石川(裕)委員

 続きまして、商工費の外国人観光客誘致に向けての取組について伺ってまいります。
 まず、外国人観光客誘致にかかる平成28年度の決算額、そして外国人観光客の受入環境整備事業にかかる決算額と誘致プロモーション事業にかかる決算額を伺いたいと思います。
国際観光課長
 観光事業振興費の支出済額3億5,554万2,000余円のうち、外国人観光客誘致施策にかかる事業の決算額は1億8,750万8,000余円です。そのうち、外国人観光客の受入環境整備事業にかかる決算額といたしましては764万1,000余円、また、誘致プロモーション事業にかかる決算額といたしましては1億2,035万8,000余円となっております。

石川(裕)委員
 外国人観光客誘致で1億2,000万円と御答弁いただきました。頂いた資料によりますと、平成28年度に、例えば、台湾メディア及びパワーブロガーに招請事業費として750万円、同じくインドネシア、マレーシア、ベトナム等々に事業費がそれぞれ350万円、540万円付いていますが、まず、なぜこの国になったのか伺いたいと思います。そしてまた、その成果を伺いたいと思います。
国際観光課長
 まず、ターゲットとした国でございますが、県といたしまして、まずはターゲットの国、地域ということで、五つの国の地域を指定しております。
 まず、考え方といたしましては、距離的にも近く、今後、訪日外国人旅行者の伸びが期待できますアジアの国や地域からまず展開することにいたしまして、その一つ目として現在の訪日外国人旅行者数の上位国であること、2番目といたしまして経済成長中の国であること、3番目の考え方として、今後、経済成長が見込まれる国という、この三つのカテゴリーに分けまして、加えて東京都と神奈川県への訪問率の格差、また、人口、1人当たりのGDP、また、日本国内での旅行中の支出額の指標を基にターゲットを選定しているところでございます。
 先ほど申し上げました一つ目のカテゴリーの現在の訪日外国人旅行者数の上位国についてですが、このカテゴリーとして、東京都と神奈川県への訪問率の格差が大きく、かつ旅行中の支出額も多い中国を選定しております。また、中国の海外旅行事業につきましては、台湾の海外旅行の事業の影響を受けることから、併せて台湾も選定したところでございます。
 二つ目のカテゴリーといたしまして、経済成長中の国につきましては、1人当たりのGDPが高く、また、人口が比較的多いマレーシアを選定しております。
 最後、三つ目のカテゴリーといたしまして、今後、経済成長が見込まれる国ということで、この中で東京都と神奈川県への訪問率の格差が大きく、東京都にはたくさん来ているのですが、神奈川県にはまだ来ていないということはまだ伸び代があるという、それでかつ人口及び1人当たりのGDPが多いインドネシア、さらに旅行中の支出額の多いベトナムを選定したところでございます。
 こういったように、五つの地域を指定しているところでございます。
 また、その効果についてですが、県といたしましては、KPIの指標といたしまして、インバウンド観光につきましては外国人観光客の誘致数を掲げているところでございます。具体的に、その効果につきましては、2016年の各国別の神奈川県への訪問者数でございますが、この数字につきましては、日本政府観光局が発表したオールジャパンの訪日来客数に都道府県別の訪問率を掛けた推計値ということになりますが、中国が2016年で99万人、台湾が24万人、ベトナム・インドネシアが3万人、マレーシアが2万人となっております。
 その効果といたしまして、過去からの推移を見ていきますと、中国・台湾は、中国が26万人から99万人、台湾が14万人から24万人、その他はその前の統計がなかったので、まだ具体的な数字としては出ておりません。

石川(裕)委員
 詳しく御答弁を頂きました。それとはまた、招請事業とは別に、観光レップという業務委託の事業があります。この観光レップというものは、まずどういうことか伺いたいと思います。
国際観光課長
 観光レップにつきましては、現地で、今申し上げました5箇国に活動する神奈川県のレプリゼンタティブ、代表として活動する拠点を設けまして、そこで例えば旅行代理店であるとか、また、ブロガーとか、あとメディア、こういったところにプロモーションをかけていくものでございます。

石川(裕)委員
 では、観光レップのそれぞれの成果、期待する目的はどういうことになっているのでしょうか。
国際観光課長
 観光レップは平成28年からスタートした事業なのです。神奈川県の在外でのプロモーションは、例えば外国で観光展に出てその場でPRする、また、メディアを呼んで招請をする、大きくそういったことでしたが、これは考え方としては、効果はありますが、どちらかというと単発で終わるという側面は否めないものでございました。
 観光レップを置いたことによりまして、例えば観光展の出展に合わせて、現地で神奈川の周遊先を加えたツアーをつくっていただいて、それで売っていく。また、観光展に出た後でフォローアップをしていただく。こういったことで、今まで点でのプロモーションだったものが面での広がりが出たと認識しております。

石川(裕)委員
 例えば、一番観光客数が多かったという中国でも観光レップがあると思いますが、具体的にどれぐらいの方が訪日して、そして神奈川県にどれぐらいの方がいらっしゃったのでしょうか。
国際観光課長
 先ほど申し上げた人数がございますが、例えば神奈川県のプロモーションによって、その中のどれぐらいの数が中国から神奈川県に来ていただくことになったかということを、数字として把握するのは難しいものがございます。ただ、現地で中国国内でプロモーションをする、実際にツアーをつくっていただく、そういったことによって、やはり神奈川を知っていただく、認知していただく一定の効果があります。これを継続していくことによって、例えばツアーの企画であるとか、神奈川県の認知度の向上につながると思っております。

石川(裕)委員
 1,000本のツアーのときにもお話をさせてもらいましたが、ツアーを企画する、若しくはツアーがこういうのがあるということを認知してもらう。これだけでは、神奈川県の県税を使って、結果がはっきりしない。先ほども申し上げましたが、行政はやはり結果が求められると思います。その結果のとり方として、何人来ているか分からない、そしてツアーの企画を委託しているのであれば、そこの委託しているところはせめて、このツアーに何人ぐらい申し込みました。若しくは何本ツアーをつくっていますということは把握するべきだと思います。その点についてはいかがでしょうか。
国際観光課長
 委員おっしゃるとおりなのですが、観光レップ事業は平成28年からスタートしたところでございまして、初年度、神奈川県としても初めて行った事業でございます。平成29年度、今年度も引き続き観光レップ事業を継続しているところでございますが、その中でやはり商品の企画であるとか、実際何人来ていただいたのかとか、例えば訪日来客数はありますが、それとは違って、個々の事業での実績をしっかり把握していきたいと思っております。

石川(裕)委員
 平成28年度の結果が分からずに、平成29年度に観光レップ事業を進めるということです。平成29年度は委託事業者が何社かありますが、その委託事業者に対してどれくらい観光客数を呼び寄せるという、具体的な目標数値は課していないということでしょうか。
国際観光課長
 平成28年度につきましては、プロモーションの回数であるとか、そういったものを仕様に入れております。例えば効果として、何人増やすといったことは設けておりません。

石川(裕)委員
 何度も繰返しになりますが、訪日観光客について、観光レップ事業に事業費を使ってやっているわけです。神奈川県に来てもらうための予算、決算額でいう費用なわけです。そこはしっかりと目標数値、ツアー数をつくる。最低でも何人は神奈川県に送り込んでくださいとしなければならない。そういうプロモーションをして、その結果、神奈川県にどれぐらい来ているか分からないということです。
 例えば神奈川県がやらなければいけないことなのかと思われてしまうかもしれません。神奈川県の予算をかけてやっているわけです。是非、訪日というよりも、神奈川県に呼び込むという形でこの事業を進めていただきたいと思います。
 神奈川県に先ほど中国の方は99万人とありましたが、外国人観光客誘致の費用は非常に多く、神奈川県では、国庫も含めて使われていますが、その中で、なかなか御答弁いただけない難しい部分はあると思いますが、外国人観光客の方が来て、どれくらいの経済波及効果があるのかというところを伺いたいと思います。
国際観光課長
 経済波及効果ですが、観光産業にかかる事業者は相当、幅広でございます。ホテルであったりとか、あとレストランであったり、そこにつながっている鉄道事業者であったり、また、そこのホテルに材料を供給している業者であったりとか、かなり幅広でございます。
 以前もお答えしたと思うのですが、その数字について精緻にお答えするのは難しいものがあります。そういう指標について、今後もちろん考えていきたいと考えております。
観光部長
 今の国際観光課長の答弁を補足させていただきます。
 インバウンド増による県内経済への波及効果について、職員が試算した数字は持ってございます。それを申し上げますと、まず外国人旅行者1人が神奈川県を訪問した場合の県内経済の生産誘発額は2万8,181円と試算しております。例えば2020年に440万人、1年間で神奈川県に外国人に訪問していただこうという目標を掲げようと思っております。2016年の実績が231万人でございました。したがいまして、440万人の目標を実績231万人を引きますと209万人、これが2020年の生産誘発額が増える額ということになっております。
 それを同じように、2018年、2019年と、毎年の旅行者が増えていくものを足し上げていきますと、2018年度から2020年まで、この3箇年で404万人増やしていこうとしておりまして、その生産誘発額は1,138億円、それが観光客を増やしていくことによる生産誘発額と試算しています。

石川(裕)委員
 観光部長から御答弁を頂きました。そもそも質問させていただいている中で、神奈川県の観光客受入環境整備協議会で官民で力を合わせて、これから5年間で188億円の費用が受入環境整備にかかるとされています。
 そういう中で、私は何度も申し上げていますが、一定程度の受益者負担というのは、私は必要だと思っています。この環境整備に関しての費用負担については、今後もまた、別の機会に質問してまいりますが、しっかりとした財源確保をお願いしたいと思います。