石川(裕)委員  まず、令和2年度6月補正予算に記されている学校教育事業費の修学旅行等の中止、延期によるキャンセル料等の支援について伺います。一部報道で、川崎市や相模原市の小中学校では、既に修学旅行の中止を発表している地域もあります。県立高等学校の修学旅行に対しては、どのような状況になっているのか伺います。

高校教育課長  県立高等学校においては、修学旅行の実施時期のピークを迎えるのが9月から11月というところが多くあります。現時点では、まだ中止の判断をしている学校は多くはありません。大多数の学校が、現在、実施について検討中、または時期を年明けに延期する判断をしている状況です。

石川(裕)委員  今回の令和2年度6月補正予算額に4億732万円が計上されていますが、修学旅行のキャンセル料等、延期によるキャンセル料等の支援ということになっています。この対象は、どれぐらいの学校、生徒数を見込んでいるのでしょうか。

高校教育課長  積算に当たっては、令和2年度に国内の修学旅行を実施する学校で、おおよそ生徒の数3万6,000人強と見込んでいます。積算の根拠となっているのは、国内の修学旅行の場合には、一般的に企画料がキャンセルした際に発生します。旅費のおおむね4%程度が企画料として計上されていますので、県立高等学校の修学旅行は、実施に当たっては10万円を上限としていますので、10万円の4%、掛けることの3万6,000人強ということで積算しています。また、同様に海外の修学旅行についても同様に積算していますが、こちらは、キャンセル料自体が5%の企画料になりますので、上限金額についても12万円を上限としています。それが積算の根拠になっています。

石川(裕)委員  この項目の中に、延期によるキャンセル料等と書いてあるのです。延期でキャンセル料がかかるものなのですか。

高校教育課長  旅行の取扱業者によって、若干の違いはあるとは思いますが、旅行日程を、そのまま行き先も変わらず、泊数も変わらず延期した場合には、キャンセル料は発生しないところが多いと承知しています。ただ、例えば、行き先を変更せざるを得ない、泊数を変更せざるを得ないということになりますと、改めての旅行の企画ということになりますので、その際にはキャンセル料等が発生する可能性があると承知しています。

石川(裕)委員  大手の旅行会社の約款を私も少し調べさせてもらったのですが、読み上げると、旅行のキャンセルをするときには、前項の規定にかかわらず、旅行開始前に取消料を支払うことなく受注型の企画旅行契約を解除することができます、という約款でして、天災地変、戦乱、暴動、運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止、官公署の命令その他の事由が生じた場合において、旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となり、または、不可能となるおそれが極めて多いときには、取消料はかからないという約款になっているわけです。多分、県立高等学校の修学旅行は、大手の旅行会社に依頼されている場合が多いと理解しているのですが、今回、新型コロナウイルス感染症は、この規定には当てはまらないのですか。

高校教育企画室長  前年度の3月においても、海外の修学旅行等を一部中止しているケースがありますが、その際にも、キャンセル料が発生していると承知しています。

石川(裕)委員  その際に、こういう規定、約款があるので、学校で行うのか県教育委員会で行うか分からないのですが、交渉や約款がどうなっているのかという確認はしないのですか。

指導部長  令和2年3月の時点で国内の修学旅行、海外の姉妹校訪問等について、キャンセル料が発生しています。多くの場合には、企画料の部分の負担が発生しているということですが、これについては、その取扱いについて特段の配慮をいただけないかと、もちろん相談させていただいていますが、それはできなかったということです。なお、外務省から海外の渡航に関してレベル2以上の情報が出ている場合については、そもそも不要不急の渡航はできないことになりますので、そのケースの場合においては、キャンセル料、企画料は発生しないとお聞きしていますが、令和2年2月から3月にかけての旅行の時点では、そのような情報にはなっていなかったことがあり、発生したということです。

石川(裕)委員  できれば、せっかくの最後の修学旅行に、高校2年生でしょうか、行っていただきたい。そういう中で、キャンセルになった場合、4億732万円は計上されていますが、例えば、もし支払うことがなければ、また、違う支援策などに予算を回すことができるかもしれないということで、質問させてもらいました。

令和2年6月から学校が再開しましたが、授業の遅れ等々、今、各学校でそれぞれ対応を進めていると思います。全体スケジュールは学校の中で決めて、進めているという答弁もありましたが、学校行事における修学旅行を、いつまでに行わない、または行うという判断は、学校ごとの判断なのか、それとも、どこかの時点で県教育委員会から指針を出される予定なのか、その点を伺います。

高校教育課長  原則として、通常登校になるまでの期間については、中止または延期とするよう既に指示を出しています。今後、通常登校に戻った後については、旅行の行き先にはいろいろなところがありますので、実際に県内の感染状況を見極め、かつ、旅行先の感染状況等も見極めた上で、実施を判断することになると思います。  ある程度集団での宿泊ですので、そういった感染リスクをしっかりと考えた上で、最終的には学校長に判断を委ねる形になると考えています。

石川(裕)委員  修学旅行の指標を出されていることは理解しています。指標、修学旅行で新幹線や飛行機に乗るときのそれぞれのガイドラインもありました。学校長が判断して、その時点でその学校は行くと学校長が判断したとします。ただ、その際に、例えば、もしかしたら新型コロナウイルス感染症の状況で、保護者が心配をされて、うちの子供は修学旅行に行かせたくないとなった場合、個人的なキャンセル料が多分かかると思うのです。そうなったときのキャンセル料の補填はあるのですか。

高校教育課長  今回の令和2年度補正予算案で提案している積算の段階では、そういったキャンセル料は想定していません。

石川(裕)委員  ということは、その保護者、家庭の負担という理解でよろしいですか。

高校教育課長  そういう形になります。

石川(裕)委員  学校は学びの場であると同時に、修学旅行、体育祭、文化祭、部活動も通じて、勉強以外の学びを得ることができる場でもあると思います。できないではなく、できるようにどうしたらよいかを前向きに検討していただきたいと思います。