2.DSC_9384貧困の連鎖を断ち切るための若者の就職に向けての支援について(知事へ)

県では平成27年3月に「神奈川県子どもの貧困対策推進計画」を策定したが、この計画には「子どもの就労支援」の項目があるものの、経済的困窮家庭の子どもに対する支援については特に触れられていない。

一方、生活保護世帯や児童養護施設に入所している子どもに対しては、ケースワーカーや学校の進路指導者が連携した支援、安定した生活基盤を築き、円滑な自立を実現するための貸付制度など、様々な支援があり、経済的困窮家庭の子どもに対しても同じようなサポート体制が必要であり、こうした支援が若者の自立や就職支援につながり、貧困の連鎖を断ち切ることができると考える。

そこで、生活保護世帯や児童養護施設を退所する際のサポート制度同様、経済的困窮家庭の若者に対して、就職して自立するに当たり、具体的施策、支援を打つべきと考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁

経済的に困窮している家庭の若者の、就労や自立を支援することも、重要な対策の一つです。

福祉部門では、生活保護の受給には至らないものの、経済的に困窮する方に対して、県と各市が、生活困窮者のためのワンストップの相談窓口を、平成27年4月から開設しています。 この窓口では、相談支援員が、生活困窮世帯の若者を含め、一人ひとりの状況に合わせて、例えばハローワークへ同行したり、「かながわ若者就職支援センター」へつなぐなど、他の支援機関と連携し、就労に向けた支援を行っています。さらに、就職や技能の習得に必要な資金の貸付など、公的な貸付制度についても相談に応じている。

県教育委員会では、退職した教員や民間の方などを非常勤職員として雇用し、学習支援や進路支援などを行う「サポートティーチャー」制度を設けている。この制度により、各高等学校等の必要性に応じ、キャリアコンサルタントといった有資格者などを配置し、経済的な困難を抱える生徒を含めて、すべての生徒を対象に、きめ細かな進路支援等を行っていく。

各機関が、若者の就職を様々な形で支援しているが、支援の必要な若者すべてが、福祉部門などの相談機関につながり、制度を利用できているとはいえない。そこで、経済的に困窮した若者が、就労に向けて活用できる各種の支援情報を確実に得られるよう、福祉部門や学校現場などの情報共有や連携を強め、支援の窓口につなげていきます

また、現場の意見を聞きながら改善や充実すべき点を洗い出し、市町村との役割分担を整理して施策を進め、国にも必要な支援を要望してまいります。今後も、経済的な困窮世帯の若者の就労をしっかりと支援し、貧困の連鎖を断ち切ることができるよう、全庁をあげて取り組んでまいります。