県内の次世代の担い手をつなぐ専門高校の取組みについて
石川】県は、一次産業の担い手の育成・確保が重要であるとの観点から、「かながわ農業アカデミー」、「かながわ森林塾」、「漁業体験研修」を実施している。
一方、県内には工業、商業、農業、水産など職業教育を主とした専門高校があり、県内の農・林・畜産業に就職を希望する生徒はいるものの、学校の求人票には県内での募集はなく、他県に就職している実情を聞いている。
高校と一次産業の担い手不足の現場とのパイプがなく、県内の就業に結びつきにくい現実がある。
そこで、県内の農・林・畜・水産業と、専門高校に通い、一次産業を希望する生徒の就業に結び付ける連携を、積極的に行うべきと考えるが、所見を伺う。
教育長】専門高校で学ぶ生徒が、次代の地域産業を担う人材として育っていくためには、学校教育の中で、地域産業等と連携し、早い段階から実際の現場で仕事を体験することが大切です。
現在、例えば、三浦初声高校では、地域の商工会議所と連携し、農家や飲食店、食品会社の協力を得ながら、農業を学ぶ生徒が週1回、1年半にわたり農家で野菜を生産するほか、出荷後の加工・販売までを含め、現場で実践的に学んでいます。
県教育委員会では、こうした学校の教育課程に位置付けた、長期間にわたり実習を行う就業体験活動、いわゆる「デュアルシステム」の学びを拡充していくことが必要と考えています。
このため、現在、県立高校の産業教育の基本的な事項について審議する「神奈川県産業教育審議会」において、その充実に向けた方策について検討していただいております。
今後、県教育委員会では、「産業教育審議会」での議論も踏まえ、また、第一次産業を所管している環境農政局と連携し、例えば、長期間の実習可能な酪農家等の生産者の情報提供を受けるなどして、受け入れ先の拡大を図っていきます。そして、専門高校における「デュアルシステム」の一層の推進に取り組み、地域産業を支える人材育成へとつなげてまいります。