石川(裕)委員

県立高校改革について質問をさせていただきたいと思います。
新聞報道でも、他会派の方から本会議で質問があった中で、県立高校おおむね20校から30校削減という大きな見出しが出て、これだけを見た方からは、ちょっと少し乱暴な進め方ではないかというような御意見も正直伺いました。
そういう中で、まず、今回この報告のありました県立高校改革実施計画の全体素案について、五つの地域というのが示されましたけれども、その地域ごとにどのような視点というんですかね、どういうことで再編・統合を考えていくのかということを、まず、伺いたいと思います。
県立高校改革担当課長
 今回の県立高校改革における再編・統合に当たりましては、全県を隣接する旧学区を組み合わせまして区分した五つの地域を基本に、県立高校の再編・統合を考えております。この地域ごとに中学生の進路希望や高校のタイプ等のバランス、生徒の通学利便性などに配慮して適正な配置となるよう検討を進めてまいります。
また、地方創生の観点からも、学校を核とした地域づくりの視点を勘案して適正な配置に取り組みたいと考えております。

石川(裕)委員
質問は、先ほども御答弁ありましたけれども、五つの地域で分かれるということだったんですけれども、その中で生徒数が伸びている地域もあれば減っている地域もあると思うんですけれども、ここの辺についてはどういう見込みなのかということを教えていただけますか。
県立高校改革担当課長
 県全体でございますけれども、平成27年度の学校基本調査に基づく推定によりますと、公立中学校の卒業生数でございますが、平成27年の約6万9,000人から平成42年の約6万2,000人まで減少傾向にあると推計しております。それで、平成27年3月の公立中学校卒業者数を100%といたしますと、平成42年3月の推計値では、全県での平均は89.3%となります。
五つの地域で見ますと、全県の平均を下回る地域は中・県西地域が82.7%、県央・相模原の地域が87.3%、そして横浜南西の地域が87.4%となってございます。
また更に細かく区分しました旧学区の地域別で見ますと、県西地域が75.7%、同じく横須賀三浦地域が79.3%、横浜北部が80.1%となってございます。また、五つの地域の中でも、横浜北東・川崎、特に川崎の南部地域では増加傾向が見られます。

石川(裕)委員
その数字を頂いた中で、地域によって、もうかなり偏りがあると思うんですけれども、そういう中で、例えば、生徒数が少ないところが削減校数が増えるとか、その幅というんですか、それは地域ごとでどんなような形で設定をされているのかお伺いしてよろしいでしょうか。
県立高校改革担当課長
まず、現行の五つの地域での高校の数でございますけれども、やはり生徒数に対応した設置状況は幅がございます。五つの地域に21校から33校設置しており、12校の幅がございます。最も多いところでは、県央・相模原の33校、最も少ないところでは中・県西地域が21校となっております。
この五つの地域は校数が地域によって異なりますけれども、隣接する旧学区の組み合わせと生徒の通学状況を勘案した結果で区分しておりますので、これを勘案して再編・統合も検討していくということで考えております。

石川(裕)委員
その中で、前回の高校改革の中で2校を1校にして学校数が減ってきたというところがあって、それも通学を考えてそういうことをやってきたというふうに理解していますけれども、それでまた20校から30校削減されるという中で行くと、第1回目で通学のあれを考えましたと。でも、また今度、高校がこれがまた1校減ることに、2校が1校になるわけですから1校減ることによって、生徒にとって通学がまた遠くなる、こういう場面が出てくる地域があるという認識でよろしいですか。
県立高校改革担当課長
 五つの地域に区分いたしました理由でございますけれども、通学の利便性が正に生徒の通学時間が約1時間以内という結果が出ておりますので、その中では更に遠くなるということは想定しておりません。
五つの地域の中で収まると、通学ができるというふうに考えております。

石川(裕)委員
そういう想定をされているということでいくと、学校数は減るけれども、例えば学科数というかクラスの数を増やすことによって、受け入れの人数を増やすということで、その対応をしていくという認識でよろしいんですか。
県立高校改革担当課長
 県立高校の再編統合に当たりましては、全日制の進学率の向上と生徒の定員数の確保ということ、それから生徒の通学利便性を考慮して検討しておりますので、その検討の中で通学にも配慮してまいりたいと考えております。

石川(裕)委員
前回の県立高校改革の中で、そういうこともあった中で今回やられるということですから、その反省点といいますか、そこは十分に留意されて進められると思いますので、この質問はこのぐらいにさせていただきますけれども、そういう中で、前回の高校改革の統廃合でやっぱり定時制に学生が流れたというような、データとしてそういうこともあると思うんですけれども、今回、定時制の方は、定時制高校に関しての再編・統合というのは考えられているのかお伺いしたいと思います。
県立高校改革担当課長
 今回の県立高校改革でございますが、定時制高校に学ぶ生徒のニーズに応じた学習内容、学習環境を提供するため、より適正な学校規模とすることを検討しております。
具体的には、生徒たちの学習状況に応じたきめ細かな学習指導や、支援を必要とする生徒たちのための相談体制などが一層充実できるよう適正な規模の学びの場を提供していきたいと考えております。

 石川(裕)委員
今のお答えでいくと、再編統合はしないという、それとも、するということですか。
県立高校改革担当局長
 定時制につきましては、全日制の進学率とか、それから今後の改革をⅠ期、Ⅱ期と分けてしていく中で、実際に定時制の状況はしっかりと、全日制の状況を見た上で判断していくことになると思います。ですから、定時制の再編統合はもちろん念頭にございますが、今回はそういったスタンスを持ちながら見ていくということで、今後のⅡ期、Ⅲ期の中で明らかにしてまいりたい。このように考えています。考えていないということはございません。

石川(裕)委員
前回の高校改革の中で、やはりそういう定時制の方に結果として流れてしまったということも考えられるということでいくと、今後また一緒に定時制高校がやっぱり再編・統合されてしまうと本当に行き場のない生徒が出ないように、そこだけはきっちりとしていただきたいと思います。
その県立高校改革の中で、グローバル人材の育成というところがございました。県立高校改革でグローバル人材の育成というと、どんなような人材を育てようとされているのかお聞きしたいと思います。
高校教育課長
 県教育委員会では、グローバル人材とは次に申し上げます四つの要素を持つ人材というふうに考えています。
一つ目の要素は、まずは語学力・コミュニケーション能力を身につけているということでございます。
二つ目といたしましては、異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティーを持っているということ。
三つ目といたしましては、積極性、協調性、チャレンジ精神を持っている。
最後、四つ目といたしましては、チームワークやリーダーシップを発揮して、チームで問題解決を図れるようなチームワーク力を持っていると、この4点を持っている者をグローバル人材というふうに考えておりまして、こうした能力によって世界の様々な分野でも活躍ができる人材を目指そうというふうに考えております。

石川(裕)委員
県立高校でグローバル人材を育成しようという中で、どういうふうにグローバル人材を、今お話しいただいた人材をどういうふうに育成をされていこうとされているのか、お伺いしてよろしいでしょうか。
高校教育課長
 幾つかの取組を複合いたしましてグローバル人材の育成を図ってまいりたいと考えておりまして、具体的には、まず、一番目に挙げました語学力・コミュニケーション力の育成のために、改革推進計画の素案にもございますけれども、グローバル教育研究推進校の指定や海外留学の支援などを行ってまいりたいと思っています。
また、日本人としてのアイデンティティーの育成を図るために、歴史教育研究実践校を指定いたしまして、例えば現代から過去に遡って逆向きに日本史を学ぶ逆さ歴史教育といったような学習方法の研究を行ってまいりたい。また、問題解決能力やチャレンジ精神、あるいはチームワーク力といったグローバル人材に必要な能力を育成するために、理数教育研究推進校やプログラミング教育研究推進校なども指定してまいりたい。
このような各指定校の研究成果を、全県立学校が参加する教員向けの説明会などで紹介をするなどして普及を図りながら、各学校においてその成果を活用してグローバル人材の育成を図ってまいりたいというふうに考えています。

石川(裕)委員
もう一つ気になったのが、プログラミング教育。県立高校改革のプログラミング教育の推進というのが、ふっと出てきたのかどうか分かりませんけれども書かれていまして、このプログラミング教育というのはどんな教育で、何でこれを急に煮詰めようというか、人材育成をしようというか、こういう提案をされたのかというところをお伺いしてよろしいでしょうか。
高校教育課長
 プログラミング教育と申しますのは、いわゆるコンピューターにコンピュータープログラミング言語を使って、コマンドと呼ばれる命令を順序立てて組み立てていくことで、ソフトウェアやゲームをつくっていくという、いわゆるプログラミングを教育に活用したものでございます。これを生徒が行うことで、まずはその生徒個人の論理的な思考などを育むことができます。
本県で考えている推進校では、さらにこういったことを個人だけではなくてグループなどを使って問題を発見してグループで解決していく、試行錯誤しながら課題を見付けて、またプログラムを改変していったような作業をやる中で、課題解決能力とか論理的思考能力、問題解決能力、あるいは、先ほど申し上げたように、チームワークを使っていろいろな作業をしていくというようなチームワーク力、こういったものを育成を図るという形でグローバル人材の一つの能力を育てていきたいと、このように考えております。

石川(裕)委員
いろいろお伺いしたいことはまだあるんですけれども、時間もありますもんですから、今の先生にプログラミング教育を教える先生がいらっしゃるということでよろしいんですか。
高校教育課長
 そういう能力を持った教員もおりますけれども、研修などを通じて、さらに教員の方の能力を伸ばしていく必要があるというふうに考えております。

石川(裕)委員
県立高校改革に関しては以上で質問を終わらせていただきますけれども、前回も委員会でお話をさせてもらいましたけれども、何のための高校改革かという中で、やっぱり生徒を中心にこの改革は進めていただきたいということと、また、全日制の方に行きたいと思っている今の中学生生徒さんですね、是非まず進められるようにその受け皿だけはきちんと、私立高校もありますけれども、そういう受け皿は是非つくっていただきたいということを要望いたしまして、特にまた地域バランスも含めて、そういうところもちゃんとしっかり図っていただきたいということを要望いたしまして、この県立高校改革についての質問を終わります。