石川(裕)委員
 続きまして、働き方改革についてですが、これも我が会派から代表質問がありましたが、それを受けまして質問させていただきます。
 平成27年度、過労死ラインとされる月80時間を超えて時間外勤務を行った職員が延べ人数で218人、年間で1,000時間を超えて時間外勤務を命じられた職員が2名いたなど、具体的な答弁がありました。具体的に伺いたいんですが、この残業時間が部局による偏りみたいなものがあるのか、若しくはこの人だけ残業が突出して多いというようなことがあるのか、この2点について伺います。
人事企画担当課長
 本会議の方で知事から、昨年度ですが、月80時間を超えた延べ218人というお答えをさせていただきました。それから、1,000時間を超えた職員は2名ということです。御質問の、所属なのか個人なのかといろいろありますが、やはり全庁調整が主立った仕事になってくる財政課とか人事課とか、そういったところが多いという傾向はございます。

石川(裕)委員
 今の御答弁を受けて、財政課と人事課の方、この残業時間の偏りがあると言われた課の現状を御報告いただけますか。
財政課長
 従来から、予算編成については非常に時間外が多いというふうに言われてきたところです。そうしたことから予算編成業務を本年度当初からも見直しを図ってまいりました。具体的には、この間、事前点検を毎年行っているんですが、そういった対象の件数を部局の方に移動し、件数を削減したり、あと予算査定の段階に応じて提出を求めている調査物、そういったものも項目や調査回数を減らすなどして、業務の軽減を図ってきたところです。また、例年予算編成を11月以降行っておりますが、財政課長調整とか総務局長調整、その際も夜中まで査定をしていたんですが、今年度については、21時までに基本的に終わらせる。そういった調整時間の大幅な縮減によって、全庁的な予算編成作業を軽減させることができたというふうに考えてございます。この後、各局の意見を聞きながらこうした見直しを行っていくことによって、予算編成の効率化、時間外の縮減に取り組んでいきたいと考えてございます。
人事課長
 人事課の全庁の調整を含めて、あとまた、時期的に人事業務の時期になりますと集中して行わなければいけないということで、どうしても残業が多くなる傾向にある職場であります。同じように、人事課の業務の効率化ということを今年度やりまして、各局にも人事担当がおりますので、そこでの状況もあるということで、例えば人事業務に利用する帳票類をなるべく少なくして統一化したりとかということもやっていますし、あと、人事課の職員についてもめり張りをつけて、休めるときにはきちんと休むとか、定時退社をするとかということ、それから今年度からタイムマネジメントということで、全庁的に一人一人の担当者の残業任せにしないということで、組織としてマネジメントしていくということを徹底していくということをやっておりますので、人事課でも、今日、本当にどこまでやらなければいけないのかということをグループでもきちんとマネジメントして、明らかに今年度は減ってきつつあるという状況でございます。

石川(裕)委員
 今、財政課、そして人事課の課長がいらっしゃったので伺いましたが、そういう中で、人員削減が残業増加につながっているというような御指摘をする方もいらっしゃるんですが、そういう意味で、県庁全体として適切な人員配置というのはどういうふうにされているのか伺います。
人事企画担当課長
 人員配置のお話ですが、職員数は平成9年度から比べましても1万3,000人規模あったものが、今7,000人規模というところです。しかしながら、一方では業務も減らしながら人も減っているという側面がございます。今の残業のお話も全ての所属が同じように一様に忙しいかというと、そうではなくて、やはり業務の特性によって忙しい所属が少し偏っているという傾向もございます。そうした中で、限られた人員と財源の中でどういうふうに業務をリバランスしていくか、人員をリバランスしていくかということが大事でございまして、各所属の状況を各局の人事担当を含めてよくヒアリングをして、来年度の仕事がどうなのか、職員の状況がどうなのか、ヒアリングをしながら適正な配置ということを調整をして、丁寧に聞き取って調整をしてきているという状況です。

石川(裕)委員
 それは今までもやられてきて、結果、そういう80時間を超えた218人、延べですがいらっしゃったり、1,000時間を超えた方も2名いたりと当然それをやられた上でも、まだこういうことがあったということだというふうに私は思っています。これだけ多くの職員が過労死ラインを超えて残業を命じられた、意欲的になのかもしれませんが、これはまず、担当局としてどのように考えられているのか伺います。
人事企画担当課長
 多くの職員が時間外をして職務に当たっているという状況です。この時間外勤務縮減の取組自体は、随分昔から取り組んできてございますが、これまで効果的にできていたかというと、必ずしもそうではないというふうに考えております。県庁の職員は、一人一人責任感と頑張りを持って業務に当たってくれていて、そこに支えられているという面も否めないというところはございます。しかしながら、当然のことですが、職員の心身の健康を守る、あるいはワークライフバランスを実現するという観点からは、長時間労働を前提とした働き方というのは、もう見直さなければいけないというふうに考えているところです。特に、この過労死ラインを超えて時間外勤務を行う職員というのは解消しなければいけない、ここは喫緊の課題であると認識しております。

石川(裕)委員
 そういう中で、私もサラリーマンを約20年くらいやってまいりましたので、そのことの経験も踏まえて少し伺いたいんですが、1,000時間を超えて勤務されていた方が2人いらっしゃったということであります。よくあるのは、職に対して残業がついているのか、人に対して残業がついているのか。職について残業があるんであれば、そこは人を増やすなりということができると思うんですが、その人ではないとできない、その人に頼むということで残業になってしまうという部分があると思うんですが、この1,000時間を超えた職員というのは、どちらのタイプだったんでしょうか。
人事企画担当課長
 どちらのタイプということはよく分かりませんが、1,000時間を超えて時間外勤務を行った職員は、主に財政調整業務ということです。そのうち、今年度については、その1,000時間を超えた職員もそれほど多くないというか、これまでのペースのような残業時間ではないというふうな報告も受けているところであります。

石川(裕)委員
 どちらのタイプか分かりませんと言われてしまうと、何を調査しているんだと思います。1,000時間を超えているのに、どういう聞き取りをしているんだと思います。その職に対して残業があるんであれば、さっき言ったように、それでは人員を配置しなければいけないではないですか。それを分からないというのはどういうことなんですか。
人事企画担当課長
 人員配置においては、本県では仕事に対して人を付けているという考え方です。そうした中にあっても、そのときの限られた人員の中でのリバランスをして業務に当たっていただいている。繁閑においては多くの時間外勤務を生じるということがこれまでございまして、それは事実ですし、そこは解消しないといけないと考えてございます。今も朝夕のミーティングですとか、所属におけるマネジメントを徹底していこうということで取り組んでいるところです。これまで十分にヒアリングをしながら、適正配置に努めるという姿勢でやってきてはいるものの、年度途中の業務の膨らみでありますとか、災害対応でありますとか、あるいはやはり仕事をしていく上で、所属としてきちんとマネジメントをしてこれたのか、し切れてきたのかというところには課題を残していると思いますので、今後そうしたところを徹底して取り組んでいくというふうに考えております。

石川(裕)委員
 その職務について残業がついているんであれば、そこはやっぱり人を付けてでも、いろいろ工夫をされてやはりそこは見直していかなければ、これは県でできることでありますから、それはやっていかなければいけないと思います。その中で、今朝夕のミーティングが功を奏しているようなお話がありましたが、このミーティングで何が功を奏しているというふうに理解しているんですか。
人事企画担当課長
 今やっている朝夕のミーティングの一番の効果としましては、それぞれの仕事を抱えている職員の状況をその時点でしっかりと把握をして、その所属の中でリバランスができる、あるいは仕事の優先順位をグループリーダーが中心となって、コントロールをしていくといったところが機能していると考えてございます。

石川(裕)委員
 そういう中で、行政改革大綱の点検報告書の中の平成29年度の取組方向として、議論することや考えを深めること、納得するということが掲げられています。これは具体的にどういうことをするのか伺います。
行政管理課長
 行政組織の総合力を高めるためには、職員が高いモチベーションを持って能力を最大限発揮し、そうした力を結集していくことが重要という認識です。昨年末に知事とグループリーダーと議論の場ということで議論をしたわけですが、その中で職員から、やらされ感というものを感じるといった意見がございました。これはコミュニケーション不足などによりまして、業務の趣旨や目的がきちんと共有できていないという、こういった課題が浮き彫りになりました。やらされ感で仕事をしているということでは、高いモチベーションとはかけ離れたことになってしまいます。こうしたことから、こういった職員のモチベーションを高めて、一つ一つの業務をより良いものとしていくためには、職員同士あるいは職員と幹部職員との間できちんと議論をし、皆が考えて納得していく、こういったことを徹底していかなければいけないということでの考えです。

石川(裕)委員
 その中で今回、平成28年度の点検報告書(案)の中でスマート県庁大作戦と名称されて、仕事の見える化シートの作成、仕事のやり方に関するルールの改定と周知徹底とありますが、その成果についても報告されています。まず、この仕事の見える化シートの目的というものをどう捉えているのか伺います。
スマート県庁推進課長
 仕事の見える化シートですが、職員一人一人が自分の業務分担について、実際の業務作業の内容が誰にでも分かるようにするとともに、予定と実績を記録するといったもので、業務に係る手順と理論を見える化していこうといったものです。これまで業務の進捗管理というのは、各課、各グループが独自のやり方で行っていたといった現状でございましたが、この見える化シートということを徹底することによりまして、全庁的に意識が統一されまして、職員が異動した場合には戸惑うことなく事業の全体像の把握ができ、円滑な業務の進行につながると考えています。

石川(裕)委員
 やらされ感という言葉があります。その解消の一つとして、成果を評価基準に取り入れたという評価がありますが、評価基準の立て方、そして成果の目標の立て方の基準、若しくはその基準を立てるに当たって、何か指導みたいなものはあるんでしょうか。
人事企画担当課長
 人事評価については、昨年の9月に評価の基準として、期待し、求められる水準というものを具体的な行動例として示して、それを基に評価をしております。その中で昨年改正いたしましたのは、業務プロセスの最適化などを図るとか、成果につながる創意工夫や業務改善となったこと、あるいは規定の勤務時間内で業務を処理するなど時間的観念を持って仕事を遂行したといったようなことを評価するということを、ここにしっかりと盛り込んだということであります。また、平成29年度から面接の機会を職員が3回持つことにいたしました。ここでしっかりと年度当初から目標を共有してもらって、その目標がどうなったのかということを職員と管理監督者が面接の機会で確認し合うといったことをもって、そこを成果ということの確認にもしていきたいというふうに考えてございます。

石川(裕)委員
 今、職員の方と3回面接をするということですが、これは当然時間内でやられるということでよいでしょうか。
事企画担当課長
 時間内です。

石川(裕)委員
 そういう中で、グループリーダーを中心に課内で目的というのを共有されるということなんですが、そういう中で見える化シートも使われているということでありました。この見える化シートなんですが、この時期は忙しいよね、こういうときは大変だったよねというような、それをグループというか、そこで共有して忘れないようにしていくというか、来年度に使われるというようなこともあると思うんですが、これ、ただの理論的に使われるのでは、私は意味がないと思うんです。そういう中で、このシートをそうやって見える化することによって、今後どのようにこの見えるシートを使っていこうとされているのか、活用していこうとされているのか伺います。
スマート県庁推進課長
 理論的に使うというところもあるかもしれませんが、見える化シートは予定と実績ということになります。したがいまして、この先、今後の業務の予定というものを立てる中にあって、そういったところで今後どのように業務が増えていくとか、こういうことはどういうことになっていくかということを、できるだけそういうものを見ながら業務の適正な配分ですとか、平準化ですとかというふうに活用できるものだと思ってございます。

石川(裕)委員
 また少し視点を変えますが、働き方改革推進本部を設置されたということであります。まず、体制は整えられたということですが、体制だけ整えても意味はないので、その目的として職員のワークライフバランスとか効果的・効率的な働き方を推進し、行政組織の総合力を高めるとされています。具体的にどういうことをされるのかということと、またKPIのような目標数値化の計画みたいなものはあるのか伺います。
行政管理課長
 推進本部の中では、今言われましたように時間外勤務の縮減など総労働時間の縮減に関することが主な課題になってまいります。それで、実際に中身ですが、まず、この推進本部は定期的には開催いたしますが、その下に副知事をトップとする調整会議というものを設置いたします。これは原則として毎月開催していきたいというふうに思っておりまして、この中では実際にそれぞれの局での取組について、こういった取組があったがこうだったといった、そんな検証を繰り返してやっていきたいというふうに思っております。こういったことで、その取組を検証することによって、ではこれはうまくいったから全庁に展開していこうだとかというようなことで、柔軟な見直しも図っていきたいと思っておりまして、このような形で働き方改革推進本部を回していきたいというふうに考えてございます。

石川(裕)委員
 目標の数値化は計画はされているのか伺います。
行政管理課長
 まず、前回、1回目を開いたわけですが、次回は新年度に入って早々ということで、新年度に入って早々に第2回目を開催するということで合意がされてございます。それで、新年度に入りましたら、新たな取組方針などについて決定をしていこうということです。ただ、数値目標になるかどうかについては、まだこれから検討するということです。取組の目標を新年度に入って早々に取組の方針を決めていくということです。

石川(裕)委員
 そういう中で、時間外勤務の削減に向けて取り組むというのは、先ほどの答弁でもありましたが、前から言われ続けてきて、そして残念ながら結果がついてこなかった。まず、何が原因でこれができなかったと考えているのか。そして、その課題を受けて今後どのように取り組んでいくのか。そしてもう一つ、素朴な疑問なんですが、当然これ時間外勤務の手当が出ていると思うんです。これってどれぐらい時間外勤務で残業手当として、これは年間どれぐらい支出されているのか伺います。
人事企画担当課長
 まず、これまでどうしてうまくいかなかったのかというところです。これまで総労働時間の短縮に向けて午後9時以降の時間外禁止でありますとか、ノー残業日の徹底ですとか、様々な取組は進めてきているところです。それがうまくいかなかった要因というのは幾つかあると思いますが、一つは風土と申しますか、仕事がある以上、時間外勤務をしてでも終わらせるんだという、ある意味、当然の責任感ということではありますが、そういう仕事に職員が取り組んでいる中で、管理監督者がその職員の状況をしっかりと把握をして、組織的にその業務、時間外を含めてしっかりとマネジメントをしてこれたかというと、必ずしもそうではなかった。まずはそこを徹底していくということです。それから、もう一方では、その時間外勤務の縮減、あるいはノー残業デーの定時退庁のためには、職員が自発的に自らが効率化を図っていくといった風土を一緒に築き上げていくということが必要であろうと考えております。
 したがいまして、新たな推進本部の中でも、職員の意見も聞きながらまずやってみようということで、できることを実践していくというようなことなのかなと考えているところです。
人事課長
 時間外手当のお尋ねがございました。平成29年度に向けて現在約30億円を計上しております。

石川(裕)委員
 平成29年度の計上は30億円ということです。これから働き方改革推進本部で検討がされるということですので、これはしっかりと着実に進めていただきたいということと、今後、改善度合いというものもしっかりと実行させていただきたいと思います。