石川(裕)委員  まず、先行会派でも質疑されていましたが、外国人観光客の誘致事業について、きょうは主に伺います。まず、昨年度、国際文化観光・スポーツ常任委員会で、平成30年4月から国際文化観光局がスタートし、平成30年度予算約75億円、職員数154名での新たな船出の決意を国際文化観光局長に聞かせていただきました。局長からは、当時来年のラグビーワールドカップ、再来年には東京2020オリンピック・パラリンピックが開催され、オリンピックは56年ぶり、ラグビーワールドカップは4年に1度ではない、一生に一度だとのキャッチフレーズのとおり、我々にとって一生に一度のイベントだと思う。外国からたくさんの方が押し寄せるこのチャンスを捉え、一つの部局、一人の局長のもとでしっかりと仕事を進めていくとの御答弁がありました。冒頭、局長へ伺います。平成30年度に新設された国際文化観光局の成果をどのように捉えられているのか、伺います。

国際文化観光局長  昨年の10月の常任委員会でお答えしたことは今、御紹介いただいたとおりです。平成30年度にことしのラグビーワールドカップと来年の東京2020大会の二つに向けて、関連の深い三つのセクションである、国際課、文化課、観光部を一体にすることによって、その二つのイベントの機会を捉えて、神奈川の魅力を国内外に発信して、多くの人を引きつける施策にしっかりと取り組むために、このセクションができました。それまで、平成29年度までは、県民局に国際課と文化課があり、産業労働局に観光部がありました。私も県民局から国際文化観光局に来ましたので、そういった観点から、それまで観光のセクションは私のもとになかったものですから、クロスファンクションで、全庁のいろいろな分野横断的な取り組みは、それ以前もやっていて、一定の連携は当然図ってきましたが、どうしても自分のもとにいない職員に、事細かに指示できる立場にはありませんし、また私自身も、観光のことを常に意識して仕事をすることは、限界がありました。一方、観光は観光で、なかなか文化や国際のセクションと話をするといっても、建物も違うし場所も離れているし、職員の顔も知らないので、なかなか連携といっても、お互いもどかしいというか、遠慮するところもありました。  それが、百五十数名という非常に小ぢんまりとした組織になったことで、私自身が三つのセクションをグリップしていることに加えて、職員も少ないものですから、私の部屋に毎週若手の職員を集めてランチミーティングを行うことや、幹部職員は毎週集まっていろいろと議論する場を積極的に設けることにより、職員同士も常にその三つのセクションが絡み合って仕事をしていくのだとの意識を常に持つことができて、仕事ができるようになったと思っています。  幸いことしはラグビーワールドカップが日本チームの活躍もあって、期待どおり、期待以上に盛り上がり、非常に多くの方に神奈川、横浜の地に足を運んでいただいて、その方々が県内にも周遊いただいていると聞いています。具体的に仕事の内容としても、昨年初めて開催したKANAGAWA FESTIVALで、神奈川の魅力を発信することは、観光のセクションと一緒だったからこそできた面もありますし、また、観光の磨き上げに留学生の方に入っていただいたことや、文化のマグカルをコンテンツに入れるなど、具体的な連携も進んだところであり、一定の成果はあったと考えています。

石川(裕)委員  局内のことはお伺いしましたが、これから平成30年度の結果、成果について具体的に伺います。局長からお話がありましたとおり、ラグビーワールドカップは非常に盛り上がっています。そのような中で、ラグビーは盛り上がっているが、では、実際に神奈川県にどれだけの観光客がいらっしゃっているのかについて伺っていきたいと思いますが、その前に、まず、平成30年度外国人観光客誘致促進事業についての予算と決算額を伺います。

国際観光課長  外国人観光客誘致促進事業の予算は2億3,136万5,000円、決算額は2億2,773万800円です。

石川(裕)委員  次に、その予算と決算額は伺いましたが、まだわからないかもしれないので大体で結構ですが、平成30年度の外国人観光客の県内の訪問者数、もしくは宿泊者数は大体の数字は捉えられているのでしょうか。

国際観光課長  平成30年度の本県への外国人の訪問者数は約234万人でした。

石川(裕)委員  宿泊者数はわかりますか。

国際観光課長  宿泊者数は約275万人泊となっています。

石川(裕)委員  もう一回確認ですが、観光客で、訪問者が234万人で宿泊者数が275万人、宿泊者数のほうが多いことは観光客もそれだけ来ていることかと思いますがよろしいですか。

国際観光課長  宿泊は泊数で計算をしていますので多くなっています。また、外国人旅行者数の計算の仕方ですが、こちらは日本政府観光局が発表する訪日外国人の全体の数に、観光庁の調査による都道府県別の訪問率を乗じて計算をしている推計値です。宿泊者は、外国人の宿泊統計、旅行統計からとった実態に近い数字となっています。

石川(裕)委員  275万泊と理解します。その中で、平成30年度外国人観光客誘致のプロモーションにかかわる事業は約1億5,800万円の予算額であったと理解しています。この決算額を教えてください。

国際観光課長  決算額は1億5,650万6,176円でした。

石川(裕)委員  ラグビーワールドカップに向けて、さまざまな取り組みをされてきたと、一般質問や常任委員会等の質問で御答弁が多々ありました。そのような中で、今ラグビーワールドカップが行われていますが、今行われている段階ですが、県内の観光客や宿泊者数はふえているのでしょうか。実は、私、ラグビーワールドカップ中、宿泊ホテルのサイトなどをいろいろ見ていますが、新横浜や横浜でも、まだ空室はたくさんあります。肌感覚でどうしてもふえている感覚が余りないのですが、この点について、国際観光局、所管課としてどのように捉えられているのか伺います。

インバウンド観光担当課長  まず、ラグビーワールドカップ期間中の宿泊ですが、横浜を中心に主要宿泊箇所に定期的にヒアリングをかけています。横浜で試合開催日の前後は結構埋まっていると報告を受けていますが、平日の空室が多いとの報告を聞いています。ただし、ホテル側からいろいろ聞くと、宿泊料が高く設定されていて、例えば通常二、三万円のホテルでも七、八万円ほどで販売されています。ホテル側からすると販売額、いわゆる宿泊の金額は、いずれも前年を非常に高く上回っていると報告を聞いています。また、まだ実数は出ていないのですが、横浜、箱根を中心とした観光案内所での外国人の来場者数をお伺いしたところ、例えば横浜の観光コンベンションビューローが新横浜や横浜、桜木町に観光案内所を設定していますが、特にラグビーの強豪国については、イギリスが前年比252.5%、それからフランスが131%で、非常にたくさんいらっしゃっていて、箱根も同様です。  いずれにしても、どこの観光案内所もラグビー強豪国については多数の外国人がいらっしゃるとの報告を聞いています。

石川(裕)委員  今、御答弁がるるありましたが、私はずっと委員会等や一般質問でも質問させていただいた中で、ラグビーワールドカップは期間も長く、その期間の長い間に宿泊者数の期間も長いので、だからこそ神奈川県に泊まってもらって、神奈川県内を周遊してもらうとの御答弁が幾つも、何度も何度もありました。そのような中で、今、平日はあいている、横浜の試合のときだけは宿泊者数はふえているなど、冒頭予想していた宿泊とはほど遠い結果になっていると思う。これは何で言うのかというと、これが東京2020オリンピック・パラリンピックにつながるからです。だからこれらをしっかりと検証しないと、来年度も同じこと、同じ答弁になってしまうから、このような質問をしているのですが、どのように捉えられているか伺います。

インバウンド観光担当課長  委員御指摘のとおり、県としてはラグビーの試合間隔が長いので、その間に神奈川県を周遊して、神奈川県で消費していただきたいとの意向で進めていました。当初の見込みからいうと、平日が少ないので、観光庁や地元の企業にラグビーの観戦者がどのような動向で動いているかヒアリングをしたところ、彼らもまだ十分につかんでいないとのことですが、ラグビーが御存じのように、北海道から九州までの12の開催都市で開催されますので、その試合に応じて観戦客も一緒に動いているのではないかと考えています。それから、一番大きかったのが、東京での宿泊に相当持っていかれたというところです。これは当初から大分対策は打っていましたが、東京に宿泊が結構流れていったのではないかと推測しています。

石川(裕)委員  東京に流れることは想定されていた。その中で、先ほど先行会派の質疑でもありましたが、神奈川県の名前を捨てて、Tokyo Day Tripという事業も始めた。神奈川にどれだけのお客様に宿泊してもらうかが大事だと、さんざん言ってきたのは行政側です。それで、今このような結果になっていて、今、東京に流れていたのだと思いますとの御答弁です。2億3,000万円に、誘致のお金1億5,800万円合わせて3億円かけて、結果ついてきませんでした。県民が納得しますか。いま一度御答弁をお願いします。

インバウンド観光担当課長  まだ、精緻な数字は出ていませんので、私のヒアリングしている範囲の話を申し上げますが、宿泊関係については、ラグビーの強豪国については、結構神奈川県内にも入ってきていただいたと認識しています。一方、宿泊代が相当高騰したことも含めて、観戦国以外の観光客は多少敬遠された嫌いもあるのではないかと考えています。

石川(裕)委員  御答弁は多分その程度になってしまうと思いますので、次に、関連して1,000本ツアーについて伺います。知事が本会議等でも1,000本のツアーが達成できたとの御答弁が本会議場でありました。また、インバウンドツアーが1,000本を達成したと記者発表もされています。それで、この1,000本のツアーを用意するために、まず、何年度ぐらいから始めて、どのような作業が行われたのか端的にお伺いします。

インバウンド観光担当課長  平成28年6月から観光魅力創造協議会を設立して、現在、54団体で官民連携をして推進しています。各市町から、コンテンツを出していただき、また民間事業者からも出していただいたところに外国人を連れて行って、実際いろいろな御意見をいただきながら、観光資源を発掘し、それに基づいてモデルコースを作成しました。さらに、それを旅行会社向けの商談会で、旅行会社に商品化のお願いをし、さらに旅行者に向けて、Tokyo Day Tripで情報発信しているところです。

石川(裕)委員  そういう中で、1,000本ツアーを私もいろいろ指摘してきましたが、では、この1,000本ツアーに外国人観光客の方はどれぐらい参加をされているかは把握されているのでしょうか。

インバウンド観光担当課長  1,000本ツアーを見て外国人がどのぐらい神奈川県に来ているかとの御質問ですが、Tokyo Day Tripのページビュー数を把握していますし、どこから見られているかの数は把握していますが、Tokyo Day Tripを見て何人来たかの数については把握できておりません。

石川(裕)委員  Tokyo Day Tripと言っていないです。1,000本ツアーが達成され、1,000本ツアーにどれだけの外国人の方が参加をされたのかを伺っています。

インバウンド観光担当課長  1,000本ツアーについては、先ほども申し上げたとおり、ウエブや旅行会社の商談会で発表していますが、その1,000本ツアーに何人外国人が来たか正確な数は把握できておりません。

石川(裕)委員  今の答弁が事実なのです。結局1,000本ツアーはつくったが、実際神奈川県ではどれだけの方がこれに参加されたのか、そして、これによってどれだけの人が来たのかを把握していないのです。これを把握する努力を私はしなくてはいけないことを常々言っています。参加人数を把握していない中で、これだけの時間と費用と人をかけて、状況を把握できないとなると、先ほども言いましたが、来年度開催される東京2020オリンピック・パラリンピックに向けての対応、対策もできないことになってしまうのです。視点を変えて質問しますが、市町村からいろいろな観光地を挙げてもらったと御答弁がありました。では、市町村から発掘をしていただいたその観光地にはどれぐらい観光客がいらっしゃったかは把握できないのでしょうか。

インバウンド観光担当課長  現在、2,500を超えるコンテンツ、観光資源があります。一つ一つの観光地に、どのぐらいの観光客が来た、もしくは何人来たとのデータまではとれておりません。

石川(裕)委員  とれていませんではなくて、私は把握していないのだから、そういうとり方があるのではないかと提案しているのです。例えば、このTokyo Day Tripの中で長谷寺などいろいろな、有名な観光地ではなかなかとりづらいかもしれません。しかし、答弁でもあったとおり、市町村から挙げられた、まだ、磨き、発掘されていないところも提案をされているわけです。そのような、例えばお寺や、観光地などだったら把握できるのではないかと言っているのです。

インバウンド観光担当課長  委員御指摘のとおり、観光地への来客数については、一つ一つの観光地に人を張りつけて、ヒアリングしないと精緻な数はとれません。したがって、Tokyo Day Tripを使ってそれがとれないか今後検証していきたいと考えています。

石川(裕)委員  せっかく市町村にも呼びかけて、新しい場所を発掘しようと連携をとってもらっている。また、海外の方に実際に足を運んでもらって、さまざまな意見をもらってツアーをつくっていることもしているわけです。ツアーはつくりました。ツアーはつくったが、どれだけ来たか結果はわからない。とりあえず1,000本ツアーつくりました。どうぞ皆さん来てくださいと言うのであれば、民間に任せたほうがよいのではないですか。行政がやる必要はどこにあるのでしょうか。簡潔に御答弁をお願いしたいのですが、そのような中でさまざまなツアーをつくってもらって四百何本のツアーになったと言っていますが、そのツアーの参加人数の把握はされていますか。

インバウンド観光担当課長  観光庁、国では訪日外国人を2020年に4,000万人にする高い目標を掲げ、観光立国を目指しています。今、御質問いただきました1,000本ツアーの中で、どのぐらいの効果があったかについては、当然、Tоkyо Day Tripも見ていただいていますが、それ以外のメディアなども見ていただいています。民間事業者に任せたほうがよいのではないかということについては、協議会がつくって実際に旅行会社が商品化したコースが二百少々あります。旅行会社にこの販売状況をその都度聞いてはいるのですが、企業秘密とのことで、数字については御報告いただけない状況です。ただし、何本商品化されたことは報告をいただいているところです。

観光部長  今、御指摘いろいろいただきましたが、1,000本ツアーの評価指標度、効果はなかなかはかれないです。確かに私どもとしても、1,000本ツアーをやったからにはその効果を知りたいとの気持ちはあります。ただ、なかなか適切な指標が見つからない状況もあります。例えば先ほど申し上げたウエブの閲覧数や、外国人の動向調査をしていますが、その中で実際にウエブを何人の外国人が見てくれたかなどもあろうかと思います。ただ、国でも自治体でも、個別の観光施策について、効果を把握することは非常に難しいと思っています。

石川(裕)委員  この御答弁が多分続くのだと思いますが、今の答弁で、県税をこの誘致事業だけで毎年2億円、外国人観光客の全体の誘致事業以外のことも入れると3億円以上の予算が使われています。そのような中で、1,000本ツアーの内容についてもきょうは伺いたいと思っていましたが、実際に3年間誘致事業をやってきて、最後に聞きますが、平成31年度の誘致促進事業の予算額は幾らなのですか。

国際観光課長  外国人観光客誘致促進事業ですが、今年度は2億5,698万2,000円です。

石川(裕)委員  これを聞いて県民の方が、本当に理解、納得していただけるか私は非常に疑念を持っています。最後、要望ですが、県で取り組んでいる各事業に対してそれがどのように使われ、結果どうだったのかがとても重要だと私は思います。そして、検証結果については、具体的な数値で把握することが難しいとのことですが、市町村と一緒に発掘した新たな観光地にはどのぐらいの外国人観光客を誘致できたのか、横浜、箱根を初めとする宿泊施設の状況はどうだったのかなど、具体的な検証などを行わないと来年度の東京2020オリンピック・パラリンピックも同様の答弁になりかねないので、具体的な検証方法を、ぜひ要望します。