令和3年度公立高等学校の入学者の募集及び選抜について

石川】新型コロナウイルス感染リスクにあらかじめ備えるため、2月27日より県内公立学校が長期休業となりました。その後、緊急事態宣言が発出され、臨時休業は5月31日まで続き、6月1日から順次、学校が再開されている。この学校の臨時休業期間中であった4月30日、県教育員会では令和3年度の神奈川県公立高等学校の入学者の募集及び選抜の主な日程が発表された。

今後の新型コロナウイルス感染症の状況によって、各要綱の内容見直しを行う場合があるとしていますが、この入学者の募集及び選抜日程を県内中学校が一斉休業の中、また報道等で学校の9月入学の検討がささやかれる中、そして、多くの生徒やその保護者が授業の遅れを心配する中で発表したタイミングには、いささか疑問があります。

文部科学省は先月13日、新型コロナウイルス感染症のために多くの中学校等で臨時休業が実施されていることを踏まえて、令和3年度高校入学者選抜等の実施において配慮するよう都道府県教育委員会などに通知を行い、出題範囲や内容、その方法についてなど、適切な工夫を講ずるよう求めています。いち早く受検を控えた生徒やその保護者に受検日程を知らせたのであれば、追って、この配慮についてもお知らせをすべきであったと考えます。

また、例年であれば、高校選びのために、いくつかの学校説明会があります。今年は、全県の高校を対象とした6月の「全公立展」は中止となったため、全公立展で来場者向けに配布している「高校ガイドブック」を、7月頃に、県内国公立中学校等に在籍する3年生の生徒全員に届くよう、各中学校あてに送る見込みとされています。また、毎年8月に、県内各地域で行われる「公私合同説明・相談会」も中止となっています。現役の中学3年生やその保護者の方々からは、「説明会はいつぐらいから開かれるのか」、「県立、私立ともに説明会などのお知らせがないので学校選びに困る」と言った不安の声を伺っています。

進学する高校選びが例年より遅れ、また難しい状況が予測されます。しかし、県教育委員会からは、受検を控える生徒・保護者に対して、学校説明会の今後の見通しはいまだ示されていません。

そこで教育長に伺います。令和3年度の公立学校の入学者の募集及び選抜について、状況によって、要綱の見直しを行うとしていますが、具体的にどのような状況になった場合に要綱見直しを行うのか。その上で、全公立展、公私合同説明・相談会が中止となり、受検生と保護者が学校を選ぶ機会、情報を得る機会が少なくなることを危惧しています。今後の広報活動をどのように進めていくのか伺います。

教育長】公立高等学校の入学者の募集等要綱については、公私立高等学校設置者会議での、県私立中高協会、並びに、横浜市、川崎市及び横須賀市の各教育委員会との入学者選抜の日程に関する協議を経て、例年通りの時期に公表することが、中学校3年生や保護者の不安解消につながると考え、4月30日に公表した。その中で、今後、県内の感染状況によっては、要綱を見直すことを記載しています。要綱の見直しについて、県教育委員会では、本県の感染状況が悪化し、再度の臨時休業が長期間行われるなど、当初予定していた期日等で検査を実施することが難しいと考えられる場合を想定しています。
次に、今後の広報活動についてです。公私協調事業である「全公立展」と「公私合同説明・相談会」は、中止となりましたが、中学校3年生や保護者の学校選びのための情報提供には、しっかりと取り組んでいく必要がある。そこで、今年度は、これまで「全公立展」などへの来場者にのみ配布していた、県内の公私立高校を紹介している「高校ガイドブック」を、7月に、県内国公立中学校の3年生全員に配布します。そして、この冊子の中に、各公立高校のホームページの2次元コードを掲載し、県立高校については、現在、9月以降に予定している各校の学校説明会の日程等を、ホームページから入手することができるようにします。
また、県内公立高校の教育活動の特色を網羅的に紹介する「輝けきみの明日」という、有償頒布している冊子の内容を、今年度は、県のホームページに掲載し、情報収集の機会を提供していきます。こうした様々な取組により、広報活動を充実し、これまでと同様に、中学校3年生の適切な進路選択が図られるよう取り組んでまいります。

石川】新型コロナウイルス感染対策を行いつつ、学校で説明会を開催するというのは、今の学校の現場の状況を考えると、多少負担になる点もある考える。また、県のホームページに、「輝けきみの明日」、あの厚い冊子のものを見れるようにすると答弁があった。今、県立高校においてはICTの推進も積極的に進めている。そして、また教育委員会のネットワークシステムで各高校のホームページのシステムで、あと数校残っているが統一された基準になると伺っている。であれば、動画を使えば、例えば各学校のホームページにアップすることによって、書面では分かりづらい、例えば学校の校舎の中の雰囲気とか、制服やジャージはどうなっているのかなどをアップしてみたり、部活動や学校それぞれの特色を、受検生やその保護者に対してもよりよく分かりやすく伝えることができると思うが、動画を使うことについての所見を伺う。

教育長】学校説明会は、県立高校にとっては重要な場だと認識をしている。お話しをいただいた動画の配信、これは本当に有効な手立てだと考えている。今、「かなチャンTV」を活用して、各学校のホームページから、学校紹介の動画を見ることができるよう、準備を進めている。今後も県教育委員会として学校の広報活動を支援して参りたいと考えている。