石川(裕)委員
 次に、神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略2015年度評価報告書(案)について質問させていただきます。
 まち・ひと・しごと総合戦略を確実に推進するために実施した施策、企業の成果、課題をしっかりと分析して、必要な改善、見直しを図っていくことが重要だと思います。
 そこで、今回、この評価報告書について何点か伺ってまいります。
 まず一つ目に、この評価、県の事業部が一次評価を行って、そしてこれを踏まえて神奈川県地方創生推進会議が第三者の立場から二次評価を行うということですが、具体的にまずどのようなプロセスで取りまとめたのか伺います。
総合政策課長
 総合戦略の評価については、今年の1月27日開催の神奈川県地方創生推進会議において、戦略策定後の進行管理について議論をさせていただきました。ここで、平成28年度の中心会議で評価検証を実施するということ、あるいは具体的には、推進会議の下に部会を設置し、集中的に議論をした上で全体の会議でオーソライズをする。こんなことを了承していただいたところでございます。
 具体的な作業については、今年の3月に総合戦略を策定した後、5月に国からも進行管理に関する意見なども頂きました。その上で6月に全庁に対して作業を依頼し、県も事業部局による一次評価を取りまとめる作業をしたということでございます。
 その後、神奈川県地方創生推進会議の下に設置をしました推進評価部会を今年の8月9日と12日に開催させていただきまして、平成27年度の評価結果について整理をいたしました。神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略2015年度評価報告書(案)について議論をさせていただいたところでございます。

石川(裕)委員
 今出てきました神奈川県地方創生推進会議はどういう会議なのか伺います。
総合政策課長
 総合戦略の策定に当たりましては、産業界、それから市町村や国の関係行政機関、教育機関、金融機関、労働団体、メディアなど、いわゆる産官学金労言と言われていますが、それで構成をする推進組織の設置が国からも要請をされていたということでございます。
 また、総合戦略の効果検証に際しましても、その妥当性や客観性を担保するため、行政の中だけで行うのではなくて、こうした推進組織を活用することが重要であるということも国から示されました。
 そこで、本県でも地方創生の推進に当たりまして、広く関係者の意見を反映させるため神奈川県地方創生推進会議というものを設置させていただき、総合戦略策定や評価を伺っているところでございます。

石川(裕)委員
 この後も評価のところは質問させていただきますが、今、第三者的な目でという形でこの会議が行われているということなんですが、まず地方創生推進会議の意義というのは、産学官というのは分かりますが、具体的にどうやって選考されたんですか。
総合政策課長
 今申し上げました産学官金労言の各分野において、本県の課題に精通された方、あるいは県内の事業者の方、全国レベルで活躍される学識経験者の方、そのほか公募委員など、バランスが良くなるよう考えまして構成をさせていただきました。
 まず、産業経済の分野ですが、国際戦略ですとか観光振興、農林水産業、地域活性化、文化振興など、県内経済の活性化の観点から遂行させていただきました。例えば地域活性化ということに当たりましては、人口減少が既に進んでいる県西地域や三浦半島地域に関連の深い方、そういった方を選考させていただいきました。
 このほか経済団体等からは、御推薦を頂くというような形をとらせていただきました。国とか市町村の分野については、例えば市長会あるいは町村会から御推薦をいただくというようなことをさせていただきました。大学研究機関、学の部分ですが、この分野では、県全体の政策に知見のある総合計画審議会の副会長の方に地方創生推進会議の座長をお願いしたり、このほか地方創生の課題に対応して人口減少対策とか少子化対策などに関して、全国レベルで活動されている方を選考させていただきました。
 そのほか金融機関あるいは労働については、それぞれ関連するような方、あるいは言論の部分であれば、地元のメディアに加えまして、地方創生という観点から、少子化対策か移住に関連するような情報発信をされているような方、こうした方に加わっていただき、さらに、広く県民の皆さんからも意見を頂くということで、公募により4名の方を委員として選考させていただくということでございます。

石川(裕)委員
 いろいろ説明いただきましたが、そういう中で地域のことを理解している方とかいろいろありますが、この選考方法ですが、お願いをするに当たって、例えば県の産業労働に詳しい方を選ぶという場合は、これは県庁のその部局の方が推薦をして、その人にお願いをしに行くという一本釣りというんですか、そういうやり方をされているのか、それとも例えばこういう業界団体の方がいらっしゃって、その業界団体に伺った中で、この人が良いのではないかという推薦を受けているのか、この辺の選考の仕方というのはどういうふうにやるんですか。
総合政策課長
 それぞれあろうかと思っておりまして、経済団体などから推薦を頂いて委員になっていただいた方もいらっしゃいます。そのほか、例えば県西地域の方に関わりのある事業に携わっている、そういう事業者の方にお願いするというようなケースもあります。
 ですから、委員からお話のあった、要するに団体からの推薦のものもあれば、こういう方に対してお願いをしたいというようなケースもあるということでございます。

石川(裕)委員
 そういう中で、必要があるということですが、例えばですが、一本釣りをされている方がいらっしゃるとします。当然担当部局の方がお願いしに行って、それとも取りまとめている局の方が行かれるのかどうか分かりませんが、当然推薦する方ですから、県に近い考えを持っている方というんですかね、そういう方をどうしても推薦をしたくなってしまう部分もあるかと思うんですが、その辺の線引きというんですか、そのお願いする方の変更の仕方、その辺についてはどうなんですか。
総合政策課長
 選考に当たりましては、やはり神奈川県のこれからの人口ビジョンですとか、あるいはまち・ひと・しごと創生総合戦略に関しての策定事業をさせていくということですから、当然神奈川県についてよく識見をお持ちの方、そうした方にお願いをするというのは一定程度あるのではないかというふうに思っています。
 ただ、そういったことだけではなくて、そういう方もいらっしゃる一方で当然公募委員のような方もきちんとミックスしながら、バランスのとれた会議の委員構成ということを考えてまいります。

石川(裕)委員
 この件はまた後ほど触れていきたいと思いますが、次の質問ですが、この総合戦略については基本目標ごとに数値目標が示されていますが、具体的な施策にはKPIが示されているんですが、この違いというものを伺います。
総合政策課長
 まず数値目標でございますが、数値目標は基本目標ごとの政策の達成度合いを一定の期間を単位として検証するための指標でございまして、総合戦略の対象期間は2015年度から2019年度ということでございますので、それを踏まえまして、基本目標ごとに5年後の数値目標を設定させていただいているというものでございます。
 一方、KPIについては、実施した施策事業の進捗状況、効果を検証するための指標で、こちらについては小柱単位で毎年度の目標値を設定していただくということでございます。

石川(裕)委員
 その中で、この数値目標とかKPIの目標数値というのは、誰がどのような考え方で根拠とか妥当性を設定したのか伺います。
総合政策課長
 数値目標やKPIの設定に当たりましては、それぞれ各小柱あるいはその事業を所管してございます事業部局とも相談させていただきながら、事業の達成状況を検証する上で適切な項目を選定させていただいたということでございます。
 また、財政状況等も踏まえながら、可能な限り高い目標を設定したところでございまして、こうした中で設定した数値目標については、地方創生推進会議にもお示ししながら、御了解を得てきたという形でございます。

石川(裕)委員
 この評価ですが、先行会派の委員からもお話がありましたとおり、概ね順調に進んでいるというような報告がなされています。少し具体的に伺ってまいりたいと思いますが、先ほどの観光産業の振興、資料の13ページのところでここは産業労働の部分かと思うので、分かる範囲で結構なんですが、KPI、知事も答弁されている体験型ツアーの促進という話がありますが、まずこの商品化件数、これは目標値が200件で実績値が285件、これ、企画・商品化件数となっていますが、これは全て商品化されているという認識でよろしいですか。
総合政策課長
 この案件については、産業労働局の方で所管しておりますので、私どもの方で産業労働局に確認したところでございますが、商品化された件数の累計で285件だと聞いているところでございます。

石川(裕)委員
 これは、商品化されたものが285件ということですが、実際どれぐらいの方が参加されたかというのは分かりますか。
総合政策課長
 こちらの285件ということですが、産業労働局の方にも確認をさせていただいたわけなんですが、全てのツアーの集客人数の把握はできていないということでございますが、観光消費拡大事業と言われている部分の10ツアー、いわゆるふるさとワインツアーのところは把握はできているので、そこで言わせていただきますと、2万6,000人を超える集客があったと聞いているところでございます。

石川(裕)委員
 そういう中で、この神奈川チカタビのホームページを見させていただきましたが、これが例えば、箱根のある施設の13時以降入場限定アフタヌーンパスというものがあります。もう一つは日帰り温泉&個室料亭で昼食休憩プランというのがあります。これは正直ほかの旅行会社でもやっているものがそのまま県のものとしてここにのっかってきている。これを企画若しくは商品化したという話でいくと、少しこれは商品化というよりも、企画も、ほかの例えば旅行会社がやっていることをそのままもってきたということになると思うんですが、私は企画・商品化というのは、県でしかできないようなものという理解でいたんですが、中を少しのぞかせてもらうとそれが違うものですから、この辺の理解というのは、どういう基準があるのかということを伺いたい。
総合政策課長
 今お話があったチカタビの個別の案件の対象としての基準の考え方となりますと、私どもの方で所管外ということになりますので、少しお答えしかねるというふうに考えてございます。

石川(裕)委員
 それではそのことは後ほど考えますが、もう一つ伺いたいのが、資料の50ページの持続可能な魅力あるまちづくりのところのKPIのところですが、これは空き家のことですが、米印のところに、2018年度以降の目標は今後の動向を踏まえた上で設定しますというのが目標ですね。これが目標として掲げられる。これは、取りまとめの局としてどう御理解いただいているか伺います。
総合政策課長
 こちらの案件について、所管局が県土整備局でございますので、私どもの方で少し状況を確認させていただきましたが、目標値の設定に当たりましては、昨年5月に空き家対策法が施行された後に国土交通省が実施をした状況調査や県が全市町村を構成員として設置した行政実務者会議などによりまして、今後の市町村の計画策定の意向を把握して設定したということでございます。
 しかしながら、今回の目標値を設定した時点では、空き家対策法の施行状況ということもございまして、多くの市町村で計画の策定やスケジュールについて不明確な部分があったため、長期の目標設定が困難であったということでございます。
 ただ、空き家対策計画ということについては、空き家対策のスタートというふうになるものでありまして、計画策定を各市町村の実情を踏まえ、速やかに実施すべきものと考えた上で、KPIとして設定をしたというふうに考えているという県土整備局のお話でございました。
 空き家の問題というのは、この基本目標4の趣旨からいって、非常に重要な施策であるというふうに私どもの方も捉えております。そういった意味では、このKPIの趣旨として立てられているものについては、重要であるというふうには考えているところでございます。

石川(裕)委員
 今いろいろと具体的なことを伺ってまいりましたが、そもそも取りまとめの局として、この各担当部局からこういう通知、KPI通知も含めて目標数値が上げられてきたときに、これは例えばまだ取り上げるのは早いのではないかとか、数字が甘いのではないかとか、これは少しやり過ぎなのではないかと、そういう局に対しての議論というのはないものでしょうか。
総合政策課長
 KPIの設定に際しましては、KPIのたて方というのが国から示された手引といったものもございます。そうしたものも、各事業部局に示しながら検討の方をお願いしたという状況でございます。
 国の手引の中でも、できるだけアウトカム仕様でやった方がいいとか、いろいろあるわけですが、私どもといたしましても、各部局から出てきたKPIについては、それが妥当であるのかどうなのか、そうしたことについては、一定議論をした上で、それについて妥当なのかどうなのかということを判断してまいったわけですが、今回のこの2018年以降に数値が入っていないという御指摘だと思うんですが、そこの部分については、今後市町村といろいろ議論していただきながら、設定をできる限りしていただきたいと思っているわけですが、やはり、この空き家対策の市町村での計画ということの重要性ということを議論させていただいた上で、KPIとして取り上げさせていただいたということでございます。

石川(裕)委員
 今の空き家だけの話だけではないんですが、それぞれの中身のことを含めてなんですが、今の御答弁でいくと結果ありきなんです。目標が立てられ、例えば空き家の市町村との連携をしてということであれば、もう結果ありき、例えば取り組もうとしている市町村を目標にするということだってできるわけじゃないですか。ではなくて、もっと積極的に県として、例えばこういうふうに市町村数を増やしていきたい。そのために、県としてはこういう取組をしていくということが、これが目標数値になるべきだと思うんですが、今の答弁でいくと、市町村といろいろ話をした中で、この市町村がいけるかな、この市町村は難しいかなというところで、それでは1市町村にしておこうということなんですね。そうすると、これは順調に進んで当たり前というふうになると思うんですが、もう一回この辺を確認したいと思います。
総合政策課長
 説明が悪かったのかもしれないんですが、私どもとしては、KPIなり、数値目標の設定に当たっては、決して結果として目標があって、もうここまで確実だからそれを数値目標として置くというような考え方ではございません。
 当然その目標として、地方創生の推進をしていくという趣旨から考えれば、当然その時点の様々な状況はありますが、その中で最大限努力をした上で設定できるような数値目標、そういったものが基本であると考えてございますので、決して結果ありきというようなつもりということを考えているわけではございません。

石川(裕)委員
 その辺はそういう御答弁があって大変安心しましたが、そういう中で、正直順調に進んでいる、概ね順調、非常に県にとってはいい、それこそ順調に進んでいるというようなことだったと思うんですが、例えば目標数値が大幅に超えているものもあります。そういうものは、例えば見直しをするとか、そういう途中段階での見直しというものはされていくことはないのでしょうか。
総合政策課長
 KPI、数値目標もそうですが、この地方創生の取組というのはスタートしたばかりだというような状況がございます。そうした中では、現時点で考えていく中では、しばらくその状況を見ていきたいと思っていますし、そうした中で非常に大きな社会環境上の変更がないのであれば、基本的には計画の改定みたいなことについては余り考えていないというようなことでございます。

石川(裕)委員
 考えていないということですが、先ほど言っていた、例えば観光産業の商品化に関してみても、これは中身の問題ですから、取りまとめの局として、例えば1,000本のツアーをその担当局に対して、いやそうじゃないだろうというような意見がやっぱりあっても私はいいと思うんです。やっぱり一つ一つ大変だと思います。全部この中身を議論して、その担当局の方たちと話をして、これはどうだ、こうだということは大変だと思いますが、やっぱり県民を代表して聞いていますが、県民目線でこれは考えていかないといけないと思うんです。いくら商品化した企画をしたといっても、それを旅行会社のものから持ってきて、同じようなことをやっているというのではなくて、だったら、神奈川県らしく、例えば神奈川県で狩猟をやっていると。例えば狩猟の体験はできないですが、一緒に回るツアーをやって、その後鍋を食べましょうとか、そういう県でしかできないようなツアーを組むことをなるべくするようにとか、そういうキャッチボールは必要だと思うんです。
 ただ、このままでいくと、どうしてもやっぱり県民の目線とずれていってしまう。私は正直、こんなに順調に進んでいるとは思っていない。どっちかというと、私も議員にならせていただいてまだ年数が少ないものですから、そういう意味でいけば、客観的に見れば少し甘いのではないかというふうに思います。
 そういう中でいけば、もう少し県民目線に合ったと言いますか、そこを意識した形でもう一度強化をしていただく、若しくは計画を立てていただくということをしていただいた方がいいのではないかと思い、この要望を伝えましてこの質問を終わらせていただきます。