石川(裕)委員
 まず最初に、民生費の保育士確保対策について伺ってまいります。
 平成28年度、様々な保育士確保対策事業費が立てられておりました。まずこの保育士等確保対策事業費における主な事業とその決算額について伺います。
次世代育成課長
 平成28年度における保育士の確保対策に関する主な事業のその決算額といたしましては、潜在保育士の就業支援を行う保育士・保育所支援センター事業委託が約810万円、保育士養成施設に在籍する学生に対する保育士修学資金貸付事業費補助が1億1,693万4,000円などとなってございます。
 また、保育士の育成に関する主な事業とその決算額といたしましては、現任保育士を対象とした研修を実施する保育センター運営費補助が609万6,000円などとなってございます。

石川(裕)委員
 その中で、私もいろいろ資料を見させていただきましたが、保育士確保に対しては積極的に取り組んでいるといいますか、様々な事業があることは理解をしているのですが、その一つで、平成28年度ありました潜在保育士保育料支援貸付事業補助という事業があります。この予算規模が国庫補助金を含めて約3億円でありますが、まずこの決算額を伺いたいと思います。
次世代育成課長
 潜在保育士保育料支援貸付事業費補助の決算額でございますが、3,084万5,000円となってございます。

石川(裕)委員
 この事業の予算見積書を見させていただいたのですが、ここでは約3億円の予算が組まれています。これは国庫の補助金も入っていますので、そういう形になっていますが、その中でこの事業の目的として、未就学児を持つ潜在保育士が保育士として保育所に勤務する場合、当該保育士の未就学児童を優先的に入所させる。保育料の一部を支援するとされています。
 決算額は3,000万円ぐらいというお話でしたが、実際どれぐらいの方が利用されたのか、伺いたいと思います。
次世代育成課長
 潜在保育士保育料支援貸付事業費の平成28年度の実績でございますが、貸付実績はございません。

石川(裕)委員
 これは予算が組まれていまして、そもそも、神奈川県では潜在保育士というのはどれぐらいいると認識をしていたのでしょうか。
次世代育成課長
 潜在保育士について、いろいろな考え方があるかと思うのですが、平成28年度現在で、本県に保育士登録している保育士の数が9万3,411人ございます。また、その中で認可保育所等に就業している保育士の数が2万6,129人ございますので、その差がまず基本的には潜在保育士と考えているところでございます。

石川(裕)委員
 具体的な数をもう一度教えていただけますか。
次世代育成課長
 今申し上げました保育士登録数は、平成28年度末9万3,411人、それから平成28年度で認可保育所で働いている保育士の数2万6,129人を引かせていただきまして、6万7,282人が潜在保育士と考えているところでございます。

石川(裕)委員
 約6万人以上の方が潜在保育士としていらっしゃるという中で、今回、この事業費が1人も使われなかったということですが、これについてどう思われているのでしょうか。
次世代育成課長
 今年度の平成28年度の潜在保育士保育料支援貸付事業につきましては、事業実施自体が遅れてしまいました。平成28年度は貸付件数がゼロですが、平成29年度につきましては8月末現在で31件の貸付事業があるところでございます。

石川(裕)委員
 では、平成29年度は平成28年度の決算を受けて、幾らぐらいの予算が付いているのですか。
次世代育成課長
 潜在保育士保育料支援貸付事業費の平成29年度予算でございますが、110万2,000円でございます。

石川(裕)委員
 110万2,000円という予算ですか。
次世代育成課長
 110万2,000円でございます。

石川(裕)委員
 その中で、31件のお申込みがあるということです。では、補助額は1人に対してどれぐらいの金額なのでしょうか。
次世代育成課長
 未就学児を持つ潜在保育士に対する保育料の一部貸付といたしましては、未就学児を有する潜在保育士が支払うべき未就学児の保育料の一部の貸付けとなってございまして、上限が月額ですが、5万4,000円の半額になってございます。

石川(裕)委員
 なぜこういうことを伺うかというと、保育士の確保について、ずっといろいろな委員会で質問してまいりました。その中で、潜在保育士の確保が重要であるという答弁が何度もされている中で、今回、この決算の中で実際に貸付事業がある中で、平成28年度は使われていなかったとい中で、本当に潜在保育士をどうやって確保していくのか。平成29年度は31件あると答弁ありましたが、潜在保育士の確保について、そのほかにどういうふうに確保していくのか伺いたいと思います。
次世代育成課長
 潜在保育士の事業といたしまして、具体に幾つかの事業がございます。例えば、有資格の方で保育士を希望する方で、社会福祉協議会に事業委託するかながわ保育士・保育所センターに求職登録をしていただいて、そのあっせん登録をしていただくとか、同じく県社会福祉協議会に補助事業として、潜在保育士で求職登録している方に、保育士で勤務することが決定または内定した方について、引越し費用などを支援準備金として、1人当たり20万円を補助する貸付事業も行っているところでございます。

石川(裕)委員
 それだけでは、潜在保育士の確保はなかなか難しいと思います。では、伺いますが、平成28年度、潜在保育士の方は新しく登録されたのでしょうか。
次世代育成課長
 保育士の登録者数で申し上げさせていただきます。平成28年度における県内の新たな保育士登録者数は、6,139人となってございます。平成27年度の6,690人と比較して、残念ながら551人の減となっているところでございます。

石川(裕)委員
 そうではなくて、潜在保育士の確保事業費が組まれているわけです、潜在保育士確保の事業であるわけですから、潜在保育士の方がどれぐらい登録をされたのか、県として把握する必要があると思うのです。平成29年度、そしてこれから平成30年度予算が審議されますが、その実績がない。予算、決算も含めてですが、どうだったのかが県民にとっても分かりづらいと思います。
 もう一度お伺いします。潜在保育士の方がどれぐらい登録されたのか伺います。
次世代育成課長
 潜在保育士の方が登録した数について、いろいろあるわけでございますが、今手元にある中では、かながわ保育士・保育所支援センターの事業実績として、実際に復職された方の数字をお答えさせていただきます。平成28年度で141名の方が復職されているところでございます。

石川(裕)委員
 141名の方が潜在保育士、一義的な数字として復職されたということですが、実際この141人という数字をどう理解をされているのかお伺いします。
次世代育成課長
 141人の数字でございます。ちなみに、平成27年度は137人で、平成28年度141人という数字が出てございます。私どもといたしましては、保育士・保育所支援センターをより活用していただいて、この数字を少しでも伸ばしていくように努力してまいりたいと考えてございます。

石川(裕)委員
 いろいろ伺いたいことはありますが、限られた時間ですので、視点を変えて伺いますが、県では特区を使って、3回の保育士試験をされていることは承知しています。毎年6,000人以上の方が保育士の登録をされている。先ほど御答弁でもありましたが、そういうお話も伺っています。
 そういう中で保育現場でお話を聞くと、神奈川県はこれだけ人数を確保している、6,000人以上の方がいつも登録をされているのだという御答弁を頂きますが、現場は保育士の不足が非常に叫ばれています。そういう中で、このギャップを感じるのです。その中で私の出身の秋田県では保育園の数が減っているのです。今まで東西南北という保育園があったのが一つにまとまってしまった。そうすると、保育士は、その地域では保育士として働きたいが、働く場所がない、そういうような事例もあると思うのです。
 神奈川県として、こういう他県に保育士さんの確保に向かっていくという事例といいますか、そういう呼び寄せる施策というのでしょうか、そういうことは今後あるのでしょうか。
次世代育成課長
 県内居住者だけでなく、他の都道府県の居住者であっても、県内の保育所で勤務していただけるために、利用できる施策等は幾つかございます。繰返しになりますが、保育資格を有している有資格者の方であれば、県社会福祉協議会が事業を委託していますかながわ保育士・保育所支援センターに就職登録をしていただければ、県内の保育所に無料で紹介、推薦をいたします。
 また、同じ繰返しになりますが、潜在保育士の方がかながわ保育士・保育所支援センターに求職登録しまして、保育士として県内の保育所等に勤務することが決定または内定している方については、引越し費用などの就職準備金として、1人当たり20万円を上限とする貸付けを実施しているところでございます。

石川(裕)委員
 要望を申し上げます。この待機児童の問題は、以前からずっとこの委員会でも、常任委員会、議会でも言われ続けています。私も質問させていただいていますが、東京都では補助金を月額約4万4,000円、保育士の待遇の確保のために、そういう補助金を積まれている。神奈川県ではそういうことはしませんという御答弁を頂いています。
 環境整備をすると伺っている中で、御答弁を頂いた中では、保育士の確保は難しいと正直思います。ただ、どうやってこれから保育士を確保するのか、やはり行政として、結果が求められると思います。この点については、引き続きほかの委員会等々でまた質問していきたいと思います。