石川(裕)委員
今回は教職員の方の不祥事防止について、御質問をさせていただきたいと思います。
まず、なぜこの質問かといいますと、いつも地元の話で恐縮ですが、麻生区の中学校の先生が強制わいせつと暴行で逮捕されて懲戒免職になったという事案がありましたものですから、これは川崎市の教育委員会の先生の話ということにはなると思うんですが、それに関連して、神奈川県の教職員はどうかということを何点か伺っていきたいと思っております。
まず、教員の過去5年間の懲戒処分の件数は、どれぐらいあるのか教えていただいてよろしいでしょうか。
行政課長
平成22年度から26年度までの過去5年間においての県教育委員会の処分ですが、教員に対しまして95件の処分となっております。平成26年度が19件、25年度が26件、24年度が14件、23年度が26件、22年度が10件となっております。

 石川(裕)委員
それだけの件数、2桁の件数が毎年あるということですが、懲戒処分になるのは、どういう事例が多いのかを教えていただいてよろしいですか。
行政課長
過去5年間におきまして懲戒処分を行いました95件の教員ですが、一番多い事案がわいせつ行為の32件で全体の3割以上を占めてございます。次に多いのは、体罰の28件でございまして、これも約3割でございます。その次に多い事案が、酒気帯び運転等の交通違反及び交通事故で、これらの三つの事案をもちまして懲戒処分全体の4分の3を占めてございます。
 石川(裕)委員
わいせつが3割、体罰が3割で多いということですが、先ほどもおっしゃられましたが、学校は安全・安心な場所ということで通わせなければ保護者としてはいけないと思うのですが、わいせつに限っていきますが、過去5年間の処分、わいせつをされた先生の処分というのは、どういう状況ですか。
行政課長
過去5年間にわいせつ行為によって処分されました教員32件のうち23件につきましては懲戒免職処分としております。8件につきましては停職処分、1件については減給処分としております。被害に遭った児童・生徒はもとより、他の児童・生徒や保護者に与える影響は極めて大きいということで、厳しい処分をもって臨んでいるところでございます。

石川(裕)委員
では、その処分の状況は厳しく臨んでいることは分かりましたが、これだけ2桁、毎年毎年ある中で、何万人も先生方がいらっしゃる中で、どういう防止というか、どういうことを徹底して取り組まれてきたのかを教えていただいてよろしいでしょうか。
行政課長
教育委員会では、各県立学校を含む全所属で不祥事ゼロ運動というものを展開してございます。学校ごとに、不祥事防止に向けた研修をかなり実施するなど、行動計画をつくりまして実行しているところでございます。またこの他にも、実際の不祥事の実例を取り上げた不祥事防止職員啓発資料というものを作成・配布いたしまして、その他にも事務局の職員が、各県立学校を巡回いたしまして、事務執行の状況等を確認する調査を実施しているところでございます。
また昨年11月と今年4月ですが、全ての県立学校の校長を対象としまして、不祥事防止の研修を改めて実施をしておりまして、先ほどの話題になっていますわいせつ、セクハラ行為等を含めましてこうした不祥事を起こした職員のそのときの気持ち、動機ですとか、それから心境、それに対する校長の発生原因の分析といったものの実例を挙げまして、解説をして、不祥事防止に向けて意識の向上をしていこうということで、実施しているところでございます。

石川(裕)委員
そういう中でも、不祥事がゼロにはなっていない。毎年波はありますが、毎年2桁、そういう不祥事があるということですが、去年の報道で、県教員が不祥事ということで、女子生徒の下着を撮影するなどした湘南地区の公立中学校の男性教諭を戒告懲戒処分としたと、この教諭は依願退職をしたという報道があるのですが、そういう中で、この依願退職した教諭が再び教壇に立つことというのは可能なんでしょうか。
教職員人事課長
退職をして身分を失った者が再びまた神奈川県の教育現場等に戻ろうということであれば、改めて神奈川県の教員採用試験を受けることになります。その際、受験資格においては、いわゆる欠格事由等に該当しなければ、受験すること自体は可能でございます。
しかしながら、実際教員採用に当たりましては、人物本位、本人の資質等をしっかりと見極めるべく第二次試験の面接等で、そのあたりを見極めるということで進めております。ですので、面接官を含めて、私どもでは神奈川県の教育の現場に立つにふさわしい人を一人でも多く入れるよう、採用試験等を通じて採用選考を行っているところでございます。

 石川(裕)委員
ちょっと分かりづらかったので、もうちょっとお伺いさせていただきたいと思うのですが、例えばですが、この川崎市の学校の先生がこういう形で依願退職をされたと。次に例えば何年かたってからでもいいんですが、神奈川県のいわゆる学校の先生の採用試験を受けることは可能だという認識でよろしいですか。
教職員人事課長
いわゆる懲戒免職等で教員免許を失効している、あるいは教免を失うということであれば、その間については、受験資格はございません。ただし、依願退職というような形で、教員免許自体が失効していないということであれば、受験すること自体は特に欠格事由には該当しませんので、可能でございます。
石川(裕)委員
そういう中で、採用するに当たって、先ほどお話をいただきましたが、面接をして人物を選んでいくと、ふさわしい人物を選んでいくということですが、この選考方法というのを、ちょっと時間がないので、最後にどういう形で選考方法をされているのかというのを伺ってよろしいでしょうか。
教職員人事課長
最終合格を決める第二次試験でございますが、模擬授業、協議、個人面接といったもので構成しております。その際、ベテランの学校管理職並びに指導主事などの複数の面接員を配しまして、一人の人物を複数の人間が多面的に見ることをまず前提としております。また何より、先ほど委員からもお話もありましたように、何としても一人でも多くの教育現場に立つにふさわしい人物を採用してまいりたいという思いは、面接官を通じても同じでございます。面接に先立ちましては、全ての面接員を対象といたしまして、研修の場を設けております。その際に臨床心理士による講義、あるいは模擬面接を通じて、例えばですが、面接カードに記載されている履歴事項に気になる点等があれば、その点を深く掘り下げて反応を見る、あるいはそういったことを通じて、面接員一人一人面接技法の向上を図りつつ、教員採用を進めているところでございます。

石川(裕)委員
最後に要望をお伝えしますが、本当に何万人もいらっしゃる方の中で、そういう教職員の方はごく一部だと思うのですが、先ほどもの繰り返しになりますが、学校は児童とか生徒とかの安心で安全な場所でなければいけないと思っているんです。不祥事根絶に向けて、まず努力をお願いしたいというのと、その採用に当たっては、本当に一度そういう事案のあった方がまた教壇に立つことがないように、しっかりと見極めていただきたいと思います。

茅野委員(関連質問)
先ほど教職員人事課長から、いわゆる欠格事由がなければ採用試験は別に構わないとの話だったが、この欠格事由というか、例えば先ほどの川崎市の教育委員会で例えば欠格事由があったとして、今度神奈川県で自己申告をしない限り分かるのか分からないのか。例えば東京都でもいいし、地方でもいいし、そういうものというのはネットワークの中で、懲戒免職とかそういうのは、他の教育委員会で行われているということは、神奈川県の教育委員会では把握ができるものなのか、ちょっとそこのところだけ教えてください。
教職員人事課長
教員免許の失効ということでお話をしますと、懲戒免職等で教員免許が失効した場合につきましては、教員免許の授与権者でありますそれぞれの都道府県の教育委員会から全国の都道府県の教委員会に対して、その情報が周知されることになってございまして、私どもも他県でそういった形での教員免許を失効した者についての情報については、共有をしているところでございます。
茅野委員(関連質問)
では、懲戒免職でなくて、先ほどの川崎みたいに、任意で依願退職の場合はどうなるのですか。先ほど人格とか識見とかということを面接で見ると言いましたが、例えば九州か何かのところで不祥事があって、依願退職をされた、そして神奈川県で受けるといった場合に、このネットワークじゃないが、その人物をどこまで見られるのかというところは、把握できるものなのでしょうか。
教職員人事課長
確かに教員免許状失効については、それぞれ周知という形になってございますが、教員免許の失効に至らないケースについては、特に相互の周知をするといった仕組みといったものが、現在はございません。ただ、先ほど申し上げましたように、やはりそういった形で不定期な形で職場を去ることになった者については、当然職歴等の中断、そういったことが申告の際に出てきますし、実際の本採用に当たりましては、採用のいわゆる職歴証明といったものも最後の段階では取るといったようなこともございますので、何よりそういった履歴等で気になる点については逃さず余さず確認をとるというような形で、面接を徹底しているところでございます。
茅野委員(関連質問)
採用に当たっては、職歴のところで慎重なことも必要なのかなと思いますし、子供が安全で安心して通えるような学校環境を、教育委員会としていかにつくっていくのかというところも必要だということを申し上げて、私からの質問を終わりとします。