石川(裕)委員
 我が会派の代表質問で取り上げました、神奈川県科学技術政策大綱について伺います。
 この代表質問の答弁の中で、知事から、県の特許等を活用した企業の製品売上高等、新たに指標を大綱の中に設定することにより、科学技術政策の現状を把握できるように引き続き政策の改善につなげるとの答弁があった中で質問させていただきますが、まず、指標というものはどういうものなのか確認をさせてください。
政策調整担当課長
 指標ですが、物事を判断したり、評価するための目印になるものというものです。大綱素案では、県内に居住する研究者数、県試験研究機関等の共同研究件数、県の特許等を活用した企業の製品売上高、理科を好きと回答する県内小中学生の割合など、新たに指標を設定し、これらを定量的に把握することとしております。
 これらの指標は、一つ一つを単体で見るのではなく、全体として指標の変化を端的に検証していきたいと考えております。これにより、科学技術政策の現状を分かりやすく示すとともに、政策の改善に努めていきたいと考えております。

石川(裕)委員
 そのいろいろな研究者数だとかありますが、そういう具体的な項目というのは、どういう考え方で決定をしたのか伺います。
政策調整担当課長
 項目の選定については、科学技術の土台となります研究、それから研究の成果である知的財産、それから情報発信・理解増進、この三つの分野から県全体の科学技術活動状況及び県の科学技術政策の主たる推進機関であります県試験研究機関等の活動状況を把握するという観点から、代表と思われる項目を選定したところです。

石川(裕)委員
 具体的に伺いますが、この指標の中で、研究者の数というものがあります。これは、県内に居住する研究者数ということですが、この研究者数の県内在住の数というのは、どうやって把握するのかということと、例えばこれ、県に住んでいるが、東京都に通っているとか、若しくは他府県に通っているとかという場合、これはどういう捉え方になるのでしょうか。
政策調整担当課長
 まず、把握ですが、基本的に統計データから把握することを考えております。この研究者数については、国勢調査の数値から把握できる数値です。なお、後段の御質問ですが、お住いの方が東京に行かれている場合もあります。それについては、残念ながら把握できないと思われます。

石川(裕)委員
 国勢調査でその書くところに、私は研究者ですというような項目があって、それを把握して、今1万6,000人という数字が出ていますが、そういう数字を出すということで、これは例えば、繰り返しになりますが、都心に出ていようが、他府県に出ていようが、それは数字として、ある一つの指標だという捉え方でよろしいですか。
政策調整担当課長
 指標の活用の仕方としては、やはりこの科学技術政策のトレンドと言いますか、それを把握することが一つの目標ですので、ここの、例えばこの年度がこれだったからと、その絶対値というよりは、過年度からの傾向を見るということをまず主眼に置いていけたらと思っていますので、例えば県内に居住する研究者数、同じ統計の中で減っているのであれば、何かそこに原因があるのかと、そういったことを分析するために使いたいというふうに考えております。

石川(裕)委員
 その指標というところで、その研究者数というところが、具体的にそれでは神奈川県に研究者の方に住んでもらいたいというような政策大綱の中にそういうことを入れていくという認識になってしまうのかなと思うのですが、その点はまた後日質問させていただきたいと思いますが、指標は出しますが目標値というのは設定しないのですか。
政策調整担当課長
 科学技術の基盤をなします研究活動は、必ずしも全てが成功するわけでもなく、試行錯誤の中から成果を見出す活動というもので、不確実性を伴うものです。また、一般的に最初の発見が成果に結び付くには、ある程度長期的な取組が必要となります。さらに、多様で独創的な方向によることが重要でその成果の表れ方も多様であります。
 そうしたことから、例えば道路を何メートル造るとか、そういったことと違って、一律に科学技術政策の場合は、目標値を立てるにはなじまないというふうに考えております。このため大綱素案では、目標値を定めるのではなく、複数の指標を選定し、科学技術政策の進捗状況を全体として定量的に把握し、政策の改善に結び付けたいと考えているところです。

石川(裕)委員
 そういう中で、有識者で構成される科学技術会議というものが行ったということですが、そういう意味での意見というのはなかったですか。
政策調整担当課長
 有識者で構成されます科学技術会議では、数値目標については、研究は成果が出るまで相当の時間がかかるため、科学技術政策に関する数値目標の設定は難しいですとか、あるいは、目標を低く設定してしまうことや、数値をクリアすること自体が目的化してしまうといった側面もあるといった意見がありました。
 一方、指標については、指標を設定し、科学技術政策の活動を見ていくことは必要である。神奈川の特徴を分かりやすくすることにより見える化ができるといったような意見を頂いたところです。

石川(裕)委員
 確かに科学技術というのは、すぐに答えが出るものではないということは十分理解をしているのですが、その目標はない。では、指標をどういうふうに今後活用していくか伺います。
政策調整担当課長
 外部の有識者で構成されます科学技術会議に今回選定しました指標やあるいは各政策部で上げた事業みたいなものも進捗状況を定期的に報告し、課題の整理やその解決に向けた方策について助言を頂き、政策の推進に生かしていきます。
 また、指標については、県民に公表することで科学技術政策の現状を分かりやすく示してまいりたいと考えております。

石川(裕)委員
 科学技術の政策大綱について要望を申し上げますが、やはり分かりづらい、さきの委員会でも質疑しましたが、なかなか県民にとって分かりにくい部分というのもありますので、そこに政策が見える形といいますか、分かりやすい面で是非指標を適切に活用していただいて、政策の改善につなげていっていただきたいと思います。