石川(裕)委員
次に、森戸川の水質汚濁に関わる環境基準の見直しについて、質疑をさせていただきたいと思います。
これも先行会派から質疑が行われていますが、視点を変えて質問をさせていただきます。
今回、この環境基準の類型の視点の見直しをするということで御報告がありました。なぜ、この時期にそうなったのか。県が森戸川だけEだから類型指定を上げようと提案したのか。それとも、葉山町から、ほかのところと比べて、ここはEだから、何とか県に類型指定を上げてほしいという提案があったのか、どちらだったのでしょうか。
大気水質課長
 まず、なぜこの時期だったのかということなのです。もともと森戸川の水質状況は、平成22年度に上位類型であるC類型の基準値を超える測定結果が確認されておりましたが、平成23年度以降はずっと継続して基準値を満足しておりました。県では、平成24年度から地元の葉山町と森戸川の上位類型の見直しの検討を開始しておりました。これについて、県から、いつまでもE類型でなくて、類型を上げたらどうでしょうというお話をしました。
その後、水質が改善されるとともに、葉山町からも、葉山町の生活排水処理計画が改定されまして、将来の水質予測でも更なる改善が見込まれるようになったということで、平成28年度になって、葉山町と調整を本格化し、綿密に行ってまいりました。
また、森戸川の支流がある上流域の逗子市にもお話を伺いまして、地元の御理解が得られたということで、今回見直しをしたいということになったものでございます。

石川(裕)委員
この常任委員会に入るまで、この類型指定について耳にしたことがなかったのです。類型指定が上がると、市町村にとってどういうメリットがあるのですか。
大気水質課長
 類型指定がなされると、環境基準が決まります。環境基準は目標になりますので、それで何かが規制されるとか、そういったものはございません。ただ、環境基準の目標が決まりますので、それに沿った形で水質保全を図っていく。したがいまして、町の環境施策についても、それを念頭に進められる形になります。

石川(裕)委員
環境基準の類型指定が上がるということは、例えば、今までEだったところが、Bとか、今回Cに上がると、市町村は、それを守らなければいけなくなる。市町村から見るとハードルが上がってしまうことにはならないのですか。
大気水質課長
 委員のおっしゃるとおりでございます。目標が高くなりますので、そこから余り掛け離れた水質の状況だと、まずいことになります。したがって、類型を見直すに当たって、現状で無理な目標を設定すると困ることになります。実際の水質と見比べながら市と相談して、C類型になったものでございます。

石川(裕)委員
報告資料の見直し案の概要に、将来の水質予測においても、継続してC類型の基準を満足する見込みであると記載されています。
数年、3年後、5年後で環境は変わる可能性があります。例えば工場ができてしまった場合、またすぐ見直しになるわけですか。
大気水質課長
 状況が大きく変われば見直しという可能性あると思います。今回、C類型の引上げに当たって、葉山町からもお話を聞いて、当面上流域に何かができるということではないということと、今回、生活排水処理対策が進むという前提で見直しをさせていただきました。

石川(裕)委員
満足する見込みとして、どういう切り口でC類型まで上げたのですか。
大気水質課長
 葉山町が策定した生活排水処理基本計画において、平成26年度末で生活排水処理率が72.5%なのですが、平成37年度には100%に持っていく計画です。この計画どおり進めば、平成26年度のBODの値は3.3ミリグラム/リットルなのです。半分程度には落ちるという見込みでございます。

石川(裕)委員
葉山町民、逗子市民、県民にとって、この類型指定という言葉は聞き慣れないと思います。目標を立て、この見直しを知ってもらうのに、どういう広報によって伝えていくのでしょうか。
大気水質課長
 確かに、類型指定はなじみがない分野だと思います。県でも広報に登載するのはもちろんですが、ホームページにも類型指定の見直しについて掲載いたしまして、県民の皆さんに広く周知していきたいと思っております。また、葉山町にもホームページ等への掲載を依頼して、地元住民の方々へ周知を図っていただくようにお願いしていきたいと思っております。

 石川(裕)委員
ホームページなどに、いろいろと御掲載いただくということなのです。普段なじむ言葉であれば、分かりやすいと思うのです。多分、ホームページを見ても、硬い行政の文書で書かれると分かりづらいと思います。例えば、かなチャンTVとか、何か漫画のようなものがあるのですか。柔らかく伝えることはできるのですか。
大気水質課長
 かなチャンTVもいろいろ枠があると聞いております。またそれは相談しながら検討していきたいと思います。

石川(裕)委員
是非、柔らかく、柔軟な形で県民、市民、町民の方に伝えていただきたい。BODがどうだと言われてもなかなか分かりません。前回の先行会派の答弁でありましたが、アユがすむとか、そういう具体的な説明をお願いしたいと思います。
報告資料において、入江川とか、B、Cとかいろいろ書いてあるのですが、この入江川から6個、Bにコメ印が付いています。このコメ印は、どういう意味なのか教えてください。普通のBとこのコメ印Bとは何が違うのか分かりやすく説明をいただいてよろしいですか。
大気水質課長
 まず、河川の水質汚濁に関わる環境基準は、参考資料の1に記載されていますように、水素イオン濃度、生物化学的酸素要求量、いわゆるBODです、浮遊物質量、溶存酸素量、大腸菌群数の5項目の基準値に適応されております。このコメ印が付いた水域の河川につきましては、当分の間、この5番目の大腸菌群数の基準を適応しないことにしています。これは、類型指定の見直しを検討した当時、コメ印を付けた河川の流域については、下水道の整備率がほぼ100%までいっているので、追加的な水質改善の対策がとりにくい状況でした。一方で、大腸菌群数の基準は、水道水の取水や水浴びとしての利用目的に対応したもので決められているのです。これらのコメ印の付いた6河川については、そうした利用実態がないので、当時、大腸菌群数による管理が求められることがない状況だったので、コメ印を付けております。
これらのことを踏まえて、このコメ印が付いた6水域の河川については、地元の横須賀市や横浜市とも調整しまして、この大腸菌群数の基準の適応除外の扱いにさせていただいた経緯がございます。

石川(裕)委員
簡単に言えば、BとBのコメ印とはあまり違いがないと受け取ったのですが、そういう受け取り方でよろしいですか。
大気水質課長
 委員おっしゃるとおり、このコメ印が付いた河川と比較して、付いていない同じB類型の河川が10水域ございます。水道の取水などとして使用されているところはございません。利用目的にも大きな違いはなく、水質の状況も余り差がないという状況でございます。

石川(裕)委員
何か県としてこのコメ印を外せない理由があるのでしょうか。これを見ると、横浜市、横須賀市にも該当があるので、横浜市とかとの調整が必要なのですか。
大気水質課長
 当時は、横浜市、横須賀市からもお話があって、河川の利用状況を加味した上で、このコメ印を付けたということでございます。この見直しから15年以上も既に経過しております。委員御指摘の点を念頭に置いて、今後地元の横浜市や横須賀市の類型の取扱いについて調整を行っていきたいと思っております。

石川(裕)委員
今まで調整はなかったのですか。調整をしていく上で、これは外して、全部コメ印になるのか、それともコメ印が全部外れるのか、その辺はどのような感じなのでしょうか。
大気水質課長
 これまで、このコメ印を外そうという議論、調整はなかったと承知しております。また、見直す方向としては、環境基準は目標なので、目標を外すというよりも、むしろみんなそろえてコメ印をとっていくことが、一つ議論の観点と思っております。

石川(裕)委員
類型指定は、見直して終わりということではなくて、この先もあります。そして、環境基準も一つの基準になるということです。横浜市、そして横須賀市と調整していただいて、県民にも市民にも分かりやすい形で推し進めていただきたいと思います。