石川(裕)委員 次に、夏休み明けの学校の対応について伺います。  国がまとめた自殺対策白書で18歳以下の自殺者、もしくは不登校になる人の数は夏休み明けが非常に多いと発表されています。その中で、県ではこの自殺、不登校に対してどのような対策を今年度講じたのか伺いたいと思います。

学校支援課長  まず、夏休み明けについては、子供たちが非常に不安に感じる思いをしていますので、中には自殺、自死をする子供たちもいます。  そうしたこともあり、文部科学省では児童生徒の自殺予防に関する通知を出して学校に注意喚起をしているところですが、こうした通知に加えて、私ども県教育委員会では長期休業や大型連休明けに命を大切にするメッセージを校長やクラスの担任などから全校集会あるいはホームルームなどの場で、直接生徒に伝えるよう学校にお願いをしています。

子ども教育支援課長  不登校につきましても、基本的には自殺予防とつながるところがあります。夏休みが明け、登校が始まるタイミングで学校生活に対しての不安や、心の悩みを持っている子供たちが多くいると考えられます。過去には、国の研究資料の中で、特に中学校において夏休み明けや5月のゴールデンウイーク明けに休みがちの子供がふえるという資料もあります。これを踏まえて、基本的には教育委員会からは自殺予防同様、夏休み明けの十分な配慮、見守りをお願いして、夏休みの後半から不安がある子供に対しては電話で連絡をするといった対応をとっているところです。

石川(裕)委員  県では年間約1,800人の方がみずから命を絶つという状況が続いたことを踏まえて、かながわ自殺総合対策指針を策定したり、不登校対策として教育委員会においては学校とフリースクール等の連携推進事業を行う不登校対策事業などが行われていることは承知をしています。そのような中で、例えば自殺対策の取り組みの中で、ICTの活用も含めた若年者への支援を進めるという項目に、SOSの出し方に関する教育の推進があり、教職員に対する普及啓発及び研修の実施となっていますが、どのような普及啓発及び研修を行っているのか伺います。

子ども教育支援課長  SOSの出し方教育については、計画に位置づけられたこともあります。基本的には、各学校で年間1時間以上は子供たちに対して、SOSを発していいといったことを具体的な授業として指導をすると位置づけています。  これを踏まえて、県教育委員会としては、市町村教育委員会の担当指導主事が集まる会議や、各学校の生徒指導担当教員が集まる会議において、その趣旨や、国で紹介されている指導事例等を紹介しながら、周知を行っているところです。

石川(裕)委員  教育委員会のホームページを確認すると、県教育委員会では、中学生や高校生の自殺予防に関して、多様化・複雑化し続ける思春期の子どもたちの心の健康について教職員が知識を共有し、適切な生徒支援のための方策を身につける必要性があることから、中高生の自殺予防に向けたこころサポートハンドブックを作成しているということですが、これはどのような場面で使われるものなのでしょうか。

子ども教育支援課長  これは平成22年6月に県精神保健福祉センター所長を議長として、中学校、高等学校の教員や県のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーのスーパーバイザー、教育相談担当の指導主事等で構成する「自殺対策啓発冊子」作成協力者会議を設置し、作成したものです。平成23年3月に発行し、各学校に配付するとともに県の教育委員会ホームページに掲載しています。基本的には、県教育委員会の生徒指導担当者研修や各学校の校内研修で活用しています。

石川(裕)委員  学校ではどの程度使われているのですか。

子ども教育支援課長  何人の教員によって活用されたかというはっきりしたデータはございません。また、このハンドブックは平成23年3月に発行したもので、平成24年度においては、繰り返し県教育委員会としても周知、あるいは研修会等での活用を行ったところです。ここに記載されている基本的な考え方や支援の方法は今も変わるものではございませんが、新しい情報等についても盛り込むことが必要と考え、県教育委員会では、このハンドブックに記載された要素を盛り込んだ資料として、平成30年6月に小中学校版、平成31年3月には高等学校版ということで、自殺防止に限らず、先ほどお話のあった不登校防止といったもの全てに共通する部分を網羅しながら、資料を新たに作成、改定したところです。

石川(裕)委員  私も読ませてもらいましたが、まずリード文ですが、当時の子ども教育支援課長のリード文から始まり、そして支援シートのアドレスはもうない。そしてこころの電話相談の電話番号も違います。平成30年6月と平成31年3月に新しくつくったということなら、いち早く修正していただきたいと思います。この教職員の働き方改革も生徒と向き合うための時間を確保するためのものなので、ぜひ、こういったSOSを発信している生徒のための方策を、またいち早く検討していただいて、またハンドブック、ホームページについても対応を求めます。