石川(裕)委員
 私からは、まず先ほど先行会派からも質問がありましたが、バカロレアを含めたグローバル教育について質問してまいりたいと思います。
 まず、平成28年度決算の委員会ですので、平成28年度県立高校改革事業における国際バカロレア認定推進校に関する項目、費用はどのようなものがあるのか、確認したいと思います。
高校教育課高校教育企画室長
 平成28年度において、240万円ということで予算を計上しております。その内訳については、説明会等の講師謝金、説明会チラシ関係、広報関係、書籍、研修参加費となっております。

石川(裕)委員
 その費用のところに、予算240万円となっていまして、決算額も240万円ですが、その目的として、グローバルな視点を持ち、国際社会の中で主体性、積極性、チャレンジ精神を持って、異文化の人々と協調して様々な問題の解決を図る、グローバルリーダーとして活躍できる人材を育成するという目的が入っています。そういう目的の中で、そしてまたその内容の中に、入学者の選抜方法や教育課程の検討、そして教職員の育成確保、認定校設置に向けての環境整備を実施するという内容も書かれています。そういう中で、国際バカロレア、入学者選抜方法の教育課程の検討について、具体的にどういう選抜方法になったのかは決まったのでしょうか。
高校教育課高校教育企画室長
 今回、国際バカロレアについて、国際バカロレアコースの実施計画を10月に教育委員会でしております。その中で、教育課程の部分、入学者選抜の概要という形で示させていただいております。この入学者選抜については、共通選抜の部分で先ほども申し上げましたが、一般募集、特別募集のところでそれぞれ20名、5名の定員とさせていただいております。その中で、先ほどもありましたが、今回、国際バカロレアコースを志願する者については、国際バカロレアコースを除く国際科、いわゆる国際科本体について、第2希望を志願できるという形にしております。その中で、一般募集、特別募集、ともに国際バカロレアコースが合格とならなかった者については、この第2希望である国際科本体が行います2回の選考の中で、国際科本体の志願者とともに選考するという形にしております。
 また、検査内容については、学力検査、面接、一般募集については学力検査、面接、特色検査という形の設定をしております。

石川(裕)委員
 その中で、平成29年度は今度540万円の予算が付いています。これは平成28年度にそういう決定がされ、平成29年度に540万円が新たにまた予算が組まれています。この継続性について教えてください。
高校教育課高校教育企画室長
 こちらについて、継続性といいますのは、昨年度計上している240万円の項目に加えて、特に今回、海外へのバカロレア校に行く研修も含めて、今回2名海外へのバカロレア校への研修を入れますので、そういったところの部分でもつながりを持っている形になっております。

石川(裕)委員
 バカロレアの研修に行かれる方の費用がここに入った、これは先ほども先行会派から質疑がありましたが、英語教育の海外研修の実施費用も含まれています。これとは別で、バカロレアのところで組まれているということでよろしいのですか。
高校教育課高校教育企画室長
 英語海外の研修とは別に、ここの今回の国際バカロレアの認定推進校指定事業費の中で、海外のバカロレア校に対する海外研修を計上しております。

石川(裕)委員
 繰り返しの質問で恐縮ですが、そのバカロレアの研修に行かれた2人という方は、英語の先生ではなくて、バカロレア全体の教育といいますか、指導方法といいますか、それを学びに行かれたお二人という理解でよろしいでしょうか。
高校教育課高校教育企画室長
 こちらについては、今回海外へのバカロレア校の教員派遣研修ということでありますが、横浜国際高校の教員を2名行かせております。特に高校については、バカロレアについての中身を実際に実践していきながら勉強しています。今回、これについてはオーストラリアの学校に2箇月にわたって、様々な教科の授業を視察するとともに、スタッフのミーティングにも参加して、国際バカロレアの理解を深めたということであります。こちらについては、正に数箇月を見通した授業計画の作成方法、また定期的に実施される教員研修の進め方、更には生徒の変容等も分かるということで、本県のバカロレアの導入に向けては大変に参考になったという形では聞いております。

石川(裕)委員
 これは、平成29年度の事業のことですので、この辺で質問はやめさせていただきます。
それでもう一つ、先ほどの先行会派からの御答弁で一つ気になったところがありまして、バカロレア校を受験された生徒さんで、そのバカロレア学科に残念ながら入れなかったという生徒さんは2次で国際科で救う手立てがあるという御答弁がありました。こういう緊急補助的というか、助ける政策というのは、たとえば体育に関する学科でいけば厚木北高校にスポーツ学科があったり、ほかにもそういう学科ごとの専門がある学校もあると思いますが、こういう学校も同じように救ってきているのですか。
県立高校改革担当部長兼高校教育課長
 委員御指摘のように、現在専門学科やあるいは昼間定時制の午前部、午後部、こうした間で第1希望、第2希望という形で志願が可能になっております。そうした学校への志願の熱心さ、高さを酌み取るために、どちらのコースでもとにかくその学校で学びたいという生徒を救うという形で、そういう第1希望、第2希望制度を取り入れています。

石川(裕)委員
 確認ですが、たとえば厚木北高校のような学校や、白山高校のような高校も同じようにバカロレアと同じように普通科、たとえばですが、スポーツ科が駄目だった場合その子が行きたいといったら普通科に行ける、2次募集に入れるということでしょうか。
県立高校改革担当部長兼高校教育課長
 新しくできた再編の学科については、この制度は取り入れておりません。これまでの職業教育、あるいはもう廃止してしまいましたが、専門コースといった学校で第1希望、第2希望制度を取り入れておりました。

石川(裕)委員
 バカロレアだけ、定員数20名で帰国子女が5名という形の募集で、数少ないという理由は理解しますが、なぜここだけそういう形なのでしょうか。救うという考えは、どういう理由から生まれてきたのでしょうか。
高校教育課高校教育企画室長
 こちらの国際バカロレアについては、まず、国際バカロレアコースだけが国際バカロレアの理念というものではなく、横浜国際高校全体、正に横浜国際高校は国際化という本体がありますが、全体が国際バカロレアの理念を背負っていくという形になり、また横浜国際高校全体が県立高校全体へのグローバルへの普及という役目も持っております。そういった意味で、特に平成31年度の入学者選抜からは国際バカロレアの方の入学制という形が入っていきますので、その時点で全体がそういった形になるといったことを鑑みますと、25名の国際バカロレアの部分での入学者選抜においては第2希望という形をとっていきながら、全体として国際バカロレアの理念を追求していく、非常に意欲ある生徒をとっていきたい、ましてや公立中学校を卒業した生徒をしっかりととっていきたいと思っております。

石川(裕)委員
 では、視点を変えて、バカロレアから少し離れてグローバル教育ということで、平成28年度におよそ2億9,000万円の予算で、外国人による語学指導推進事業費が組まれております。これは外国人による英語授業の実施であると推測をされますが、この外国人の先生というのは、一体何人ぐらいいらっしゃるのかということと、またどのような採用のされ方、報酬はどのようになっているのか、伺いたいと思います。
県立高校改革担当部長兼高校教育課長
 いわゆるALTと呼ばれる外国人指導助手ですが、平成28年度は全部で134名を委託によりまして採用しております。委託業者が募集、採用して、そのALTが派遣されているという状況です。ALTの単価報酬ですが、ALTに関して年間で幾つの学校に総計で何時間お願いしますという契約になっておりまして、その中で各ALTにどれぐらい雇って幾らで報酬を払うということについては、委託業者に任されている部分でありまして、県教育委員会としてはそこまでは把握していません。

石川(裕)委員
 予算によると、委託費として約2億7,900万円という数字があります。その予算の目的のところに、全ての生徒が高校卒業時に日常的な英語コミュニケーション能力を身に付けるようにして、これからの国際社会に積極的に関わる人材を育成するという目的で、外国人による語学指導推進事業費が使われています。このネイティブスピーカーといいますか、外国語指導助手は具体的に学校ではどのような業務を担当されているのか、伺いたいと思います。
県立高校改革担当部長兼高校教育課長
 英語の授業において、たとえば身近な話題や社会的な話題について、生徒とディスカッションを行う、ディベートを行うといった授業、あるいはスピーチやプレゼンテーション、英語で行う際の発音指導や、あるいは課題を出して、それに対するいわゆるライティングについての添削を授業の中で行っております。

石川(裕)委員
 今、134名の外国籍の先生がいらっしゃるという中で、目的の方で先生がどういうことをされているのかとお話しさせていただきました。私も、この幾つかの高校の生徒さんにお話を伺いまして、外国の方による英語の授業は、1年生だけという学校もありました。学校によって違うのかもしれませんが、まずそこがどうなっているのかということと、予算の目的の中に全ての生徒がとなっていますので、そこのところの確認ですが、進学を目的とする生徒と、就職を目的とする生徒、たとえば工業高校や商業高校ですとか、そういう生徒もいらっしゃいます。そういう中で、指導方法も私は変わってくると思うのです。それは、一律的にネイティブな英語に触れることは大変重要なことですし、就職するに当たっても進学するに当たっても、非常に重要なことだと思っています。ただ、全ての生徒が高校卒業時に、日常的な英語コミュニケーション能力を身に付けられるようにするという目的に対して、少し無理があるのではないかと思いますが、そこの辺の所見を伺いたいと思います。
県立高校改革担当部長兼高校教育課長
 委員御指摘のように、全ての生徒が日常会話ということで目指しています。実際に、各学校で生徒の状況を見ながら、まずは1年生全てのクラスでALTが入れるような形で導入をしているところが多くありますが、それ以外に、3年生の選択授業の中で、たとえば進学を目指す生徒に対して、少しレベルの高いライティングであるとか、スピーキングを主に行っているALTもあります。そうした中で、卒業するまでにはネイティブスピーカーの授業を1回というか、年間に1学年、2学年、3学年になるか分かりませんが、どこかの学年で必ずALTの授業を年間通して受けることは達成できていると思います。そのままそれをやっているから、全ての生徒がというところは、たしかに委員御指摘のように難しいとは思いますが、その一端を大きく担っているという認識です。

石川(裕)委員
 思いは多分一緒だと思いますが、日本の英語教育というと、なかなかしゃべれるようにならない。私も含めてですが、英語の授業をしても、なかなかしゃべれる英語がなかなか身に付かない。そういう中で、平成29年度と平成28年度を比較すると、決算額は分かりませんが、ALTに関しては800万円も予算を減額しています。そういう中で、2020年度から大学の入試共通テストが変わってまいります。その中で特に英語では、現行の2技能、読む、聞くというところから、今度4技能となり、読む、聞く、話す、書くを評価されるとされると伺っています。そういう中で、生徒の英語力の向上は必須で、また喫緊の課題だと思いますが、その点について県の教育委員会では、今後、どのように英語の授業改善を推進していくのか、伺いたいと思います。
県立高校改革担当部長兼高校教育課長
 委員御指摘のように、新しい高大接続システム改革という国の進めている事業の中では、4技能と言われております。また新しい学習指導要領の中でも、4技能の育成が求められています。今後は、このALTの授業も進めながら、先ほど答弁にありましたが、教員を海外研修などに派遣しております。そうした研修の成果を普及して、英語の県立高校における英語の授業がきちんと4技能が育成できるように、授業改善に向けて更に取組を進めてまいりたいと考えております。

石川(裕)委員
 課長の御答弁は理解します。その中で、横浜国際高校バカロレアの話に戻りますが、国際バカロレア認定推進校と横浜国際高校は、横浜国際バカロレア認定推進校とされています。私は、別の委員会でも国際バカロレアをなぜ公立高校で導入していくのかという意義も伺ってまいりました。そして、その中で、神奈川の子供たちに幅広い進路の選択肢、学習機会を提供していくこと、そして国際バカロレア認定校の成果を横浜国際高校だけでなくて、県内の県立高校、あるいは市立高校、そうした県内に全体に広げていくことによって、県立高校におけるグローバル教育のレベルアップを図っていくと御答弁いただいております。この国際バカロレア含めて、これをどう全体に具体的に広げていこうと思われているのか、伺いたいと思います。
高校教育課高校教育企画室長
 まず、国際バカロレアのいわゆる教育プログラムについては、平成31年度の入学者から実際に動いていくという形にはなっていきます。その中で、教育内容を含めて、実際に横浜国際高校にいる教員がそこのところでしっかりと教育をやっていく中で、当然のことながらその成果の部分を、実際にほかの県立高校の教員も授業を見たり、その成果発表を含めて示していくということ、また教員の部分でこの先また異動等含めながら考えていきますと、国際バカロレアで育んできた教員の質の部分についても、ほかの学校に異動した場合でも、そこでの教育の向上も図っていけるかと思っております。
はかりや委員(関連質問)
 関連で一つだけ伺いますが、国際バカロレアもそうですが、言語アカデミアで教員の研修などもしているということで、今まで英語教育には相当力を入れてきていると思いますが、神奈川県の高校生の英語力は、全国的に見て他県と比べてどのような位置にあるのか、どの程度伸びてきているのか、そのあたりについて伺います。
教育局長
 神奈川県内の高校生の英語力どの程度かという御質問ですが、県立高校英検準2級以上を取得している、あるいは2級以上相当の英語力を有すると思われる生徒の割合について、まず平成27年度が25.4%、全国45位でしたが、平成28年度はこちらの割合が38.6%で、全国14位という順位です。このように、平成28年度に県立高校に在席する3年生約3万9,000人のうち38.6%が、国が指標として定めております英検準2級相当以上の英語力を有しているとされております。これは、平成27年度と比較して13.2%上昇しています。これは私どもの方として、英検の受験資格に対する補助のようなことも今やっていますので、そうしたことにより着実に成果が上がってきていると受け止めています。
はかりや委員(関連質問)
 バカロレアのように先進的な教育も大事だと思いますが、全体のボトムアップも非常に大事だと思います。そのあたりについても、意を用いていただきたいということを申し上げて石川委員にお返しします。

石川(裕)委員
 御答弁を受けて、神奈川県に広げていくには少し時間がかかると理解しました。この辺について、恐縮ですが、教育長から神奈川県のグローバル教育の推進について端的にお考えを頂ければと思います。
教育長
 これからの時代というのは、多分一部の人間だけではなくて、県民全てがグローバル社会の中で生きていくようになると思っております。そうしたときに、海外へ出ていくと同時にこの日本の中でグローバル化をどう受け止めていくのか、これは全ての子供たちがこれから直面していくことだろうと思っております。そのために、県立高校としてしっかりと対応していきたい。今御指摘いただきましたように、バカロレアがあり、更にはグローバル教育推進校があり、それで高校生の海外派遣があり、教員の海外研修があり、そして更には英検受験の支援があり、そういったトータルとして神奈川のグローバル教育を推進してまいりたいと考えております。

石川(裕)委員
 今後、グローバル社会において、外国人との交流するためにも、そしてまた2020オリンピック・パラリンピックも控えています。2019ラグビーワールドカップも神奈川県で決勝が行われますので、是非、このグローバル教育、外国人の方と触れ合うことは、これからの日本にとっても重要なことだと思いますので、教育に関してしっかりと進めていっていただきたいと思います。