石川(裕)委員 次に、観光の方について伺ってまいりたいと思います。前回の委員会で、4月から国際文化観光局がスタートして、そして今年度予算75億円、そして職員数154名で、魅力ある神奈川づくりを加速化するために設置されたという話を伺いました。県税を使い、どのように県民還元を行っていくのか、そして費用対効果をどのように捉えるのか、民間に任せるものは民間に任せるべきという視点で質問をさせていただきましたが、前回は局長に直接伺えなかったので、改めてなぜ県がこの局をつくり、そして県民還元をどのように捉えているのかをまず伺います。

国際文化観光局長  今年4月から国際文化観光局が発足しまして、この狙いは、御案内のとおり来年のラグビーワールドカップ、そして再来年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。これは本当に、オリンピックは56年ぶり、ラグビーワールドカップ、これはサッカーワールドカップ、オリンピック・パラリンピック合わせて世界の三大スポーツイベントと言われる競技で、4年に一度じゃない、一生に一度だというキャッチフレーズ、恐らくここにいる我々にとって一生に一度のイベントだと思います。そういった中、去年、県民局長をさせていただきまして、県民局も40年の歴史がある中で、その中で国際だとか文化をやってきた。また、観光は観光で産業労働局もやってきたというところで、そういう枠組みといいますか、産業労働局は何年か私はっきり覚えていないですが、長い年月をつくっておった。そういう組織が、一生に一度しか来ない、あるいは何十年に1回しか来ないような大イベントを前にして、時代にそぐわなくなってきている面がありました。少なくとも、これからの数年間を見通したときに、潜在的にもチャンスをしっかりと捉えるためには、そこにしっかりと国際、文化、観光というところにフォーカスを当てて、特に外国からたくさんの方が押し寄せるということにしっかりとこのチャンスを捉えて対応していくためには、それに一番直接的に関係がある部局を1箇所にまとめて、1人の局長の下で仕事を進めることが最も適当であるということで、前回のオリンピックは1964年ですので、56年ぶりかと思いますが、そういったことで対応しています。

石川(裕)委員  前回伺えなかったので、冒頭に局長の思いを伺いましたが、その中で外国人観光客誘致のことについて質問をさせていただきたいと思います。一般質問でもさせていただきましたが、Tokyo Day Tripについて伺ってまいりたいと思います。 まず、知事がよく答弁で1,000本のツアーをつくるということ、そして経済のエンジンを回していくという答弁が一般質問、代表質問等々でよく聞かれますが、今現在、この1,000本のツアーのうち、何本できているのでしょうか。

インバウンド観光担当課長  現在、観光魅力創造協議会のインバウンドツアー認定委員会の中で、696件のツアーを認定いただいています。

石川(裕)委員  今696本と御答弁いただきましたが、今のところの効果は、今現在どれくらいの外国人観光客をこれによって誘致できたのでしょうか。

インバウンド観光担当課長  現在、696件の認定を頂いていますが、この認定を頂くに際してモデルルートを作成しておりまして、現在そのモデルルートをつくるために2,375の観光資源を発掘させていただいています。協議会では、これまで市町村、観光事業所の協力を頂いて発掘してきましたが、発掘した観光資源を出前セミナー等で魅力ある観光資源に磨き上げを図り、商談会で旅行会社等にツアーの商品としてきました。当協議会の取組が直接どれだけの外国人観光客の誘客につながったのかを数字化することは難しいですが、神奈川県を訪れる外国人観光客は協議会設立の平成27年の223万人から平成29年244万人と21万人増、プラス9.4%増加したと認識しております。

石川(裕)委員  この1,000本のツアーの中で、簡単に言えば今の御答弁は何人来ているか分からないという趣旨だったと思います。前回、先行会派でベトナムフェスタのことで質疑があった中で、ベトナムからツアーを28本だか27本だかつくって、689人を送客したという答弁がありました。これ、一つ一つ見ていくとそういう数字が出てきている。今の御答弁だと、ツアーは完成しているが具体的には分からない、これはどういう数字のとり方をしているのか。

国際観光課長  先日の答弁でありましたベトナムからの誘客数ですが、これについては、プロモーション事業の一環の中で、現地で観光プロモーションをする観光レップの働き掛け、また、旅行会社等の招請事業、また観光展の出展といったプロモーション事業の中で、先ほどお話にありましたが、ツアーが造成され、689人が誘客できたということです。

石川(裕)委員  ということは、きちんと数字のとり方はとれているところはとれていると理解します。  まず、Tokyo Day Tripの予算はどれくらいかかっているのか。

国際観光課長  多言語観光情報ウエブサイトTokyo Day Tripの関係予算ですが、平成30年度の予算総額は約6,500万円です。内訳としては、ウエブサイトの多言語化運用管理に関して約2,500万円、アクセス向上を目的としたSEM、検索エンジンマーケティング対策が2,400万円、インバウンドメディアを活用したPRについては1,600万円となっております。

石川(裕)委員  昨年度は幾らかかったのでしょうか。

国際観光課長  昨年度のウエブサイトの予算としては、3,200万円となっております。

石川(裕)委員  2年で約1億円のTokyo Day Tripのウエブサイトは使われていると理解しますが、一般質問の中でも指摘しましたが、私は本数ありきではなくて質を向上していくべきだという質問をさせてもらいました。知事からは指摘いただいた部分の改善や充実に努めるとともに、その閲覧履歴を分析し多彩なモデルコースを質、量ともに充実させるという答弁がありました。まず、7言語に拡大されたということですが、その言語別でどの言語が一番検索されているのか、伺いたいと思います。

国際観光課長  言語別の内訳ですが、一番閲覧数が多いのは英語です。サイト閲覧者の国、地域別の内訳にしますと、中国が1番で29%、次がアメリカの19%、次は日本の11%、その次は台湾8%となっています。

石川(裕)委員  その中で繰り返しになりますが、私はコースの中身のことについて質疑して、その中で質を向上していくという答弁を受けて、それで今どうなっているのかと思ってTokyo Day Tripというウエブサイトを確認しています。私は川崎市の麻生区選出ですので、よく検索のところで川崎、お勧めスポット川崎と入れると一番最初に出てくるのが城山ダムです。これは相模原で、川崎に城山ダムはない。これは別々にやろうと思ったのですが、今度、お勧めのモデルコースを川崎で検索すると麻生区の歴史と陶芸というモデルコースがあります。それを検索すると、見ていただくと分かりますが、何もモデルコースが入っていない。地図は、たしか程ヶ谷カントリーかそこら辺の地図が出てくる、そういうサイトになっている。これは今、1,000本のツアーで696本上げていただいていると言いますが、実際この点検方法というのは具体的にどうなっていますか。

国際観光課長  このサイトの運用については、今申し上げましたように委託業者の方に内容も確認して、日々チェックをしていますが、今、御指摘いただいた点、早急に確認して回答したいと思っております。

石川(裕)委員  私の一般質問は昨年です。そのときに質疑を重ねて、そのときに協議会のモデルコースの資料も頂いて質疑をさせていただきましたが、いまだにこういう状況です。約1億円をかけて、このTokyo Day Trip、神奈川という看板をおろしてまで知事が進めている事業ですが、これはもう民間に任せた方がいいのではないですか。業者に任せているという話で、それをチェックできていない県というのは、このチェック体制はどうなっていますか。

国際観光課長  今、御指摘いただいた点も含めてですが、我々としても内容的にはチェックはしているつもりですが、今御指摘ありました点を含めて、業者とも打合せをして、きちっと対応したいと思っております。

石川(裕)委員  押し問答になってしまうとあれですが、昨年度の決算特別委員会でもこの質問をさせてもらいました。そのときには、業者さんが代わった、それで大丈夫だという話も伺いました。しかし、実際に今こういう状況です。冒頭に、オリンピック・パラリンピック、そしてラグビーワールドカップに向けて外国人観光客を誘致するという局長の思いを伺わせていただきましたが、実質業務的には今そういう状況だということで、前回も指摘させてもらいましたがチェック体制が余りにもずさん過ぎます。これ、麻生区のツアーだけではない、ほかのところにも何本もあります。よくチェックしてみてください。このことを指摘して、この質問は終わります。