石川(裕)委員 次に、外国人観光客受入環境整備事業について伺ってまいります。観光客を県に誘致して、来県された外国人の方が県内観光楽しんでいただくために、Wi-Fi整備や外国語案内板の設置、パンフレットの作成など、環境整備をすることは理解しています。以前、受入環境整備協議会というところで、私も見せていただきましたが、今後、5年間で188億円の整備費用がかかるという報告が協議会でありました。約1年たった中で、現状、今どうなっているのかを伺いたいと思います。

国際観光課長  神奈川県観光客受入環境整備協議会ですが、平成28年度に立ち上げまして、平成29年度にかけてその受入環境に関する協議を行っています。今お話しにありました188億円というのは、そのとき試算したマックスの数字ですので、必ずしも確実に経費がかかるということではなく、あくまで試算ということです。今現在、受入環境整備については、県の補助金、国の補助金を活用して行っています。

石川(裕)委員  188億円、民と官という形でと協議会の中でも話されていましたが、今現在県として、幾らぐらいを補助金として1年間で使っているのですか。

国際観光課長  今現在、現時点でかかる費用全体については、正確な試算はしておりません。

石川(裕)委員  試算していない。予算があって、多分県がやっていると思いますが、試算していないというのは答弁の意味が分かりません。

国際観光課長  188億円は、先ほど申し上げました官民合わせてということですが、受入環境の補助金ということですと、平成30年の予算で1,400万円となっております。

石川(裕)委員  官民合わせて188億円という中で、平成30年度1,400万円、随分予算的には少ない。5年間で188億円、今年は1,400万円、この比率はどうなのかと思いますが、受入環境整備協議会でこの負担の在り方などが、箱根町とか旅館とかいろいろな方たちが参加されて、検討されていたと思います。その中で、私も一般質問でさせていただきましたが、宿泊税について議論もなされていまして、協議会の中で既に入湯税が徴収されているから難しいだとか、新たに宿泊税をかけると観光客が減ってしまうのではないかという話があって、そして宿泊税の導入というのは検討が見送られたと理解しています。 そういう中で、御存じのとおり、宿泊税はもう東京もあって、大阪、京都、福岡県では今、県と市が二重で導入を検討していて、これがどうなのかと、県と市が今戦っているという状況になっています。これは神奈川県も同じでして、実は今年の6月に箱根町が宿泊税を検討する。協議会では、箱根町はどちらかというと宿泊税の導入に関して消極的だった。しかし、この6月、箱根町は平成19年度以降、箱根町宿泊税検討もという記事が出ています。今、こういう状況の中で、県として改めて宿泊税をどう捉えているのかを伺いたいと思います。

国際観光課長  今、お話しにありました箱根町ですが、6月の議会で町内の宿泊する観光客対象に宿泊税の導入を検討しているとお聞きしております。これについては、箱根町現在町独自で固定資産税の上乗せの超過課税を実施しております。それでも将来的な財源不足が見込まれるといった中で、宿泊税の導入を検討していると聞いています。この箱根町の12月議会において、平成31年から平成35年までの5年間、固定資産税の税率の引き上げの延長が決まっています。ただ、固定資産税引き上げ後の平成36年以降については、財源不足が見込まれるということで、また来年度以降、宿泊税を含めた財源確保方策を検討と伺っております。ですので、箱根町の場合は宿泊税ありきではなくて、検討する税の一つと認識しています。また、新聞報道では普通税ということでしたので、観光の受入環境に充てるという目的税とは、また考え方としては違うという認識です。県として、宿泊税についてですが、委員のお話しにありましたとおり、協議会では箱根であるとか、横浜市、税源が偏在しているという意見等々ありまして、県としては拙速に進めるべきではないという御意見を協議会で頂いて、その取りまとめを受けて十分調整が必要だと認識しています。 一方で、国の方で国際観光旅客税が来年の1月からスタートする予定です。県としては、例えばこういった財源を受入環境、国の方も十分考えておりますので、こういったところを是非使い勝手がいい形で、県の事業者の皆様が使えるような形と、働き掛けをしていきたいと考えております。

石川(裕)委員  正に御答弁で出ましたが、国際観光旅客税が来年の1月7日から実施をされます。私の一般質問のときに、全国観光のための財源確保については全国知事会の議論も注視しつつ、引き続き検討を行ってまいりますということで、知事からも答弁を頂いています。この国際観光旅客税は、どのような形で県に還元されるのでしょうか。

国際観光課長  国際観光旅客税の使途については、幾つかありますが、出入国の手続の高度化に135億円、これは来年度の概算の予算要求です。受入体制整備の情報発信の強化に139億円、地域資源を活用した観光コンテンツの充実に124億円と、12月21日閣議決定する平成31年度予算案に組み込む予定となっています。その中で、地方への観光客誘致を促進するためとして、多言語表記、無料公衆無線LANの整備、トイレの洋式化、キャッシュレス対応といった4項目をセットで進める事業者対象に、費用の2分の1まで補助するという予定と聞いております。今後、県としても内容を確認して、民間事業者の方には是非活用をとお知らせしてまいりたいと考えております。

石川(裕)委員  正に、国で徴収をして、県、事業者にどれだけ戻ってくるか、これは大切なことだと思いますし、今、課長がおっしゃったとおり、決まったらすぐにその事業者、対象事業者に対して周知していただいて、少しでも県税ではなくて、そういう国の支援といいますか、その事業を一般の事業者に対して周知徹底していただくことをまず要望します。 その中で、今、箱根町の話もさせていただきましたが、横浜もこれは検討される可能性は当然あります。そういう中で、私は一般質問でも言いましたが、例えば横浜が宿泊税を1,000円、箱根町は500円、例えば三浦は700円と偏在してくると、神奈川県に来県される方が分かりづらいと私は思っています。そういう意味で、改めて伺いますが、県として一律で民泊も含めて宿泊税を導入する、若しくは導入を進めることを検討するべきだと思います。実際に、188億円官民入れてということで、受入環境整備事業は5年間かかると言っています。これを全て県税でやるというのは、県民の理解というのはなかなか難しい部分もあると思います。改めて、税の在り方について、県の考えを局長に伺いたいと思います。

国際文化観光局長  今、宿泊税の検討について御指摘いただいたところでありますが、国の方でも検討がされている中で、今年の税制改正で自動車に関する課税や、それから東京で税収が集中しているものをいかに等分に分配を、全体が均衡ある発展になるために、どう配分をするか、非常に大きな国と地方も含めた議論がなされている中で、インバウンドをはじめとする観光施策を積極的に推進していく、正にラグビー、オリ・パラを控えた物づくりの好機になるということで、るるここ数年議論が行われている中で、宿泊税を今国全体で進めていくのは難しいという中で、国際観光旅客税がこの年明けから課税される。それで一定観光施策を進める特定財源が、そういった形で確定されるという状況です。  県内では一部、お話しがあった箱根町もありますが、課長から答弁をさせていただいたように、これは目的税ということよりは、早くいかに町内にある税源を生かして、いわゆる財源をしっかりと、将来の町の財政状況を勘案して財源を確保していくかという議論の中でされていることであって、直接的に観光の財源を確保することと結び付くものではないということと、県内、ほかの市町村の方でそこまで具体的に今動いているという状況がない中、我々、御指摘のように、確かに余りにも乱立して、いろいろな自治体がばらばらにというのは本当に今そういう状況がもしも見えてくれば、それはまた県として広域自治体としてそういった状況をある程度、調整するといいますか、考えるという事態も将来的には生じる可能性は否定できないかと思いますが、今、直ちにそれを我々でしなければいけないという状況ではないということです。  今、全国知事会の方で、そういった検討されて、専門的に47都道府県一体として総じた在り方をどうするのかも含めて検討して、国に要望するなりしていこうという検討が進んでおりますので、当面、国際観光旅客税で一定の財源措置がなされている状況において、直ちに何か我々でアクションを起こそうという、単独でアクションを起こそうという状況にはないと考えております。

石川(裕)委員  今、御答弁にありましたが、箱根町は目的税ではないというお話しもありましたが、払う方から見れば、目的税だろうが何だろうが、宿泊税だろうが、関係ないという言い方はおかしいですが、払うものは払うというものだと思います。しつこいようですが、来年度予算も600億円の財源不足と県は言われています。そういう中で、観光客を誘致する事業も大切ですが、県民はそれよりも高齢者福祉の問題を何とかしてほしいとか、待機児童の問題を何とかしてほしいとか、今ある県民の生活を何とかしてほしいという思いがあります。そういうときだからこそ、県税で全て観光客誘致を補うのではなくて、観光客の方にもある程度一定程度の受益者負担をお願いする時期に来ていると思います。  あと、今日は触れられませんでしたが、観光客の誘致事業については、雇用の確保につながるという御答弁も何度も頂いています。しかし、箱根とか湯河原とか、そういう宿泊のホテル業は今人材不足、人手不足ですから、その雇用というよりも、人手不足対策についてどうにかしてほしいとお願いして、私の質問を終わります。