石川(裕)委員
 次に質問を変えまして、東京オリンピック・パラリンピックについて伺います。
 先行会派からセーリングの件について質問がありましたけれども、私は野球とソフトボールについて少し質問をさせていただきたいと思います。
 まず、野球ですけれども、今回横浜スタジアムが競技会場として決定いたしました。東京オリンピックで、横浜スタジアムが競技会場として決定をしたんですけれども、東京都には東京ドームとか神宮球場がある。千葉県にはQVCマリンフィールド、そういう中でなぜ横浜スタジアムが選ばれたんでしょうか。
オリンピック・パラリンピック課長
 東京2020大会の競技会場でございますが、組織委員会のプレゼンテーションを受けて、IOC、国際オリンピック委員会でございますけれども、この理事会で決定されます。この決定の過程で、組織委員会から横浜スタジアムの選定についての説明はありませんでした。また、その後も横浜スタジアムが選ばれた理由について組織委員会に照会しましたけれども、公表していないとのことです。なお、報道によりますと、選手村からの距離が近いですとか、関係諸室やセキュリティなど会場周辺のスペースが確保しやすいなどの理由が報道されております。

石川(裕)委員
 その報道は私も確認をいたしました。警備体制等々が東京ドームや神宮球場、その中のところから比較すると、横浜スタジアムは比較的確保しやすいといいますか、警備体制が受け入れやすいということなんですけれども、それを県としてはまだ正式に受けていないということですか。それを受けていれば、きちんとこちらも体制を組まなければいけないと思うんですけれども、それは報道ベースでしかまだ分からないんですか。
オリンピック・パラリンピック課長
 横浜スタジアムが主会場に選定されたということについては、もちろん組織委員会から連絡を受けております。ただし、その理由については聞かされておりません。

石川(裕)委員
 そういう中で、受入体制は整備していかなければいけないですし、報道等によれば、テロ対策とかそういうことも含めて横浜スタジアムが良かったということで選ばれたと私も報道で認識しています。
 そういう中で、この横浜スタジアムに当然、今、横浜DeNAベイスターズが本拠地として使われていますけれども、先ほどのセーリングのときには漁業の補償の問題がありました。今度は野球ですが、当然夏のオリンピックのシーズンは野球もピークのシーズン、野球に対してのそういう補償はどういう形になっているのか。若しくは、これがまた組織委員会なんかという、先ほどの議論もありましたけれども、まず補償があるのかないのか。そういう点はどうなるんですか。
オリンピック・パラリンピック課長
 補償につきましても、現在補償について費用負担・役割分担をやっておりますけれども、どこまで補償があるのか詳細は決まっておりません。

石川(裕)委員
 詳細が決まっていない中で、県も当然支払うつもりもないし、決まっていないことだから我関せずというか、その推移を見守るという形になると思うんですけれども、そういう中で、セーリングとどうしても比較してしまうんです。仮設の費用は県が負担します。恒久施設は組織委員会や東京都ということで理解をしているんですけれども、横浜スタジアムはそういう仮設とかそういうものはあるんでしょうか。
オリンピック・パラリンピック課長
 今、仮設施設があるかというお問い合わせでございましたけれども、それぞれの会場にはオリンピック仕様に合わせて、それぞれオーバーレイというオリンピック仕様に合わせる形にしなければいけませんので、当然仮設施設の整備はあると思っております。

石川(裕)委員
 その仮設費用は組織委員会の分担ということで理解しました。例えばオリンピックに向けた施設の改修で、それが結果として恒久的になる場合はどうなるんですか。
オリンピック・パラリンピック課長
 結果的に恒久になる場合というのは、我々はなかなか想定しない部分でありますので、恒久施設として整備する中で、大会後も残す恒久施設として整備するものについては、その施設所有者の負担になると考えております。

石川(裕)委員
 県の費用はないという理解でよろしいですか。
オリンピック・パラリンピック課長
 今、恒久施設についての問い合わせかと思いますけれども、横浜スタジアムにつきましては横浜市所有でございますので、恒久施設の費用を県として負担するということは考えておりません。

石川(裕)委員
 次に、サッカーも行われますので、サッカーについて伺いたいと思いますけれども、同じくサッカーの場合は札幌市とか宮城県とか、いろんなところでやられるという中で聞いています。その中で、このオリンピックでのサッカーは、横浜国際総合競技場で何試合ぐらいやる予定なんですか。
オリンピック・パラリンピック課長
 野球につきましても今福島県で行うという話がございますけれども、サッカーにつきましても、どこの会場をどういうふうに使用するかということについては現在協議中になっておりまして、横浜国際総合競技場で何試合するかというところはまだ全然決まっておりません。

石川(裕)委員
 オリンピックに向けて、野球にしてもサッカーにしてもまだ何試合やるかは分からない。どれぐらいの観戦客プラス観光客の方が来るかは分からない。そういう中で警備体制等々も考えていかなければいけないと思うんです。そういう中で、セーリングは気運醸成のためにいろいろアクションを起こされている。いろいろされていると思うんです。野球とかサッカーの気運醸成は何かやられる予定はあるのか。
オリンピック・パラリンピック課長
 野球については、まだ現在気運醸成の取組をやっていく予定はございませんが、大会全体の気運醸成については、1,000日前イベント等を通じて行っていきたいと思っております。県としましては、セーリングの認知度の向上という取組がまずは必要だと思っております。

石川(裕)委員
 セーリングの認知度ということですが、例えばソフトボールも横浜スタジアムがメーンとなります。ソフトボールの気運醸成はどうでしょうか。
オリンピック・パラリンピック課長
 野球と同様にやっていくべきものだと思っております。

石川(裕)委員
 セーリングがたまたま先に決定をしていたから、今セーリングを中心に置いているのは十分理解はするんですけれども、普通に考えると、セーリングだけなぜ特別なんだということです。神奈川県では、オリンピックはほかに野球、ソフトボール、サッカーもやる。神奈川県においてはセーリングだけセーリング課までできるわけです。質問を変えますけれども、そうしたら野球課とかソフトボール課とか、そういうものをつくられる予定があるのか伺いたい。
オリンピック・パラリンピック課長
 大会に向けた気運の醸成でございますけれども、セーリング競技の気運醸成も含めオリンピック・パラリンピック課で行ってまいります。新しく設置するセーリング課でございますけれども、江の島会場の準備ですとか、レース海面の選定に係る様々な課題、例えば既存艇の移動ですとか漁業者との調整など、今後解決すべき多くの課題に取り組むため設置するものでございます。野球、ソフトボール、サッカーは、気運醸成も含めオリンピック・パラリンピック課で行ってまいります。

石川(裕)委員
 なぜセーリングだけ特別なのでしょうか。
オリンピック・パラリンピック課長
 セーリングにつきましては、県営のヨットハーバーがございます。まずはセーリングの認知度の向上に取り組んでいきたいと思っております。

石川(裕)委員
 すみません、しつこいようで恐縮なんですけれども、なぜセーリングのみ特別なのでしょうか。
オリンピック・パラリンピック課長
 やはりセーリングは競技としての認知度が、野球、ソフトやサッカーといった部分に比べていま一つの部分がございます。まずはその底上げの部分をやっていくのが先だと思っております。
スポーツ課長
 県内のスポーツのそれぞれの状況を見ますと、全体としては、スポーツ全般として広げていきたいということはあるんですが、一例を申し上げますと、野球連盟はアマチュアだけですけれども、プロは入らなくて、県内で会員としては約7万3,000人強いらっしゃいます。サッカーだと4万8,000人、それからソフトボールも1万3,000人。それに対しまして、セーリングですと900弱人という状況にあります。神奈川県でセーリングをやるということでありますから、神奈川県の中でしっかりと盛り上げていく必要があると考えております。オリンピック・パラリンピック課、それからスポーツ課、合わせてセーリングについては県内でしっかりと県民の皆様に浸透させていく必要があると考えております。

石川(裕)委員
 サッカー、野球は確かにメジャーといいますか、いろいろやられている方も多いです。セーリングの競技人口が今少ないということで、気運醸成をしなければいけないということなんです。そこをどこまで県が本当に負担してやらなければいけないのか。県税を使ってやっているわけです。セーリング競技に特化してやるということは、確かに必要な部分もありますけれども、やはりある程度限度が必要だと思うんです。特別扱いすることは、ほかの競技はどうなんだということになってしまいかねない。セーリング課までつくる。そして、県税を使ってヨットハーバーも整備する。もう正直セーリングだけ特別なイメージになってしまうわけです。その点について、どう県民に御説明されるのか伺います。
オリンピック・パラリンピック担当部長
 まず、本県がセーリングの競技について今取り組んでいるのは、そもそも湘南港が県の施設であるということ、それから、このセーリングの会場がもともと東京都の若洲が予定されておりましたが、これを見直す段階で、神奈川県がセーリング会場として江の島を候補地としてアピールした。そういった経過がございます。江の島がその会場に選ばれた後、具体的な会場整備ですとか、それから大会として利用するために艇の利用者に対して働き掛けして、様々な調整を進めています。それから、併せまして気運醸成のため、盛り上げるための様々な取組を中心にやっております。
 一方で、野球、ソフトボールの会場である横浜スタジアム、サッカーの会場である横浜国際総合競技場は横浜市の施設であるということ、それから、この決定に当たって私どもが積極的に誘致をしたということではないということ、これが大きく違う点であると思います。神奈川県の責任として誘致をし、会場として江の島に決めていただいた。神奈川県の責任が非常に重大だと考えております。この2会場と横浜、江の島の会場の違い、県の取組の差はそこにあると思います。

石川(裕)委員
 非常に分かりやすく御説明をいただきましてありがとうございます。とても理解いたしました。
 江の島でやる。そして横浜と新横浜でやる、横浜国際総合競技場でもサッカーをやる。いろいろありますけれども、ボランティアのことについて伺いたいんですけれども、当然、東京オリンピックでボランティアの募集もあります。ただし、ボランティアの方が神奈川県のセーリング会場である江の島へ来て、若しくは横浜スタジアムに来て、また横浜国際総合競技場に来る。東京都で募集したボランティア、組織委員会のボランティアがそういう各競技に対して、派遣されてくるものなのか、それとも神奈川県はそれを受けて独自でボランティアを募集するのか。そこら辺について伺いたいと思います。
オリンピック・パラリンピック課長
 大会の運営に直接携わるボランティアにつきましては、江の島会場を含めまして組織委員会が主体となって募集をすることになっております。まだ詳細は決まっておりません。本県としては、多くの県民の皆さんがボランティアとして参加して、大会を大いに盛り上げてくださることを期待しております。組織委員会によるボランティアの募集が開始される際には、県民の皆さんが数多く参加していただけるよう、組織委員会と連携しながら募集に協力してまいります。

石川(裕)委員
 組織委員会の募集に協力はしていくけれども、県としては別に募集する予定はないということですか。
オリンピック・パラリンピック課長
 大会の運営、競技の運営に直接携わるボランティアについてはそのとおりでございます。

石川(裕)委員
 交通整理とか、例えばツーリズムとか、そういうボランティアの募集は神奈川県として予定はあるんですか。
オリンピック・パラリンピック課長
 観光案内ですとか交通案内を担うボランティアの募集は、都内については東京都が主体となりますが、本県を含めた東京都外の各自治体も国内外から訪れる多くの観光客ですとか観客の方々をおもてなしができるようしっかり対応を行っていく必要がございます。そのためには、東京都をはじめ県内市町村や隣接する自治体ともしっかり連携を図りながら取り組んでまいりたいと思っております。具体的な連携の仕方については、今後、東京都を中心として関係する自治体と調整を進めてまいりたいと思っております。

石川(裕)委員
 県としては募集するのかしないのか。
オリンピック・パラリンピック課長
 今後、周辺の自治体がどういう形で募集運営をしていくのかとか、そういった状況も周辺自治体と調整しながらやっていきたいと思っておりますので、現在のところ未定でございます。

石川(裕)委員
 あともう一つ、費用の問題について伺います。
 昨年の年末なんですけれども、黒岩知事がテレビに出られて、オリンピックの費用のことについて、番組で取り上げられています。そのときにあるタレントさんが、アメリカは契約社会と言われていて、こういう契約が入っていなければ、そんなのもうルール以外だから負担しないと言えばいいのではないかという発言をされて、黒岩知事は、私はそれを言っているんだといった。先行会派の質問に繰返しになりますけれども、黒岩知事はテレビでそのように発言をされている中で、もしこれで費用がかかると言われたら、神奈川県としてきっぱりはねつける。こういう姿勢でよろしいんですか。
セーリング競技担当課長
 役割分担・費用負担については、神奈川県の考え方としては、神奈川県をはじめとして周辺の関係する自治体の共通でございますけれども、仮設施設それから大会の運営費用については組織委員会等が負担する。神奈川県については、例えばセーリング会場である湘南港の恒久施設等については、これは施設所有者である神奈川県が責任を持って行うという考えに立っております。どういう話が来るかというのは分かりませんけれども、現在のところ、その役割分担・費用負担の原則論以外の考え方は想定をしておりません。

石川(裕)委員
 是非その強い思いを持ってほしい。いろんな交渉があると思いますけれども、はねのけていただきたいと思います。