の内容について、懲戒処分の状況や退職金の話、こういう話も挙げていただきましたけれども、まず第一に伝えなければいけないのは、被害に遭った児童・生徒がその後もどれだけの精神的な影響を受けているのか、そのつらい現実をしっかりと教職員に伝えることだというふうに思っています。
その中で、この事案後、有識者による対策会議も立ち上げられ、これまで2度会議を開催されたと承知しています。その会議の中身を拝見させていただきました。そして、また、教育長が教職員に対して発したビデオメッセージ、この質疑に当たり視聴させていただきました。新型コロナ禍で、学校現場で頑張っている教職員に対しての感謝とともに、一部の教職員によるわいせつ事案が、教育全体の信頼を揺るがしかねないといった強いメッセージがありました、教育長からの、そういうメッセージでありました。
そこで、まず、このメッセージは、教職員が見ることができるインターネット環境にて配信されたというふうに承知しています。対象となる教職員はどのぐらいいて、そして、このメッセージはどのぐらいの教職員が視聴したのか伺います。

行政課長 動画を配信した教職員の人数ですが、約1万2,900人です。そのうち、実際に視聴した人数は、育児休業中の者や休職者を除く約1万2,000人です。

石川(裕)委員 県教育委員会のトップである教育長がわざわざ時間をつくって、そして配信をした動画ですよね。配信して終わりではなくて、そして、今、1万2,900人対象で1万2,000人の方が見た、視聴したということですけれども、効果はちょっと置いておいて、どれだけの教職員の方がこのメッセージが視聴したということが大事だと思うんです。これが教職員の方の危機感だと私は思いますんで、是非、こういう危機感を是非共有する中で、発信して終わりじゃなくて、どれだけの人が見たかということも、これからも必ず調査をしていただきたいというふうに思います。
次に、有識者会議の内容について伺っていきます。会議はこれまで2回開催され、報告資料に検討状況などが記載をされています。報告資料の29ページのこれまでの取組と評価について、主な意見が掲載をされています。29ページのところの一つ目に、これだけの取組を行っていることは一定の評価ができるという記載があります。30ページの委員意見のセイビの中にも、一定の評価ができるとの文言が記載をされています。報告資料だけですので、文言の前後の内容が記載されていないので、確認をさせてもらいますけれども、何をもって一定の評価という発言になっているのか、評価するということは何か基準があって、示した上でこの発言となっているのか伺いたいと思います。

行政課長 特に点数化したような基準ではございませんが、県教育委員会における不祥事防止の取組の全体について、有識者からは、多くの取組を行っていることは評価できる、また、毎年何らかの周知がされることが重要、それから、セクハラアンケート調査は毎年1回実施し、生徒に対する周知がされているなどの意見がありました。一方で、現在の取組が全てではない、まだ不十分なものもあることも含めておきたい、わいせつ事案を少なくする可能性があるものについては、全て取り組んでいかなければならないといった意見もございました。こうした意見を踏まえて、有識者からは一定の評価ができるとの意見があったところと受け止めております。

石川(裕)委員 次の32ページ、具体的方策の検討などについても記されています。その中に、これまでの取組の改善等について記載されて、1ぽつ目、研修や啓発資料に、児童・生徒に対するわいせつな行為を禁止している法令の趣旨や、児童・生徒に与える深刻な被害の理解等の内容を追加というふうにしています。これ、ここに記載されて、有識者会議の中で、こういう発言があるということは大変残念なんですけれども、私はこれは社会人として当たり前の認識であって、これをも認識していない人を採用していること自体が、私はおかしいというふうに思うんですけれども、これがこれまでの取組の改善なんでしょうか。

行政課長 有識者からは、教職員に対し、単に法令遵守をという言葉だけではなくて、それぞれの法律や条例の条文でどのように禁止しているのか、また、その奥にあるどうして禁止しているのかといった条文の趣旨をきちんと理解させることが必要との意見が出ました。具体には、例えば、13歳未満の者に対して性交等した場合には、同意があったとしても犯罪が成立することについて、刑法では性的行為等に関する判断が未熟な未成年を保護する趣旨からであるといったようなことです。また、生徒に与える被害につきましても、例えば、その背景に、子供の性行為等についての判断が未熟で、大人のその未熟な判断を利用する関係があり、純粋な恋愛関係ではないことや、性的被害を受けた子供が、時間が経過したときにどのように傷つくのか、そして、性的被害が子供に深刻な事態を招くかをしっかり理解させることが必要との意見がありました。こういった理解を深めることによりまして、教職員の行動を変化させることにつながり、わいせつ事案の防止に役立つものと考えております。

石川(裕)委員 今、御答弁頂きましたけれども、繰り返しになりますけれども、そのことを常識というかあれですけれども、なかなか、13歳とかいろいろありましたけれども、それを認識しないで、理解しているのかもしれないですれども、もう一度、ここで教えなくてはいけないという、伝えなくてはいけないという教職員の方のちょっと、これを改めて教えなきゃいけないということが出てくること自体、大変残念だというふうに申し上げておきます。次の33ページ、新たな具体的方策についてというふうにありますけれども、1ぽつ目には臨床心理士による個別事案の分析とあります。これは、これから分析するという理解でいいんでしょうか。それと、また、いつまで分析を行うのか伺いたいと思います。

行政課長 分析につきましては、臨床心理士による個別事案の分析ということですが、これは、今後、発生した事案について使用する予定です。

石川(裕)委員 ここで挙げられていますけれども、わいせつ事案は神奈川県だけで起こっているわけありません。他県でも様々な対策を、神奈川県と同じように取っています。会議もやられています。この臨床心理士による個別事案の分析というのも、他県でもうやられています。調べていくと。そういう中でいくと、他の都道府県と連携を取って、分析は大事かもしれませんけれども、いち早い対策に向けたそういう情報収集が大切だというふうに思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

行政課長 他県でも臨床心理士による個別事案の分析等行っている県がございますが、臨床心理士が聞き取る内容がプライベートな事案に当たることから、内容については外部に公表しないことを条件に実施していると聞いております。また、わいせつ行為に至った背景や経緯、教職員の心理状況、被害者や周囲の教員の心境につきましては、事案によってそれぞれ異なっており、他県の分析結果をそのまま本県にて発生した事案に当てはめたとしても、詳細なわいせつ事案の分析にはならないと考えています。そういったことから、こういった取組についても、現在、有識者会議で検討がされているところです。

石川(裕)委員 具体的な事案、プライバシー、そういうところも理解はしますけれども、でも、例えば心理というかそういうことを、個別案件を聞いていく、行為を起こしてしまった教職員に対してこれを聞いていく、そして個別に分析していくということで、あえて、もう懲戒解雇になっている方、そういう方にそれを聞いていくのか、そしてまた、だったら例えば裁判に当然なっていくわけですから、そういう弁護士の方に、直接そういう状況というのを聞くという手もあると思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

行政課長 加害者についている弁護士に聞いてはどうかということでございますが、弁護士につきましては守秘義務がありますので、なかなかその方のプライバシーを語ることについては、お答え頂けないものと考えております。

石川(裕)委員 いろいろ裁判とかそういう中で、お答え頂いている部分とかもあると思います。そういうときに、プライバシーもあるかもしれないけれども、被害に遭った生徒がいるわけですよ、児童がいるわけですよ。といったときに、スピード感を持って、対策を取っていかなきゃいけない中で、それを分析だとかそういうことじゃなくて、いち早く情報を集めていく、収集していくという中で、弁護士にも、そういう被害に遭った中でいくと、そういう今後のために是非協力をしてほしいというお願いは、私はできるというふうに思います。
その先の質問にいきますけれども、同じく新たな具体的な対策というところに、教育相談、指導における三者のルール化、こういうこともあります。これは今、ルール化されていないんですか。

行政課長 各学校では、児童・生徒指導における多面的な考え方として、原則として複数の教員により生徒指導を行っていますが、このことを特に書面等で明文化したものではございません。

石川(裕)委員 今後、ルール化というのは、多分、いろいろ今までできていない理由というのはあると思うんですけれども、それもあると思うんですけれども、今後ルール化というのは、じゃ具体的に、有識者会議の方はあれですけれども、どのようにというか、どうルール化していけるんですか。

行政課長 ルール化につきましては、現在、有識者に御意見を頂いていますので、そのルールの内容によって、必要な定め方をしていくべきとなると思います。

石川(裕)委員 この有識者会議で、先般、具体的な対策として取り上げた公用携帯電話の貸与についても取り上げていただいています。大変ありがたいことだというふうに思っています。ただ、残念ながら、委員からは厳しい御意見が挙げられています。私自身も具体的な一例として挙げさせていただいた、その検討の中で、この取組について書いてありますけれども、もし公用携帯貸与に費用を用意するというのであれば、それよりも子供たちの教育に必要なものに優先的に使うべきである、むしろ撮影を禁止するなど、端末の取扱いについてルールをきちんと設定
していくことが重要であるという発言が出されています。正におっしゃるとおりです。費用の面について、私も同じふうに感じます。その上で、ルールをきちんと設定していくことが重要と発言されていますけれども、じゃ、このルールはどのように設定されているのかお伺いします。

行政課長 ルールの一例といたしましては、既に実施しておりますが、児童・生徒の撮影を禁止、そういったものをルール化しております。それ以外については、また有識者会議の中で御意見があれば、具体に検討していくことと考えております。

石川(裕)委員 撮影が禁止ということがルールになっているという御答弁がありました。ちょっと他県の話ですけれども、今、給食の時間、小学校ですけれども、他県としておきますけれども、残念ながら、現在、給食の時間、机を並べて班ごとにとかということで、友達と楽しくおしゃべりをしながら給食を食べることができない、こういう状況になっています。そういう中で、先生が子供たちによかれと思ってだと思いますけれども、スマホを使って、その動画を子供たちに見せているという話を、保護者の方から伺っています。子供たちのためという思いは理解するんですけれども、こういうことにも私用の携帯が使われているわけです。これは、これがどうこうということじゃないですけれども、是非、そういう場面がいろいろある中で、もしルールが徹底されていないというのであれば、やはり私はこれは策定を、早急にルールをつくっていただきたいというふうに思います。

石川(裕)委員 先ほど、わいせつ事案の他県のお話の例をちょっと挙げさせていただきましたけれども、それに伴って少し具体的な提案をさせていただきたいというふうに思うんですけれども、現在、年1回行っているスクールセクハラアンケートの回数を、例えば学期ごとにするなど、年に複数回行うこと。そして、小学校低学年の児童においては、年齢を重ねて、昔振り返ったときに、あのとき先生に受けた行為は実はセクハラ行為、わいせつ行為だったのではないかということもあります。是非アンケートを小学校でも行っていただいて、そのアンケートを家庭に持ち帰ってもらって、保護者とそのアンケートについて話をする中で、その行為が大きくなる前に未然に防げるかもしれない。また、アンケートを複数回実施することによって、先生が児童・生徒、保護者側から見られているんだという意識が生まれるといいますか、そういうことが、私は大切だというふうに思います。現在行われるアンケート、私もあのアンケートを見させていただきましたけれども、これを複数回にすることに対して、もし課題とか問題点があるのであれば、教えていただきたいと思います。
そしてまた、なかなか先生や友達に相談できないけれども、SNSであれば気軽に相談できるといった、スマホを利用した自殺防止対策がLINEで行われていますけれども、こういったものを相談で設けることも必要と考えますけれども、いかがでしょうか。

行政課長 現在、県立学校で実施していますセクハラアンケートですが、有識者会議においても、実施回数や方法については検討が必要であるとの意見を頂いております。そうしたことから、今後、各学校で学期ごとに1回程度実施している学校生活アンケートの活用なども含めまして、有識者会議からも意見を伺いながら、改正について検討していきたいと考えております。

石川(裕)委員 LINEのほうはどうですか。

学校支援課長 LINEの相談窓口ということでございます。私どものほうで、LINEによるSNSいじめ相談@かながわという名称で、主にいじめに関する相談を受けております。ただ、いじめ以外の相談も広く受け付けているところでございます。具体には、例えば友達から嫌なことを言われる、嫌なことをされるといったこと。あるいは、部活動の顧問から指導の際、きつい言い方される、厳しい口調で言われるといったこと。そうした内容がセクハラに該当すれば、相談員が学校の先生や保護者などに相談すること、教育委員会のセクハラ相談窓口を案内するといったことをしております。学校におけるセクハラにつきましては、引き続きこうした窓口も活用して、しっかりと対応していきたいと考えております。

石川(裕)委員 今の御報告ですと、今、既存のものを使っていくというような御報告だったと思いますけれども、そうではなくて、やはりきちんとセクハラ、こういうアンケートもやっているわけですから、そこの項目をつくっていただいて、そこで是非対策を打っていっていただきたいということをまず要望しておきます。
次に、研修についての具体的な提案といいますか、させていただきますけれども、前回の常任委員会等々でも、様々な研修が行われてきたということを報告を頂きましたし、また、資料にもそれが記載されている、確認させていただいています。ただ、この研修の中に、わいせつ被害を含めた性被害に遭った方々を支援していただいている団体の方にお越しいただいて具体的な事例を交えて講演を頂くなど、児童・生徒側に立った具体的な話を聞くことが、私は大事だというふうに考えますけれども、御検討いただけないでしょうか。

行政課長 有識者会議においても、これまでの取組の改善として、教職員に対し研修や啓発資料により、わいせつな行為が児童・生徒に与える深刻な影響、被害についてしっかりと理解させる必要があるとの意見もございました。こうしたことから、例えばわいせつ事案が発生した際、校長等が被害生徒から聞き取った内容について、被害者の心情等への十分な配慮の下で研修資料に盛り込むことなどについても、有識者会議の意見を伺いながら検討していきたいと考えております。

石川(裕)委員 今の御報告でいくと、教育委員会、学校のそういう組織の中での校長がという話でしたけれども、そうではなくて、是非外部の方。外部の方を入れていただいて、そういう団体、被害に遭われた方の団体ってありますから、そういう方に是非来ていただいて、そして、そういう講演でも結構です。タイムリー、1年目なのか、3年目なのか、研修やられていると思いますけれども、毎年ということではなくて、そういう対象を絞って、是非そういう研修を入れていただきたいということを要望しておきます。
最後に、この質問の要望ですけれども、様々な取組が他県でも行われています。是非、分析も必要かもしれませんけれども、スピード感を持った具体的な対策。何度も繰り返しますけれども、保護者、生徒・児童にとって具体的な提案を是非明示していただきたいということを要望しておきます。