石川(裕)委員

次に地球温暖化対策について質問させていただきます。
国の計画に対して、1%上乗せして目標を立てていると答弁されておりました。まず、この重点施策について、どのような考え方でこの項目になったのか伺ってよろしいですか。
環境計画課長
 今回の計画では、計画期間を15年間ということで見直しまして、重点施策を位置付けております。
取組施策について様々挙げさせておりますが、その項目の設定の考え方でございます。2030年度の温室効果ガスの削減目標の設定に向けまして、業務部門や家庭部門、それから分野部門という、削減のやり方、施策の体系に沿って重点施策を位置付けております。加えて、重点施策の進捗状況によって、計画の進行管理を行うため、統計データなどにより、実績が把握できるものという視点を踏まえて、項目の設定をしております。

石川(裕)委員
各項目で、今目標数値が設定をされています。
目標の設定について、2020年度までで、例えばこの建築物の省エネルギー化は、2015年は25.6%、2016年は25.7%という形で数字は入っているのですが、ほかのところを見ると、この住宅の省エネルギー化、2016年度の数字は2017年の秋頃把握予定となっています。これはまだ早い方なのです。2016年の環境負荷の少ない自動車等の利用促進とか、もっと遅いのは、フロン排出抑制法の適用運用推進について、2016年度の数字の把握が2019年3月に把握予定になっているのです。今御答弁いただきましたが、目標の数値の把握ができるものとできないものがあるとは思うのです。例えば、2016年のものを2019年の3月に把握して、良かった、悪かったという評価をすると思うのです。何でこんなに目標の設定が遅いのか伺ってもよろしいですか。何か速報値がとれないのですか。
環境計画課長
 データの把握時期の御質問がございました。
具体的に申し上げますと、住宅の省エネルギー化でございますが、県の補助金に加え、国の補助制度も加味しながら統計データを出しておりますので、今年の秋の把握予定になっております。
それから、環境負荷の少ない自動車等の利用促進については、基礎データについて、今入手ができる状況でございます。これにつきましては、速やかに公表を行う形で進めていきたいと考えております。具体的に今、2017年12月と書いてありますが、これよりも前倒しでこのような数値について把握できると考えております。
データにつきましては、国の公表時期がございます。私どもとしては、なるべく早く公表を行いたいところですが、温室効果ガスの排出量推計自体、2年はどうしてもかかってしまう形になります。具体的な数値についてはできるだけ早く公表していくよう努めてまいりますが、どうしても国とのデータの公表時期の関係がございまして、遅くなってしまうものもございます。そういったものにつきましては、例えば、類似するデータ等により取組施策の状況について把握してまいりたいと考えております。

石川(裕)委員
今、御答弁のありました環境負荷の少ない自動車等の利用促進については、データの取り方が別にあったという御答弁だと思います。早目に2015年度の数字を埋めていただきたいと思います。
今回、いろいろ目標を立てている。この進行管理の把握が遅いとそれに対して対策も遅くなっていくわけです。例えば、2016年が2017年秋となったときに、これは、例えば対策を考えるときには、行政の対策について、例えば、住宅の省エネルギー化で、2015年度は723件という数字があがっています。2016年度は2017年秋ごろの把握予定となっているときに、この723件に対して計画を立て、対策を取っているのか。例えば今年度、数字が把握できていないものがあるのですが、何に対して対策を練って、出来ているとか、出来ていないとか、おおむね順調に進んでいるとか出てきますが、どのようにして評価しているのでしょうか。
環境計画課長
 2020年度にそれぞれ重点施策ごとに目標を設定しております。2020年度までにそれぞれ数値目標を置いております。それに向かってどのような状況なのか、毎年度把握しております。先ほどおっしゃったように、把握できないものもございますが、ここにつきましては、直近の社会状況や、できるだけそのときに把握できるデータ等を加味しながら分析しているところでございます。

石川(裕)委員
直近の社会状況や、できるだけデータをとるということです。もしそういうデータをお持ちであるのであれば、速報値とか概算値があると思うのです。その数字をこの表に入れることはできないのですか。
環境計画課長
 この表に入れるかどうかということですが、昨年度策定した計画でございますので、現時点では、この表に加えるということよりも、進行管理を行っていく上で、類似のデータ等を工夫しながら、目標数値の達成のための検討材料にしたいと考えています。

石川(裕)委員
例えば、このZEHの住宅の省エネルギー化というところで、2020年度の目標は3万5,000件です。2015年度は723件です。そうすると、およそ3万4,000件について、本当にこの5年でできるのか、それが質疑の対象になると思うのです。2017年の秋頃把握予定といったときに、今どうなっているのか分からないと、質疑を行うのは難しいと思うのです。例えば2015年は723件だが、今速報値で、例えば1万件だと言われれば、3万5,000件を達成できるかもしれないということが分かるのです。これが、例えばまだ速報値、概算値で1,000件であるのであれば、これに対してどう考えているのか質疑ができると思うのです。行政で、そういう数字を把握していれば、それなりの対策が打てると思いますが、3万5,000件の目標について、今どうなっているのかと聞かれたときに、どうお答えになるのですか。
環境計画課長
 ZEHの数についてですが、ZEHに関しては、エネルギー課が所管しておりますので、詳しいことは承知しておりません。聞いているところによりますと、各住宅メーカー等に対してエネルギー課がヒアリングをしております。最近の傾向では、ZEHは新築住宅の半分以上、トップメーカーですと約7割から8割がZEHで建てられている状況がございます。そういった結果を把握してまいりたいと考えております。

石川(裕)委員
たまたま、ZEHの話になりましたが、ほかの案件もそうです。数字が入っているものは数字が入っていて、すごく分かりやすい。先ほどの水源管理のところでも、数字があるので、計画に対しての話はできたのですが、環境について、具体的な数字の把握が非常に遅くなっているので、なかなか現状が分かりづらいです。対策を行っていかなければいけないし、この後適応策についても質問しますが、適応策も行っていかなければいけない。目標数値を立てる際に、様々な現状を調べていると思うので、速報値とか概算値について、今年は無理かもしれないですが、来年度に導入することはできないのですか。
環境計画課長
 繰り返しになりますが、地球温暖化対策計画につきましては、昨年10月に策定されたものでございます。今後につきましても、進行管理を進めていくということで、県民の意見にも触れながら、この計画の進捗を把握していくわけでございます。そういった中で、一つの考え方として、把握ができないデータに代わって、類似するデータ等をこの重点施策に置くことも含めて検証したいと考えております。

 石川(裕)委員
是非御検討いただきたいと思います。
例えばですが、環境負担の少ない自動車の利用促進でいけば、乗用車に占める次世代自動車の割合となっているから把握が遅いのであれば、次世代自動車はこういうものだと書いてあるわけですから、そういう車が何台出ているのだと話をすればよいと思うのです。台数にすれば、分かりやすくなると思うのです。その辺を御検討いただきたいと思います。
適応策について質問します。我が会派で、国立環境研究所に視察に出かけまして、適応策についていろいろと伺ってまいりました。その研究員の方と様々な意見交換をさせてもらっていた中で、まず国では適応策についてどのように取り組んでいるか説明をいただいてよろしいですか。
環境計画課長
 国の取組でございますが、まず、平成24年度に、環境省において気候変動の観測・予測及び研究評価統合レポートが公表されました。平成26年度には、日本における気候変動による影響の評価に関する報告と今後の課題が取りまとめられました。その後、平成27年3月に中央環境審議会から環境大臣に具申がされまして、同年11月に気候変動の影響への適応計画が閣議決定されました。さらに、昨年度には、気候変動適応情報プラットフォームを開設しまして、政府や地方自治体の適応の取組や気候変動シミュレーションなどの情報発信を行っております。加えて、今年度より3箇年計画でございますが、環境省や農林水産省、国土交通省の連携事業としまして、地域適応コンソーシアム事業に取り組みまして、地域のニーズに沿った気候変動に関する情報収集や地域関係者との連携体制を構築することにしております。

石川(裕)委員
丁寧に御説明をいただきましたが、その中で、国と県はどのような連携の取組をされているのか伺いたいと思います。
環境計画課長
 環境省の平成27年度地方公共団体における気候変動影響評価・適応計画策定等支援事業の支援を受けまして、神奈川県における気候変動の影響を取りまとめました。この支援事業につきましては、全国で11の地方自治体が支援を受けておりまして、本県の適応に関する取組の支援などが、気候変動適応情報プラットフォームで発信されているところでございます。
また、本県では、今年度、国の新規事業である地域適応コンソーシアム事業に応募して採択されております。今後、国立環境研究所などと連携しまして、気候変動の影響に対する具体的な適応策を検討してまいります。

石川(裕)委員
国で採択された地域適応コンソーシアムとは、具体的にどのようなことですか。
環境計画課長
 国内外において、デング熱などの節足動物媒体感染症が問題になっております。今後、気温の上昇によりまして感染症を媒体する蚊やダニの活動が長くなることによって国内流行発生のリスクが高まるということが言われております。その対策を考えることが重要です。
そこで、神奈川県では衛生研究所の提案によりまして、本県の地域内での蚊やダニの発生状況と気温上昇の影響に対する予防策の検討を行いまして、流行発生予防対策に貢献してまいりたいと考えております。

石川(裕)委員
神奈川県で蚊やダニは身近にいるものですから、その辺は調査を行っていただきたいと思うのです。その中で、国立環境研究所のホームページに地方公共団体向けのAプラットフォームがありました。地方公共団体が会員になれるというところなのですが、神奈川県は会員になっているかどうか、まず伺いたいと思います。
環境計画課長
 本県は会員になっております。

石川(裕)委員
その会員になると、どのような情報を得られるのですか。どのような情報を得て、どのような連携があるのか、話せる範囲で伺いたいと思います。
環境計画課長
 このサイトは、おっしゃるとおり自治体向けの情報が発信されております。例えば、昨年度、神奈川県で支援を受けた事業の報告書、それから、適応策についてまだ自治体で分からないところがたくさんございます。そういった各県の適応の取組をこのサイトで載せていると承知しております。

石川(裕)委員
会員になって、具体的に神奈川県が連携をしていく中で、適応策について、ホームページの情報をどう活用されていこうとされているのか伺います。
環境計画課長
 県内では、横浜市、川崎市、相模原市、それから本県におきまして、適応策について基本方針などが策定されております。一方で、その他の市町村においては、適応策の検討が進んでいない状況でございますので、そういった市町村向け、それから、個人や企業の方も役立つ情報が掲載されておりますので、ホームページを通じて理解を深めるよう、周知を図ってまいりたいと考えております。

石川(裕)委員
適応策について、視察先において、北海道でお米がとれるようになったのも、地球温暖化の影響があるのではないか。先行会派で話がありましたが、かんきつ類について和歌山県だけではなく、今、神奈川県でもおいしいミカンがとれるようになったのではないか。そういう話も伺ってまいりました。適応策について理解を広めていっていただきたいと思うのです。今後、県民の方、市民の方、農家の方、漁業をやられている方、そういう方に対してどういう周知をしていこうと思っているのか伺いたいと思います。
環境計画課長
 適応策につきましてはまだ、正直取組が始まったばかりでございます。取り組んでいる自治体も少ない状況でございますが、本県は先駆けて取り組んでいるところでございます。
今後の周知でございますが、今年度、県では近海でよく見られるようになったアイゴなどの暖海性魚介類の加工技術開発を水産技術センターで取り組んでおりますし、農業技術センターでも、イチゴの収穫時期が遅れている。そういったものに対応するために、イチゴの局所冷却技術の確立の研究を行っております。
こうした研究結果をホームページで広く公表しまして、それぞれ関係する団体等を通じ、周知を図ってまいりたいと考えております。

石川(裕)委員
適応策について、本当にスタートしたばかりと伺っています。適応策は、農業やっている方、そして漁業をやっている方、そういうところで使われるようになると、農家の方も便利になるし、漁業やられている方も、魚の採り方が変わってくる。そういうことができると思います。周知を早目にいろいろな意味でやっていっていただきたいというふうに思います。地球温暖化対策計画については、何か元の数字がないと、進んでいるのか進んでいないのか、なかなか見えづらいものがあります。何とかその数字の入れ方を御検討いただきたいと思います。